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モジュラー トランスバース マトリックス(MQB)を導入【フォルクスワーゲン】

2012年2月6日

新時代の幕開け:フォルクスワーゲン、モジュラー トランスバース マトリックス(MQB)を導入

・ MQBは車両クラスやブランドを超えて主要技術の相互活用を推進
・ MQBによりラグジュアリークラスの技術が量産モデルに採用可能に

ウォルフスブルク、2012年2月1日
フォルクスワーゲン グループは今年、モジュラー トランスバース マトリックス(ドイツ語の頭文字からMQB=Modularen Querbaukasten)を、フォルクスワーゲン、アウディ、シュコダ、セアトの各ブランドに導入する予定です。MQB戦略は、横置きエンジンを搭載した将来の自動車の設計および生産における重要な分岐点となるものです。モジュラー トランスバース マトリックスは、ブランドや車両のクラスを超えて、さまざまな車両コンポーネントを標準化すると同時に、新たな技術の採用も可能にしています。MQBは、A0からBセグメントまでに採用可能です。例えば、フォルクスワーゲン ブランドにおいては、ポロ、ザ・ビートル、ゴルフ、シロッコ、ジェッタ、ティグアン、トゥーラン、シャラン、パサート、フォルクスワーゲンCCをカバーしています。将来的に、これらのモデルは、たとえホイールベースやトレッド幅が異なっていても、理論的にはすべて同じ組み立てラインで生産することができるようになります。これによって、異なるブランドのMQBモデルを同じ工場で生産することが可能になるでしょう。MQBを採用する最初の新型モデルは、アウディA3の後継車と次世代のゴルフとなる予定です。

モジュラー トランスバース マトリックスの優れた特徴の一つは、すべてのエンジンを同じ位置に搭載できることです。MQB戦略に統合され、重要な役割を果たす2種類のシステムは、モジュラー ガソリン エンジン システム(MOB)と、モジュラー ディーゼル エンジン システム(MDB)です。MOBは、世界初の気筒休止機能(ACT)を備えた4気筒エンジンを含む新開発のEA211エンジン シリーズ(40kW/60PS~110kW/150PS)で、MDBは、同じく新開発されたEA288エンジン シリーズ(66kW/90PS~140kW/190PS)です。これらの新しいエンジン シリーズを搭載することによって、一切の悪影響なく、MQBシステムにおけるエンジンおよびギアボックスのバリエーションを約90%も削減することが可能になります。一方でMQBは、従来の内燃エンジンの標準化に加え、天然ガスエンジン、ハイブリッドモデルから電気自動車まで、現在ある全ての代替駆動コンセプトを同じ位置に搭載することもできます。フォルクスワーゲンは、MQBを採用した電気自動車であるゴルフ ブルー eモーションを、2013年に発売することを既に発表しています。

MQBにより、フォルクスワーゲン グループは量産モデルからニッチモデルに至るまで、最高の品質と非常に競争力のあるコストで、長期間にわたって世界中で生産することが可能になります。MQBを採用した車両は、ヨーロッパ、中国、米国から、インドといった新興市場まで、多様な市場の要求に個別に応えることができます。同時に、フォルクスワーゲン グループは、最初のMQBモデルシリーズ導入時に車両重量の大幅な削減を行い、さらに、現在は上級車セグメントにのみ採用されている安全装備やインフォテインメントの領域に20もの革新的機能を加える予定です。

それらの機能には、初期衝突の後に作動する、新しいマルチコリジョン ブレーキも含まれています。この機能は、自動的にブレーキを作動させることによって二次衝突の度合いを軽減するものです。つい最近、このシステムは、ADAC(ドイツ自動車連盟)による「イエロー エンジェル」革新賞を受賞しました。マルチコリジョン ブレーキは、次世代のアウディA3およびゴルフに標準装備される予定です。

グループ内では、フォルクスワーゲン ブランドの主導で開発されているMQBに加え、アウディの主導で開発されているモジュラー ロンギチューディナル システム(MLB)、技術センターとしての役割を持つポルシェの主導によるモジュラー スタンダード システム(MSB)、さらにはフォルクスワーゲンup!、セアトMii、シュコダ Citigoといった最もコンパクトなモデルシリーズ用の「ニュー スモール ファミリー」といったシステムも同時に開発されています。

モジュラー トランスバース マトリックスは、「ドイツ経済革新賞 – 世界初革新賞®」において、5つのファイナリストの一つに選ばれています。この事実は、モジュラー システム戦略、ならびに本システムを採用した新しい車両や生産方式による革新的な潜在力が、業界のパイオニアとして大きな重要性をもっていることの証といえるでしょう。卓説した技術、科学および知的な研究成果に対して与えられるこの権威ある賞は、1980年以来、ライン-マイン経済クラブによって毎年授与され、2011年からはフランクフルター アルゲマイネ ツァイトゥングも協賛しています。この賞の優勝者は、2月11日にフランクフルトの「トゥルン ウント タクシス」宮殿で、欧州委員会のエネルギー担当委員であるギュンター・エッティンガー氏によって発表されます。


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