ニュース

「高速回転対応プーリ用軸受」を開発【NTN】

2017年5月18日

6203サイズで外輪回転1分間20,000回転まで対応


NTN㈱(以下、NTN)は、軸受内部の設計および構成部品の最適化により、外輪回転で1分間に20,000回転(当社従来品比約1.3倍)まで対応可能なプーリ用軸受を開発しました。

自動車エンジンの補機ベルトに用いられるプーリ用軸受は、近年のダウンサイジング技術によるエンジンの小型化やISG*1搭載車の増加などによって、エンジン補機類のレイアウトが複雑化し、使用されるベルトおよびプーリ用軸受の設置レイアウトの制限が大きくなっています。プーリ径を小さくすれば設置レイアウトの自由度が高くなりますが、プーリ径を小さくすることで、プーリ用軸受には高速回転性能が求められます。また、自動車の快適性や信頼性向上を目的に、プーリ用軸受には冷時異音や低トルク化に対するお客様の要求が高まっており、さらなる高機能化も求められています。

今回開発した「高速回転対応プーリ用軸受」は、保持器とシールを回転遠心力に対応する設計とすることで、高速回転時のシールリップ部の発熱や、保持器の変形を抑制し、当社従来品比約1.3倍となる1分間に20,000回転まで対応が可能となりました。また、グリースも低温特性に優れた仕様とすることで、低温時でのグリース硬化を防ぎ、軸受の外輪とプーリが振動する冷時異音の発生を抑えます。さらに、軸受の破損原因のひとつである脆性はく離に対し、破損の進行を抑制するグリース添加剤の採用や、軸受軌道輪の熱処理の工夫により、低温特性を向上しながら耐脆性はく離特性を維持しています。同時に、シール形状やグリース基油、軸受の内部諸元を最適化することで、シールにかかるトルクとグリースの撹拌抵抗を抑え、回転トルクも当社従来品比10%低減を実現しました。

NTNは、今回開発した「高速回転対応プーリ用軸受」をグローバルに提案し、市場展開することで、プーリの小型化と高速化をはじめとする、お客さまの高機能化に対する要求に貢献してまいります。本開発品は、5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」に出展いたします。

*1)Integrated Starter Generatorの略称。ジェネレータとスタータが一体化されたモータのこと。

特長

従来品(深溝玉軸受:6203サイズ)との比較

用途

プーリ用軸受

お問い合わせ先

自動車事業本部 事業企画部 TEL 03-6713-3667
▶ お問い合わせフォーム

商品写真

「高速回転対応プーリ用軸受」(左)と、プーリ圧入後(右)








NTN株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#NTN
#軸受
#2017年5月18日