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新型ラジエーターを開発【デンソー】

2012年1月26日

~環境・安全面にも配慮した新設計で、40%の小型・軽量化を達成~


㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、従来のラジエーターを全面改良し、高性能化かつ従来より40%の小型・軽量化を実現した新型ラジエーター、Global Standard Radiator (以下、GSR)を開発しました。

GSRは、放熱効率の向上により、従来は27mmだった製品幅が16mmでも同等の性能を発揮することが可能となり、その結果大幅な小型・軽量化を達成したものです。加えて、ラジエータータンクには2009年から量産を開始している植物由来樹脂を使用しており、従来と比べ、より環境に優しい製品となっています。また、安全面においても、製品の小型化によりボンネット内での搭載設計の自由度が増し、事故の際に衝撃を吸収するための空間の拡大が可能となりました。

ラジエーターの性能は、構成部品のフィンとチューブの2部品により決定されます。今回、小型・軽量化を達成する要因となったラジエーターの放熱効率の向上は、フィンの改良により実現しました。フィン表面のルーバーと呼ばれる放熱を促進するための形状をより微細にしたことで、単位面積あたりのルーバーの数を30%増やし、その結果、従来と比較して放熱効率を10%向上させました。
また、フィンとチューブは、世界各地における調達性を考慮しつつ、従来製品より薄肉・高強度の材料をメーカーと共同開発し、板厚の薄い材料でも、同等の強度を確保しました。特にフィンとしては世界最薄の材料であり、デンソーの持つ高い技術力によって成形を実現しています。
これらの結果、GSRは、従来製品と比べ全体で40%の小型・軽量化を達成しました。

今回開発した製品幅16mmのGSRは、本日、トヨタ自動車株式会社が発表したレクサスGSに搭載されています。今後、16mmに加え、従来製品の36mmを27mmに、16mmを11.5mmに小型化するGSRも順次製品化し、GSRシリーズとして幅広い車種へ対応していく予定です。

今回のGSRシリーズを基本仕様として、デンソーはこれからも世界各地においてますます増加する多様な車両ニーズに対しても、環境・安全に配慮した製品を提供すべく、引き続き研究・開発に取組んでいきます。

参考

ラジエーターは、エンジン冷却水を冷やす役割を持つ熱交換器で、車両のエンジンルーム内の前面に搭載されています。ラジエーターは、冷却水が流れるチューブ、滞留するタンク、そして熱交換を行うひだ状のフィンの3つで構成されており、エンジンルーム前面から取り込む空気がフィンに当たることで、フィンから熱を奪い、チューブ内の冷却水を冷やすものです。

製品外観

製品の薄幅化

関連情報

エンジン冷却用製品の詳細情報


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