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2017年2月欧州新車販売台数速報【JATO Dynamics】
2017年4月7日
2017年2月欧州新車販売台数速報
「欧州新車販売台数は前年同月比+1.2%記録するも、
PSA-OPELグループがマーケットシェアを落とす」
● 2月欧州新車販売台数は110万台を記録。2月としては2008年以来2番目の高水準
● イタリア、ポーランド、オランダ、オーストリアが欧州市場の成長を牽引
● PSA-OPELグループは、2番目に最も大きくマーケットシェアを落とす。登録台数では欧州全体の16.5%記録
1.国別販売台数
欧州自動車産業は2月も引き続き成長を維持しており、新車販売台数は前年同月比+1.2%の110万台。この販売台数は2008年以来の高水準である。しかし、市場の成長は緩慢になり始めており、成長率は2016年2月に記録した+14%に比べて劇的に低い。
主要5ヵ国のうち、フランス、ドイツ、イギリスの登録台数が減少。そのなかでもフランスが最も大きく販売台数を落とした。同国はSUV登録台数が大幅増を記録するも、MPV、コンパクトカーの落ち込みを補うのに十分ではなかった。
ドイツの登録台数は前年同月比-2.6%減少し、燃料タイプ別に見るとディーゼル車の販売が前年同月比-10.5%と振るわなかった。この結果、ドイツ自動車市場に占めるディーゼル車の割合は43.4%へと縮小し、2010年2月以来の最も低い占有率となった。この低迷は2016年中頃から始まっており、今後数ヵ月に渡ってこの傾向は続くと思われる。
その他主要5ヵ国では、イタリアとスペインが前年同月比プラス成長を記録した。イタリアでは数年にわたる劇的な成長の後、市場が落ち着きを取り戻したが、それでも前年同月比+6.2%と好調だった。また4月に多くの人が春休み休暇を取得するスペインでは、3月の登録台数にレンタカー市場の影響が反映されると思われる。主要5ヵ国以外で注目されるのはポーランドの23ヵ月連続のプラス成長。これは企業が社用車を積極的に購入したことによる販売台数増加が一因となっている。
JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは次のように述べている。
「最近欧州のいくつかの市場で販売台数が減少傾向にあるものの、市場の将来展望は依然としてポジティブである。
欧州市場は景気後退から回復して販売台数が劇的に増加した経験があることから、この減速は予想の範囲内であり、欧州市場は今後も引き続き成長を維持していくが、成長率は微増となるであろう。PSAのマーケットシェアの低下は、Opel/Vauxhallのメーカー買収に関する最近のニュースを考慮すれば注目に値する。PSAは、Opel/Vauxhallを買収することにより欧州市場特にイギリスおよびドイツ市場から恩恵を受けると思われる。またこれら2社の合併が自動車産業界に対してどのような影響をもたらすのか興味深く見ていきたい。」
2.ブランド別
ブランド別では、Volkswagenがマーケットシェアを落としたものの、相変わらずブランドランキングをリード。特に同ブランドのセグメント別販売動向は、ミッドサイズセグメントよりもSUVセグメントの販売が好調であった。同ブランドグループのSeat Ateca(SUVモデル)が好調な販売を記録した。
3.モデル別
モデル別では、SUVセグメント、エグゼクティブセグメントが2ケタ増を記録。最近発表された新型VW Tiguan、Toyota C-HR、Mercedes E-Class、Volvo S90/V90の好調が大きく販売増に寄与した。
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