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過酷な運転環境での運転寿命を2倍にする新ころがり軸受材料を開発【シェフラージャパン】

2017年3月31日

シェフラーは、浸炭窒化熱処理を組み合わせ、他の鋼材よりも高い表面硬度と延性を両立させた新しい鋼材、浸炭窒化鋼Mancrodurを開発し、ころがり軸受材料の長年の課題を解決しました。浸炭窒化鋼Mancrodurを採用したころがり軸受の運転寿命は2倍に伸び、特に厳しい潤滑条件下や、不純物混入の可能性のある環境でその効果を発揮できるようになりました。

材料技術者は、混合摩擦や不純物混入に対するより高い耐性を備えたころがり軸受材を開発するために、長い間努力を続けてきました。摩擦や不純物混入は製鉄業や、鉱業、鉄道技術の業界において日常的に生じる問題であり、これにより軸受の運転寿命が大幅に減少したり、早期に損傷を受けることでコストが増大する可能性がありました。この問題を解決するためには、軌道で硬度を高め、摩耗への耐性と、耐荷重性能を強化する一方で、回転時には外部から侵入する硬い粒子による変形に耐え、必要に応じて面を平らにする必要があります。シェフラーは、独自の技術で浸炭窒化熱処理を組み合わせることにより、硬度と十分な延性という相反する特長を備え、極めて過酷な環境下にも対応できる新しいころがり軸受材を開発しました。

炭化と窒化を組み合わせて熱処理を行うことにより、Mancrodur軸受の表面は硬く、摩耗に強くなります。
一方で、浸炭窒化鋼Mancrodur中には、球状の微細炭化物が形成されて、粒子境界に集中することなく、材料中に
 均一に分散されます。これが、応力集中のように局所的に弱い部分が生じるリスクを軽減します。したがって軌道
 は、硬く摩耗に強いだけでなく、延性も向上します。

通常の潤滑条件(流体潤滑)下において、浸炭窒化鋼Mancrodurの基本定格荷重は標準的な材料よりも30%増大しており、これは定格寿命に換算すると、240%の伸長となり、実際の試験では、最大6倍までの定格寿命の伸長が確認されました。

運転寿命が2倍に

鉄道技術、鉱業、製鉄業界において、上記の課題が想定される過酷な環境では、実際の厳しい条件下での試験が欠かせません。最初の軸受試験では、4列浸炭窒化鋼Mancrodur FAG円錐ころ軸受製品を製鋼業者の熱間圧延機の鉄鋼ロールに取り付けました。その結果、試験に用いた軸受は、このアプリケーションで標準運転寿命の2倍を記録しました。

この新しい高性能鋼材Mancrodurは、製鉄業ですでに試験したアプリケーション分野以外にも、貨物車両の高荷重軸箱軸受や、風力タービンの遊星軸受、ポンプやコンプレッサーの軸受などの過酷な運転条件下において、軸受材として使用できることが実証されています。

昨今の傾向であるダウンサイジングは、多くのマシンで、軸受支持部がその定格荷重の限界に近づきつつあることを示していますが、このMancrodurは、先述の高性能性質により、農業機械や建設機械、自動車、トラック、さらには船舶の推進装置のトランスミッションの軸受材として、優れた選択肢になります。

このトピックに関する詳細は、以下よりダウンロードいただけます:

www.schaeffler.de/en/hannover-messe/mancrodur

*本リリースは、2017年3月10日にドイツ・シュヴァインフルトで発表されたプレスリリースの抄訳です。


浸炭窒化鋼Mancrodur(右)中に、球状の微細炭化物が形成されて、これが粒子境界に集中することなく、材料中に均一に分散されます。これにより、局所的に弱い部分が生じるリスクが軽減され、軌道は、硬く摩耗に強いだけでなく、延性も向上します。



Mancrodurは、過酷な運転条件下で通常より優れた性能が必要な場所に特に適しています。製鉄業ですでに試験したアプリケーション分野以外にも、この新しい高性能鋼材は、貨物車両の高荷重軸箱軸受などの分野で軸受材として使用できることが実証されています。



通常の潤滑条件(流体潤滑)下では、浸炭窒化鋼Mancrodurの基本定格荷重は標準的な材料よりも30%増大します。








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