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アルミ鋳造用るつぼの内面コーティングで性能強化を実現【モルガンアドバンストマテリアルズ】
2017年3月29日
モルガンアドバンストマテリアルズ、アルミ鋳造用るつぼの内面コーティングで性能強化を実現 自動車生産にアルミは欠かせない材料となっています。そこで、先進材料の開発と応用で世界をリードするモルガンは、アルミ鋳造メーカーでの溶解・保持プロセスにおける金属コンタミネーションを防ぐことで、その製造品質の向上と不良率の削減を支えています。
モルガンアドバンストマテリアルズは、アルミ鋳造工程におけるコンタミネーションの影響が特に重要であると考え、2種類の専用コーティングの開発に一貫して力を注いでいます。そのコーティングは、溶解プロセス中に不純物の拡散防止層として機能するよう設計されています。アルミは、それぞれの用途に応じて厳格な機械・化学的特性が得られるよう、他の金属や元素と合金化される場合が多いことから、るつぼとの化学反応に起因したコンタミネーションや純度の低下が、凝固後の全体的な材料の鋳造構造に影響を与えかねません。
モルガンアドバンストマテリアルズの溶解金属システム部門でグローバル技術ディレクタを務めるMirco Pavoniは、次のように説明しています。「溶解アルミ内に金属間化合物や不純物が存在すると、鋳造構造の転位に影響を与え、アルミ材料の全体的な延性が損なわれることがあります。また、鋳造品の品質は金属不純物によって大きく左右され、しばしは不良率の上昇を招く場合もあります。一方で、自動車産業は、排出ガス対策にとって重要な重量削減が図れることから、積極的にアルミを採用しています。その際、可能な限り高純度な材料を確実に製造することが欠かせません。さらに自動車産業では、日々高まるコスト削減圧力との厳しい戦いにも迫られています。こうしたことから、鋳造品質の向上や不良品の削減、るつぼの長寿命化などが、コスト競争力のための大きな差異が生じるポイントになっています」。
この状況に対するモルガンの提案が、PROコーティングとSTARコーティングです。これらのコーティングは、るつぼ材によるコンタミネーションやるつぼへのドロスの堆積を防ぎ、アルミ合金の不純物を削減するうえで特に有効なことが実証されています。こうした専用コーティングをるつぼ内面に施すことで、不純物の混入を抑えるバリアとして機能し、溶解金属とるつぼ材の間で生じる化学反応の防止を図ることが可能です。PROコーティングの塗布は比較的簡単です。慣れた方であれば、水と混合して、るつぼ内に刷毛で塗布いただけます。また、補修用モルタルとしても使え、るつぼの損傷や欠けた部分を修理して、るつぼをその寿命まで最大限に使用することが可能です。
もう一つのSTARコーティングは、より高い性能を備え、クレイ・ボンドはもとよりカーボン・ボンドのるつぼに対し非常に優れた効果を発揮します。その塗布は、るつぼの内側にナノ粒子状の薄層を形成するために専用スプレー・ガンを用い、スキルのある熟練技能者に行っていただく必要があります。さらに、接着が間違いなく強固となるよう、指定の条件下で焼結する必要もあります。しかしながら、この塗布により、標準的なるつぼを用いた場合に比べて、清掃時間が短縮され、格段に高純度な鋳造が行えます。
「PROコーティングとSTARコーティングは、当社の材料科学に関する専門技術やアプリケーション技術の知見に加え、実際のユーザーのご要望に真摯に応えてきた成果です。こうした取り組みを通じて、さらに多くのお客様に優れた製品をご提供できるようになりました。また、社内の生産体制を強化して、アルミをますます多く採用するようになった自動車や航空機産業などの量産市場にもお応えできるようにしました」と、技術ディレクタのMircoは話しています。
より詳しい情報につきましては、http://www.morganmms.com/isopress-crucibleをご覧ください。
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