ニュース
トヨタ『新型プリウスPHV』に搭載 「量産車世界初の新電動コンプレッサー」と「充電出力向上の新充電器」を開発【豊田自動織機】
2017年2月16日
電動コンプレッサー:ガスインジェクション機能により、暖房時に氷点下でもEV走行可
能※1
充電器 :バッテリーへの充電出力を従来の1.7倍に高め、さらに、充電効率
も向上
㈱豊田自動織機(社長:大西 朗 以下、豊田自動織機)は、このたびプラグインハイブリッド自動車(以下、PHV)用の電動コンプレッサーと充電器を新開発しました。同製品は、2月15日に発売されたトヨタ自動車㈱(以下、トヨタ自動車)の『新型プリウスPHV』に搭載されています。
世界的な環境意識の高まりとそれに伴う規制強化など、自動車に求められる環境性能は、年々厳しくなっています。そのような中、次世代環境車の一つとして注目されているPHVは、さらなる燃費向上やEV航続距離の拡大、充電時間短縮などお客さまの多様なニーズへの対応が求められています。
今回開発した電動コンプレッサーは、量産車では世界初※2となるガスインジェクション機能を搭載することで、氷点下でもエンジンを作動させずにヒートポンプ暖房※3が可能となり、EV走行範囲を拡大し、燃費低減に貢献しています。 また、充電器は、現行製品に対し、充電出力を約1.7倍向上させながら、独自の制御方式を採用し高効率・小型・軽量化を実現しています。
豊田自動織機は環境負荷の少ない社会の実現に向けて、環境・エネルギー分野での技術革新を促進し、その取り組みを強化することにより、お客さまに喜ばれる、トヨタ自動車の「もっといいクルマづくり」に貢献してまいります。
開発した製品の特長は以下のとおりです。
※1 充電等のために、エンジンが作動する場合もございます
※2 自社調べ
※3 ヒートポンプ暖房(新型プリウスPHVで採用)
1.ガスインジェクション機能付電動コンプレッサー【量産車世界初】
ヒートポンプ暖房は寒冷時には大気から取り込める熱が少なく、暖房能力が低下しますが、ガスインジェクション機能により、一度圧縮した冷媒の一部を再びコンプレッサーで圧縮することで、ヒートポンプ暖房の使用領域を拡げることができました。同機能は、自動車用にインジェクション設計を最適化することで、圧縮効率の低下と振動増加を抑えながら再圧縮量を増やし、寒冷時での暖房能力を約3割向上させました。
2.充電器
家庭用交流電源(AC)を直流電圧(DC)に変換し、車載高圧バッテリーを充電します。今回開発した充電器はバッテリーへの充電出力を従来の約1.7倍に高め、さらに、ACからDCへの変換ロスを最小限にする独自の制御方式を採用することで、充電効率も向上しました。また、これまで別体だった充電システムECUの内蔵と冷却性能向上により、約50%の小型化を実現し、車両搭載性向上にも貢献しております。さらに、親子連携充電スタンドや壁掛け充電設備など豊田自動織機が充電インフラ製品で培った知見を活かし、入力電圧の規格外波形など各国の電源事情に左右されない、安定した充電を実現しています。
株式会社豊田自動織機ホームページはこちら