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リチウムイオン電池・燃料電池用 X線異物検査装置「SEA-Hybrid」を発売【セイコーインスツル】

2011年12月19日

リチウムイオン電池・燃料電池用 X線異物検査装置「SEA-Hybrid」を発売
電池の容量確保、発熱発火の防止、歩留まり改善等に貢献


セイコーインスツル㈱(略称:SII、社長:新保雅文、本社:千葉県千葉市)の100%子会社で計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー㈱(略称:SIIナノテク、社長:川崎賢司、本社:千葉県千葉市)は、リチウムイオン二次電池や燃料電池の電極中に混入する可能性のある20μm級の微小な金属異物を高速検出、元素同定する検査装置の製品化を完了し、この程「SEA-Hybrid(エスイーエー ハイブリッド)」として発売しました。

リチウムイオン電池や燃料電池を構成する電極材料やセパレーターなどへの金属異物混入は、電池容量の低下や寿命を短縮させるだけでなく、発熱発火の原因ともなります。SIIナノテクでは、従来から電池中の金属異物検査装置の開発を進め、本年9月の分析展でプロトタイプの出展を行ないました。この程その製品化を完了し販売を開始しました。

「SEA-Hybrid」は、装置に試料となる電極板やセパレーター、容器に入れた活物質をセットして、検査条件の選択後、測定を開始するだけで、X線透過像の撮像から、金属異物の検出、その元素同定までを自動で実行します。そして解析結果として、試料中の金属異物の個数と個々の異物の組成、およそのサイズ、顕微鏡観察像が出力され、これにより金属異物の混入経路の特定が容易になります。またこれらは前処理不要、完全自動なので、簡単に抜き取り検査、故障解析ができます。SIIナノテクでは本装置を電池メーカー、材料メーカー等へ拡販し、電池の品質向上に貢献してゆきたいと考えています。

SEA-Hybridの主な特徴

1.  250×200mmサイズの試料から20μm級の金属異物を数分で検出
例えば、250×200mm(ほぼB5サイズ)の電池電極板中から20μm程度の微小金属異物を検出するためには、従来のX線透過検査装置では十時間程度の撮像時間を要しました。SIIナノテクでは新たなX線透過法の開発により、撮像時間を大きく短縮する事に成功。検出スピードを従来よりも100倍以上早い3~10分に短縮しました。

2.  電極板内の微小金属異物も元素同定可能
試料中から検出した金属異物に対して、自動で蛍光X線法による元素同定を行います。例えば電極板に存在する可能性のある20μm程度の微小金属異物の検査では、従来は、サンプル表面に存在するもののみ同定が可能でした。これは、内部に存在する場合、異物から発生した蛍光X線が素材自体により吸収され、信号強度が微弱になるためです。本装置では独自の高輝度X線光学系の搭載により、電極板・有機フィルム内部に含まれる20μm程度の微小金属異物についても元素同定できます。

3. オールインワンで作業効率をアップ
金属異物の検出スピード、元素同定スピードが従来の技術に対して桁違いに早く、かつ、顕微鏡も含めそれらが一つの装置内に組み込まれており、個々のユニットが連携し全自動で結果が出力されます。これらによりオペレーターは試料のセットだけで測定結果を得ることができ、作業効率が大幅に向上しました。

SEA-Hybridの主な仕様

測定試料サイズ 幅250×奥行200mm
異物検出時間 3~10分程度(250×200mmの全面撮像、20μm程度の異物を検出する時間)
異物元素分析時間 1~4分程度 1検出当たり(異物のサイズ、元素によって変わる場合があります)
ユーティリティ X線発生部の冷却水
装置本体の大きさ
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1340(幅)×1000(奥行)×1550(高)mm
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価格

5,800万円~(税別)

販売目標台数

20台(2012年度)


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