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2016年8月欧州市場新車販売速報【JATO Dynamics】
2016年9月30日
2016年8月欧州市場新車販売速報
「8月の欧州新車市場は+9.3%を記録、プラス成長へ回復する」
● 欧州29ヶ国のうち16ヶ国で2ケタ増を記録。欧州全体の成長に貢献。
● 前年同期比では+7.7%で年初来の登録台数が1,000万台を突破。
● 新型Volkswagen Tiguanは欧州モデル別ランキングで6位にランクイン。SUVセグメントランキングでは1位とな
り、前年実績+79%と急成長。
1.国別
欧州29ヶ国の新車市場8月実績は、+9.3%の855,300台。前年同期比では+7.7%で年初来の登録台数が1,000万台越えとなった。欧州29ヶ国中16ヶ国で2ケタ増と好調を記録しており、そのうちスペイン・イタリアでもそれぞれ前年実績+20%、+14%と堅調な伸びを記録した。ドイツでは+8%と好調な販売を記録。ベルギー、ポーランドでは前年実績+20%以上を記録した。ルーマニア・ハンガリー・クロアチアなどの小規模マーケットでは、さらに良い結果を記録しており、それぞれ前年実績+69%、+44%、+39%であった。セグメント別に目を向けると、SUVが8月の欧州全体のプラス成長に大きく貢献しており、25%以上のマーケットシェアへと拡大した。欧州29ヶ国中28ヶ国ではSUVセグメントが2ケタ増となり、全体的に見てもSUVの販売台数は前年比+30%を記録した。この好調な販売には、最近市場に投入された新型SUVモデルが寄与している。国別で見ると、最もSUVが好調だった国は、イタリア(+53%)、アイルランド(+48%)、ベルギー(+43%)、ポーランド(+41%)、ノルウェー(+40%)であった。SUVセグメントの好調とは対照的に、従来のセグメントの人気は衰えており、小型セグメント、大型セグメントではそれぞれ-0.7%、-10.9%減少した。同様にスポーツセグメントの需要が落ち着きをみせており、急成長を記録した月と比べると+2%の微増であった。
2.ブランド別
ブランド別では、全てのトップ10ブランドでプラスを記録したものの、Volkswagen Groupのみ(Volkswagen、Audi、Skoda)マーケット平均成長率を下回った。Volkswagenが前年実績+5.2%と緩やかな伸びを記録し、最量販ブランドの地位を維持するものの、マーケットシェアの落ち込みを相殺するまでには至らなかった。同ブランドのマーケットシェアは、2015年8月の26.7%から26.0%へと縮小し、最もマーケットシェアを縮小したブランドとなった。C-セグメント全体(コンパクトカー)の販売台数は前年実績-5.4%だったにも関わらず、コンパクトカーが同ブランドの販売台数のシェアを大きく占めている。一方で同ブランドのSUVモデル群が前年実績+24.8%と大きく販売を伸ばした。Renault-Nissanの販売台数は引き続き上昇軌道に乗っており、前年実績+13.1%を記録。これはマーケット平均成長率2倍以上の伸びであった。好調な要因の1つとしては、Renault-Nissan GroupのDaciaが前年実績+44.3%と大幅に販売を拡大したことが言える。同ブランドのSUVセグメント販売台数も拡大しており、SUV全体の販売台数の4台に1台がRenault、Dacia、Nissan、Infinitiブランドであった。3位にはPSAが前年実績微増の+2.8%を記録したが、マーケットシェアでは0.57ポイント縮小した。同ブランドは、近日中に発表予定の新型コンパクト3008とミッドサイズSUVの新型5008の販売台数を同時に促進している。一方、Hyundai-Kiaが前年実績+15.9%と急成長した。これは同ブランドの小型モデルと素晴らしいパフォーマンスを見せたSUVモデル、特にHyundai Tusconが欧州で販売されている全モデルの中で最も大きくマーケットシェアを拡大し、同ブランドの販売を大きく押し上げたため。Daimler Groupが前年実績+18.2%と急成長し、トップ5入りを果たした。この伸び率は、トップ10中FCA(+19.9%)に次ぐ2番目に大きな伸びであった。一方、販売減を記録したブランドは、Volvo(-14.8%)、Mitsubishi(-9.8%)そしてSubaru(-6.8%)であった。
3.モデル別
モデル別では、Volkswagen Golfが最量販モデルの地位を維持したものの、前年実績-11.5%の29,500台。マーケットシェアでも2015年8月の4.3%から3.5%へと縮小し、最もマーケットシェアを縮小したモデルとなった。対照的にGolfのライバル車のOpel/Vauxhall Astraが前年実績+23%の14,400台を記録して4位にランクイン。Volkswagen Poloが前年実績-10.6%の14,751台と販売を落としたものの、+11.3%と好調を記録したFord Fiestaをそれでもなお上回り2位にランクインした。その他のサブコンパクトモデルでは、Peugeot 208が前年実績+16.5%と急速に販売を伸ばしており、ライバル車のOpel/Vauxhall Corsa、Renault Clioを上回った。SUVセグメントに目を向けると、Volkswagen Tiguanが際立った伸びを見せており、前年実績+79.1%の14,300台と急成長を記録し、モデル別トップ10では6位にランクイン。SUVセグメントランキングでは1位となった。その他SUVモデルではRenault Capturが前年実績+19.5%を記録し、Nissan Qashqaiを上回った。Audi A4が前年実績+44.5%の12,200台を記録し、D-セグメントでのベストセラーモデルとなった。またモデル別ランキングでは10位にランクインした。その他好調だったセグメントウィナーは、MINI Clubman、Honda HR-V、Mercedes GLC、BMW X1、Volkswagen Touran、Hyundai Tuscon、Toyota Prius、Citroen C-Elysee、Ford Ecosport、Toyota RAV4であった。
JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは次のように述べている。
「先月の欧州市場はマイナスとなり若干残念な結果となったが、8月は成長軌道に戻った。10月上旬に開催予定のパリモーターショウでは新型モデルの発表が期待されており、2016年第4四半期の市場に更にプラス効果をもたらすであろう。」
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