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標準TOパッケージによる 100%鉛フリー・パワーMOSFETの車載適合品を発表【インフィニオンテクノロジーズ】
2011年12月5日
独インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG )は12月5日、TOパッケージによる100%鉛フリー・パワーMOSFETの車載適合品を発表しました。これは、革新的なパッケージ技術とインフィニオンのウェハ薄型化技術の組み合わせにより誕生した、新登場のパワーMOSFET「OptiMOS™ T2」ファミリの40V品であり、クラス最高の仕様を実現しています。インフィニオンは、拡散はんだ付けダイアタッチ方式を使用することで、TO-220、TO-262、TO-263などの鉛フリー・パッケージを実現しています。パッケージの形状、ダイパッドの厚さ、チップサイズに関する特定の要件により、拡散はんだ付けダイアタッチ方式は、これら3つのパッケージタイプに適した唯一のアプローチであり、「OptiMOS T2」はすでに量産体制にあります。
最新MOSFETシリーズは、シリコンチップをパッケージに取り付ける際に使用される鉛ベースのはんだに適用される、現行のRoHS(特定有害物質使用制限)指令を十分に満たしています。2014年以降の導入が予定されているより厳格なELV RoHSでは、100%鉛フリー・パッケージが要求される可能性があります。インフィニオンの新型デバイスは、業界で初めて鉛を排除したMOSFETであり、顧客はこのようなより厳しい要件にも対応できます。
インフィニオンのフランク・シュワートライン(Frank Schwertlein)(オートモーティブ事業部標準パワー製品担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)は、次のように述べています。「インフィニオンは、パワー半導体と関連するパッケージ技術の両方で、技術リーダーとなっています。鉛フリー・パッケージの提供開始により、当社はチップ・サプライヤとして世界で初めて、環境に配慮し、将来性も保証されたRoHS準拠のMOSFETを、エネルギー効率に優れた『グリーン』な製品の開発を実現するために、自動車業界のお客様にご提案することになります」
インフィニオンの特許取得済み鉛フリー・ダイアタッチ技術(チップとパッケージのリードフレームの接続)では、拡散はんだ付け方法が使用されるため、電気的・熱的特性、製造可能性、および品質が向上します。このダイアタッチ技術とインフィニオンのウェハ薄型化技術(標準プロセスの175µmに対し、60µm)が組み合わさることで、パワー半導体では、さまざまな特性が向上します。
・ 鉛を使用しない点や、その他の有害物質も含まれていない点で、この技術は環境に配慮しています。
・ 拡散はんだダイアタッチ・プロセスとウェハ薄型化技術の組み合わせにより、デバイスのオン抵抗(RDS(on))は大幅に低減しています。
・ 従来型の鉛ベースの軟質はんだ材料は、熱伝導性が悪く、MOSFETのジャンクション部で発生する熱に対して障壁として機能するため、熱抵抗(RthJC)は、最大40~50%向上しています。
・ これら以外のメリットとして、はんだのしみ出しやチップの傾きがなく、オン抵抗および熱抵抗の値のばらつきが少なくなり、製造可能性が向上するほか、製品内の電気的・機械的応力が低減することで、信頼性と品質も向上しています。
新型「OptiMOS T2」40V品(例:160Aの「IPB160N04S4-02D」)の仕様では、オン抵抗はわずか2.0mΩ、熱抵抗はわずか0.9K/Wです。鉛ベースの標準的なダイアタッチはんだを使用した関連デバイスとの比較では、オン抵抗は約20%低下しています。さらに、特許取得済みの拡散はんだ付け技術により、「チップからリードフレーム」への熱抵抗が減少され、新型「OptiMOS T2」製品は、クラス最高の性能を実現しています。
供給状況
「OptiMOS T2」の初の派生品となる、業界初の車載用100%鉛フリー・パワーMOSFETは、TOパッケージにより、以下の製品が現在提供中です。「IPB160N04S4-02D」(160A、TO-263パッケージ)、「IPB100N04S4-02D」(100A、TO-263)、「IPP100N04S4-03D」(100A、TO-220)、「IPI100N04S4-03D」(100A、TO-262)。
詳細情報
インフィニオンの車載用半導体ポートフォリオと車載用パワー製品についての詳細は、下記URLをご参照ください。
www.infineon.com/automotivemosfet
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