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革新的なショックアブソーバーシステム : 燃料消費量を削減して快適性を向上させるニューテクノロジー【アウディ ジャパン】
2016年8月17日
● 水平配置される電気モーターが従来のショックアブソーバーを代用
● サスペンションを通じてエネルギー回生を可能にする未来のシステム
● エレクトロメカニカルロータリーダンパーにより乗り心地も向上
未来の自動車はサスペンションを含めて、エネルギーの回生がますます重要な役割を果たすようになります。アウディは従来の油圧式ダンパーの代わりに、エレクトロメカニカルロータリーダンパーを採用することで、乗り心地もさらに改善する eROTシステムのプロトタイプ製作に取り組んでいます。
eROTの作動原理は簡単に説明することができます。「クルマが窪みや突起を超えたり、カーブを走ったりすると、そこに慣性エネルギーが発生します。従来はダンパーでエネルギーを吸収し、そのエネルギーは熱として失われてきました」、とAUDI AG技術開発担当取締役のDr.シュテファン クニウシュは説明しています。「48ボルトの電源システムとエレクトロメカニカルダンパーのシステムを組み合わせることで、我々はこのエネルギーを活用します。この技術により、サスペンションの特性を自由に制御する、まったく新しい技術の可能性も拓けることになります。」
eROTシステムは反応が速く、慣性も最小に抑えられます。このシステムはアクティブ制御するサスペンションとして、路面の凹凸やドライバーの運転スタイルに理想的に対応します。ソフトウェアによるほぼ自由に設定可能なダンパー特性で、システムとしての機能の幅が広がります。また、従来の油圧ダンパーでは難しかった、伸び側と縮み側のストロークを独立して設定することもでき、例えば伸び側の減衰力は硬めに設定しつつ、乗り心地への影響が大きい縮み側のストロークについては、よりソフトに設定することが可能になります。この新しいダンパーシステムのもうひとつの利点は、配置の自由度の高さです。リヤサスペンションに採用した場合、伸縮式ショックアブソーバーを垂直に配置する従来のシステムに対し、電気モーターを水平に配置することで、ラゲージコンパートメントの容量を増やすことができます。
eROTには、ダンパー特性の自由なプログラム制御のほかに、もうひとつ重要な機能があります。それは、サスペンションが上下動するときの慣性エネルギーを電力に変換する機能です。この場合、まずレバーアームがホイールキャリアの動きを吸収します。そしてレバーアームから、複数のギアを介してその力を電気モーターに伝えることにより電力に変換します。ドイツで行われた公道テストでは、舗装状態の良い高速道路で3ワット、路面の荒れた一般道ではXX613ワット、平均100 – 150ワットを回生することができました。一般のドライバーが運転した場合、CO₂排出量が1km走行あたり最大3g削減される計算になります。
新しいeROTテクノロジーは、48ボルトの高圧電源システムを前提にしており、現在実験中のクルマは、エネルギー容量0.5kWh、最高出力13kWのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。DCコンバーターにより、48ボルトのサブ電源システムを、高効率・高出力のジェネレーターを含む12ボルトの主電源システムに接続しています。
eROTシステムは、現時点で非常に有望なテスト結果が得られており、将来のアウディに採用される可能性が高まっています。そのためには、アウディの電動化戦略の中核的なテクノロジーである48ボルト電源システムの実用化が不可欠です。2017年に市場導入が予定されているアウディの次世代モデルでは、48ボルトシステムが主要な電源システムとなる予定で、それにより、高性能なマイルドハイブリッド ドライブシステムが実現し、その結果、100km走行あたり最大0.7ℓの燃料消費量削減が期待されています。
(この資料はAUDI AG配信プレスリリースの翻訳版です)
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