ニュース
スマートパッシブセンサを使用した自動車タイヤ圧モニタリング・ソリューション【オン・セミコンダクター】
2016年7月18日
過去のブログで、バッテリー不要のワイヤレスセンサを使用することにより、サイズとアクセス性が重要なさまざまなアプリケーションにおいて、温度、圧力、近接性、および湿気のデータをどのように検知できるかについてお話しました。このバッテリー不要の先端技術を使用することにより、複数のセンサと主要な機能・特性を1つの半導体チップに統合できます。刺激検知器は不要となり、最も重要なことは検知ノードにおいてマイクロコントローラ・ユニットが不要となることです。検知データは、遠隔の中央処理ハブ(一般にインテロゲータ、質問器と呼ばれます)へ送られ、そこで後処理が実行されます。既存のセンサ・ソリューションと異なり、1台のプロセッサ・ユニットで同時に複数のセンサを処理できます。
バッテリー不要のワイヤレスセンサは、非常にコスト効率が良く、導入後は実質的にメンテナンスフリーです。低コストで拡張できるバッテリー不要のワイヤレスセンサを使用することにより、この技術を用いたシステムは、使い捨て商品など新たな未開拓市場のニーズに対応できます。このデモでは、オン・セミコンダクターのバッテリー不要のワイヤレスセンサを用いた自動車タイヤ圧モニタリング・ソリューション(TPMS)をご紹介します。
以下からデモンストレーションの動画をご覧いただけます。その下にスクリプト全文を掲載しています。
本日は、当社のスマートパッシブセンサ製品を、タイヤ圧監視ソリューションにどのように導入できるか説明します。このデモでは、当社のスマートパッシブセンサ・タグを取り付けた標準サイズの乗用車のタイヤを使用しています。センサタグは、スマートセンサ IC、プリンタブル・アンテナ、および検出素子として使用される電磁誘導式チューン・ループで構成されています。
フレキシブル・メタルがループをまたがる形でタイヤの中に配置されることで、圧力の上昇および低下とともにインダクタンスが変化します。適応型のRFフロントエンドを使用することにより、スマートセンサ ICは、環境内のインピーダンスの変化を判断し、それを補正して最大のアンテナ利得を維持することができます。
インピーダンスの変化は5ビットのセンサコードとして極超短波のRFIDリーダーへ戻されます。今回は、ハンドヘルド式のリーダーを使用しますが、実際のアプリケーションでは、車両に組み込んで固定されます。このセンサコードが取得されリーダーへ送信されると、バックエンドのマイクロコントローラは、センサ情報を処理して、それを具体的なタイヤ圧として車両内の装置群または電子制御ユニットへ送信します。
本日のデモでは、3つのデータを測定します。1つは42 PSIで行います。次に、圧力計を使用した標準のアナログ測定値と、タイヤ内のスマートパッシブセンサ測定値を比較します。この概念実証デモでは、センサタグの許容値が2 PSIです。アナログの測定値は41.9 PSI、スマートパッシブセンサは41 PSIです。したがって、2 PSIの許容値の範囲に収まっています。
2つ目の測定では、空気を抜いて圧力を38 PSIまで下げます。[タイヤの圧力計は、38.2 PSIの測定値を示しています]この場合も、スマートパッシブセンサ・タグの値は39 PSIであり、許容値の範囲に収まっています。
3つ目の最後の測定では、圧力を35 PSIのわずか下まで下げます[タイヤの測定値は35.2を示しています]当社のスマートパッシブセンサの測定値は、36 PSIです。このデモを見ると、オン・セミコンダクターのスマートパッシブセンサ、1つのスマートセンサ ICを備えたパッシブ・タグ、および低コストタイヤ圧検知ソリューションを実現するプリンタブル・アンテナを併用したタイヤ圧モニタリング・ソリューションに対する概念的なアプローチが分かります。
オン・セミコンダクター株式会社ホームページはこちら