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ナノテクノロジーによる独自のゴム材料開発体系【東洋ゴム工業】

2011年12月1日

ナノテクノロジーによる独自のゴム材料開発体系
Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)
環境性能グレード「AAA-b」を取得した東洋ゴムのタイヤ技術基盤

東洋ゴム工業㈱(本社:大阪市、社長:中倉健二)は、タイヤ制動時におけるエネルギーロスを低減するために、ナノレベルでゴム材料開発を制御する「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を体系化しました。
これは、ゴム材料の分析/解析/素材設計/加工という4つの体系を横断的に統合した独自のタイヤ技術基盤であり、今般、環境性能グレード「AAA-b」を取得した当社の低燃費タイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)」実現の源泉となったものです。
当社は、今後も「Nano Balance Technology」を軸にして次代に求められるタイヤの技術革新に取り組んでまいります。

求められるナノテクノロジーの背景

一般的に、タイヤは走行時に変形を起こし、弾性体としてのエネルギーが減衰されるほか、接触する路面との摩擦により運動エネルギーが散逸します。これらがタイヤの転がりよさを抑制するエネルギーロスの発生原理となっています。タイヤの転がり抵抗は燃費の向上、CO2排出削減につながる環境性能の指標として、その低減が必要となります。
一方、転がり抵抗が良化すれば、濡れた路面での制動距離が伸びる傾向があるため、安全性を確保する必要から、同時にウェットグリップ性能の向上も求められます。
こうした二律背反するタイヤ性能を両立させるために、より緻密な開発と実証が必要となることから、これまでの開発手法よりさらにテクノロジーを深化させ、ナノレベルでの確実なタイヤ技術開発基盤を確立することが重要になってきました。

Nano Balance Technology の概略

当社は「タイヤに使用するゴム材料におけるエネルギーロスの改善」がタイヤの抵抗低減に結びつく大きなポイントの一つであることに着目し、ゴム材料のナノ分析/ナノ解析において一定の例証を経てきました。しかし、それらの検証をもとに行なうナノ素材の設計だけでは、供給を受ける素材への依存度が高くなります。当社では、確実にタイヤ環境性能を高度化し、かつ量産できる基盤を整えることをめざし、配合の精密制御など「ナノ加工」の技術的確立を図りました。
Nano Balance Technology は、ナノレベルでの分析/解析/素材設計/加工の4 つの体系を統合して技術開発を行なうことにより、到達すべき水準に向けた最適化を図るようにしたものです。

低燃費タイヤ「NANOENERGY」での実際

NANOENERGY の開発においては、ナノ分析における観察、およびナノ解析における検証、さらにナノ素材設計における機能構造構築を経たうえで、最終的に、温度制御によりゴム材料において「シリカ分散」と「凝集で発生するエネルギーロスの制御」を図るナノ加工手法を確立しました。
これによって、ゴム材料面から転がり抵抗の低減を実現し、その他の構造的改善を組み合わせることで、タイヤ環境性能の高度化を果たすことができました。

Nano Balance Technology の4つの体系

当社は、自動車産業に携わる一企業として、タイヤの低燃費化を全ての商品開発の前提として位置づけ、今後もNano Balance Technologyを進化させながら、環境性能を充足したさらなる高付加価値タイヤの創出に取り組んでいきます。


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