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2016年4月欧州市場新車販売速報【JATO Dynamics】

2016年6月10日

「4月の登録台数はRenaultとMercedesのSUV、新型新型Opel/Vauxhall Astra、Audi A4の好調に支えられ高水準を保つ」

4月の欧州29ヶ国新車市場は、前年同月比+8.9%の131万台を数える。2016年1月から4月までの累計では前年実
 績+8.3%の525万台
SUVセグメントがセグメント別トップの座を維持、台数では前年同月比実績+22%
RenaultとMercedesが欧州で最も急速に成長を続けるSUVセグメントでマーケットシェアを拡大。
Volkswagen Golfが欧州最量販モデルの座を維持するも、Peugeot 208、Opel/Vauxhall Astra、Audi A4の販売
 の伸びが著しい

1.国別販売台数


欧州29ヶ国新車市場の4月登録台数は、前年同月比+8.9%の131万台を数えました。これは、前年同月実績に+10.8万台となる台数で、最近の欧州市場の堅調な成長トレンドが4月も維持されたことを物語っています。4月の伸びは、今年3月に記録した前年同月比+5.6%や、2015年4月の同+6.9%を上回りました。欧州29ヶ国新車市場の2016年1月から4月までの累計では、前年同期月比+8.3%の525万台を記録しており、本年3月の季節調整済み年率換算では1,538万台に達する見込みです。

先月のトレンドを引き継ぎ、販売好調なSUVセグメントがマーケットを主導し、欧州全体の新車登録台数のうち24%を同セグメントが占めました。またセグメント別マーケットシェアにおけるSUVセグメントのシェアは、前年同月から+2.6パーセンテージポイント拡大しています。セグメント別の販売台数の伸びではSUVセグメンの伸び率が、スポーツセグメント(+30%)を除く他全てのセグメントの伸びを上回る前年実績+22%を記録しました。
SUVセグメントがマーケットを拡大していく一方で、サブコンパクト(B-セグメント)が-1.3パーセンテージポイントと最も大きくマーケットシェアを落とし、-0.7パーセンテージポイント落としたMPVセグメントが続きました。SUVセグメントの伸長には、とりわけ良好な販売パフォーマンスを示す大型SUV(E-SUV)と小型SUV(B-SUV)に属するモデル群が大きく貢献していると見られます。

2.ブランド別


ブランド別では、欧州全体における登録台数の12%を占めたVolkswagenがヨーロッパPoloそしてPassatの各モデルの販売実績が寄与しています。しかしながら、同ブランドの4月最量販ブランドのの成長率は、市場平均を下回る+2.4%座を守りました。これには同ブランドのGolf、の微増に留まりました。その結果、Volkswagenはマーケットシェアを前年同月比で0.8パーセンテージポイント縮小しており、主要ブランド中で最もマーケットシェアを落としたブランドとなってしまいました。国別では、スペインとポーランドで大きく販売を伸ばしたものの、スイス、英国そしてオランダ等での販売減に相殺されてしっまたかたちです。市場を席巻するSUVブームにあっても、VolkswagenのSUVに限っては13%も販売台数を減らしてしまいました。
Renaultは欧州全体の成長率にほぼ等しい+8.7%を記録し、Fordを抜いて2位にランクインしています。そのFordは前年実績+1.5%でした。トップ10ブランド中、ドイツの3プレミアムブランドとFiatの4ブランドだけが、欧州マーケット全体の成長率を上回る伸びを記録しました。マーケットシェアに目を向けると、Mercedes Benzが最も大きくシェアを拡大したブランドとなりました。続いて、Honda、そしてFiatが続いています。

JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは次のように述べています ;「Volkswagenの成長の減速も、欧州新車市場全体の拡大を留めるには至っていません。消費者はVolkswagen以外のメインストリーム、またはプレミアムブランドへと選択肢を広げています。またSUVブームも、消費者ニーズの転換の一つの表れといえるでしょう」。

3.モデル別


モデル別では、VolkswagenGolfが前年実績+2%の月間登録台数約49,000台を記録しました。このコンパクトモデルはスイス(-18%)、オランダ(-18%)、ベルギー(-16%)では需要減に、本国ドイツではプラスではあったものの微増(+2%)に留まるなど、低成?にみまわれています。
しかしながらGolfは、市場全体の成.には.劣りするものの、他の競合車、例えばRenaultClio(-7%)、FordFiesta(-16%)、そしてOpel/VauxhallCorsa(-9%)のようにマイナスにはなりませんでした。対照的に力強い成長を見せたモデルは、VolkswagenPolo、Peugeot 208、SkodaOctaviaそしてOpel/VauxhallAstraでした。
セグメント別台数に目を向けると、SUV部門の販売ランキングで大きな動きが見られました。Renault Capturが、長くセグメントリーダーであったNissan Qashqpaiを上回る18,800台を記録し、欧州SUV部門の販売ランキングでトップとなりました。QashqpaiがSUVトップの座を譲るのは2015年6月以来のことです。Renault製のこの小型SUVは、フランス(+29%)、ドイツとベルギー両国で+26%、英国(+19%)そしてスイス(+18%)と各国で大きくセールスを伸ばしています。一方でNissanQashqaiはスス(-44%)、オランダ(-34%)、チェコ共和国(-23%)、フランス(-14%)そして英国(-5%)で販売台数を減らしました。このマイナスの一因として、直接の競合車である新型Hyundai TucsonとRenaultKadjarの好調な販売があげられます。

実際に、HyundaiTとRenaultKadjarのコンパクトSUVモデルは4月もシェア拡大に成功し、「ビッグマーケットシェアウィナー」としての地位を保ちました。Tucsonは4月の欧州市場で23番目に多く売れた.であり、特にベルギーやキプロス、チェコ共和国、アイルランドそしてスロバキアの各国でコンパクトSUVのベストセラーとなるなど、ヨーロッパマーケットにおいて1%を超えるマーケットシェアを握っています。一方、Renault Kadjarも、4月の欧州全体における販売台数のうち、1%弱のシェアを確保しました。3番目にマーケットシェアを拡大したモデルは、これもSUVセグメントに属するMercedes GLCでした。D-SUVセグメントに属するGLCは、BMWX3を上回り、人気車種であるAudiQ5やVolvoXC60の販売台数に迫るセールスを記録しました。

その他のセグメント別ウィナーとして、D-セグメントにおいては前年同月比+61%も販売台数を伸ばし、2015年4月の4位から先月の2位にまでジャンプアップしたAudiA4があげられます。またA4は、プレミアム・ミッドサイズセダン/ワゴンのベストセラーでもあります。C-セグメントではFiatの新型コンパクトセダン、Tipoが4,700台を売り上げ、同セグメントの1.75%のシェアを獲得しました。

Felipe Munozは次のように結んでいます;「最近投入されたニューモデル郡に対する消費者の反応は良好なようで、それが結果として、欧州市場の拡大に寄与しています。特に、SUVへの嗜好はかつてないほどの力強いものとなっています。」



JATO Dynamics 社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備・価格・登録販売台数・ニュース及びインセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界45カ国以上にリサーチ拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。


JATO社Webサイトwww.jato.com
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