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ポルシェが2位に入賞、ドライバーとマニュファクチュアラーの両部門でリード【ポルシェ ジャパン】
2016年5月11日
FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン(ベルギー)
ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)のポルシェ チームにとって、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦は厳しい試練となりました。スパ・フランコルシャン(ベルギー)で開催されたレースでは、ハイブリッドシステムにトラブルを抱えながらも、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組がポルシェ919ハイブリッドで2位に入賞、世界選手権のドライバー部門でリードを広げました。ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組がドライブするもう1台の919ハイブリッドは2回のパンクに見舞われた後、6時間のレースのうち1時間半以上を修理に費やし、最終的にハイブリッドカーのLMP1カテゴリーで5位という結果になりました。このレースの結果、マニュファクチュアラー部門では、ポルシェが54ポイントでトヨタ(45ポイント)およびアウディ(41ポイント)をリードしています。
ブレンドン・ハートレーが記録したファステストラップ(1′58″431)は、ポルシェ919がスパでいかにその高い性能を発揮したかを物語っています。シルバーストーンのシーズン開幕戦に続き、これはポルシェのル・マン・プロトタイプの2016年シーズンで2回目のファステストラップです。最高50℃に達したサーキットの路面温度は、アルデンヌ山脈におけるレース戦前の予想を大幅に上回るものでした。
カーナンバー1のレース展開 :
スターティングドライバーのブレンドン・ハートレーは、23周終了後の最初のピットストップまで、着実にリードを広げました。ティモ・ベルンハルトがタイヤ交換を行った919ハイブリッドを引き継ぎ、2位でレースに戻ります。ドライバー交替とタイヤ交換を見送ったカーナンバー5のトヨタがレースをリードしていましたが、ベルンハルトがセバスチャン・ブエミに追い付き、息を呑むようなバトルが展開されました。ベルンハルトがラ・スルスでオーバーテークすれば、ブエミがオー・ルージュで反撃します。37周目に入った直後、ベルンハルトがパンクを報告し7kmを走行してピットに戻りますが、その途中、タイヤが外れてボディを損傷しました。ピットでは、フロントカウルを交換してマーク・ウェバーに交代しました。45周目、最初のパンクが原因で再びフロント左のタイヤが損傷しました。修理のために長引いたピットストップ後、ブレンドン・ハートレーがドライバーとしてレースに復帰しました。レース56周目、次のピットストップを前にカーナンバー1は4周遅れの14位でした。タイヤにダメージを受けた919でピットに戻ったとき、左右のフロントホイールの回転速度が大きく異なったことが原因でフロントギアボックスが損傷しました。現地時間16時38分に修理が開始され、18時17分にウェバーが919に乗り込み、トップから51周遅れでピットを出ました。ウェバーは24周のスティントを終え、ベルンハルトに渡しました。この時点で、トップグループとの差は49周でした。137周を終えた後、ハートレーが最後のスティントのために919に乗り込み、総合27位、ハイブリッドクラス5位でチェッカーフラッグを受けました。
カーナンバー2のレース展開 :
マルク・リーブは良好なスタートを切り、チームメートを追う形で2位を走行しました。6周の終了直前で、ハイブリッドシステムのトラブルがリーブを襲います。カーナンバー2は、残りのレースで電力系のパワーをフルに使用できませんでした。22周が終了し、ニール・ジャニがハンディを背負った919ハイブリッドに乗り込みました。47周目でロマン・デュマに交代、その後72周目から再びリーブが乗り込みました。95周終了後、リーブはジャニに919を託します。出力の低下にもかかわらず、デュマ/ジャニ/リーブ組は3位で走行していました。これは、アウディおよびトヨタもそれぞれ1台ずつトラブルを抱えていたためです。113周目、トップのカーナンバー5トヨタもトラブルに見舞われ、ジャニが2位に浮上しました。118周を終えたジャニはピットに戻りデュマとドライバー交代しました。彼はセーフティーカーフェーズ中に最後の給油にピットに戻り、その後2位でレースを終了しました。
レース後のコメント :
LMP1担当副社長、フリッツ・エンツィンガー:「シルバーストーンの開幕戦は容易ではありませんでしたが、ここスパでは両方の車両がフロントローからのスタートだったにもかかわらず、大きな困難に見舞われました。カーナンバー2が、レース序盤からトラブルを抱えながらも2位でフィニッシュしたことは、耐久レースにおいて諦めは選択肢にはないということを改めて証明しました。カーナンバー1は、決勝では非常に不運でした。演劇の世界の人達は、初演のドレスリハーサルが最悪であると縁起が良いと言いますが、私達も今日のスパでのレースをル・マンのリハーサルだと考えるようにしています。私達はル・マン24時間に向けてあらゆる可能性を精査し、綿密に準備を進めていきます。現地のクルーとヴァイザッハの皆に感謝しています」。
チーム監督、アンドレア・ザイドル : 「激戦の末に勝ち取ったアウディの勝利をお祝いします。今日は、3社すべてのマニュファクチュアラーが持てるテクノロジーを限界まで発揮したことは明かです。私達のLMP1プログラム開始から初めて、マニュファクチュアラーおよびドライバーの両部門のタイトルを携えてル・マンに挑むことになります。カーナンバー1のクルー達にとって、ここまでの2戦で大きな不運に見舞われたためほとんど成果が出ていないのは辛いところです。シルバーストーンでは事故、ここではパンクが重大な影響を及ぼしました。しかし、カーナンバー2のクルー達は、序盤のハイブリッドシステムのトラブルにもかかわらずすばらしい働きを見せ、2位フィニッシュという驚異的とも言える結果を出しました。新たなローダウンフォースパッケージでも、919は最速のマシンでした。今後は細部の信頼性を高め、ル・マンへの準備を進めます」。
ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーのコメント
ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ) : 「今日は、勝てるペースで走れたことは確かです。おかげでセバスチャンとのバトルは楽しむことができました。私達の作戦は問題なく、最終的には彼を退けることができたと思います。しかし、モータースポーツでは、何が起きるかわかりません。事故があった最終のシケインでは破片を踏んだのだと思います。その後、損傷したタイヤで周回を終えなければならず、それがさらなるダメージにつながりました。フロントギアボックスの破損もその一部だった可能性が高いです。いずれにしても、これからシーズンのハイライトであるル・マンに全神経を集中します」。
ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド) : 「スタートは良好でマシンからも良い感触を得ていましたが、スティントの後半、タイヤがダメになりました。スパで、あれほどサーキットの路面温度が上がるとは誰も予想していませんでした。理論上は、レース後半で1セットのタイヤをダブルスティントで使用するつもりでした。しかし残念ながら、他の問題で手一杯だったため、それがどのような結果になったか試すことができませんでした。フィニッシュできたのは幸いでした」。
マーク・ウェバー(39歳、オーストラリア) : 「クルー達のおかげでレースを続けることができました。今回も多くのことを学びましたが、私達のクルマのクルー達にとっては厳しい一日となりました。チームにとっては、カーナンバー2がトラブルを抱えながらも出した結果が何よりでした」。
ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバーのコメント
ロマン・デュマ(38歳、フランス):「レース終盤、慎重に周回を重ねていました。今日は、非常に厳しいレースでした。選手権のポイントは、精一杯の仕事をして、私達のクルマの修理に奔走してくれたメカニック達へ捧げます」。
ニール・ジャニ(32歳、スイス) : 「今日は、非常に特別な日となりました。ハイブリッドシステムのフルパワーを使うことができない上にトラフィックも難しく、ブレーキの温度にも細心の注意を払わなければなりませんでした。919をできる限り慎重にドライブしたことで、ライバル達がトラブルに見舞われるたびに順位を上げることができました」。
マルク・リーブ(35歳、ドイツ) : 「車両は、コーナーからの加速で強力な4WDが使用できるという前提でセッティングしてありましたが、6周目以降、ハイブリッドのフルパワーを使用できなかったのはストレスでした。そのような状況でレースをフィニッシュするため、コックピットでのドライビングはせわしないものでした。しかし、私達はフィニッシュすることができ、大きなポイントを得ることができました」。
世界耐久選手権ドライバーズポイントスタンディングス(全9戦中2戦終了時点) :
マニュファクチュアラー選手権(LMP1)ポイントスタンディングス :
GTカテゴリーではポルシェ911 RSRが僅差で表彰台を逃しました。スポーツカーのアイコンであるポルシェ911の第7世代をベースにした911 RSRを駆るデンプシープロトンレーシングのリヒャルト・リーツ(オーストリア)は、ミカエル・クリステンセン(デンマーク)とともにGTE-Proクラス4位に入りました。リーツは、ベストGTドライバーとして2015年FIA世界耐久選手権のトロフィーを獲得しています。
パトリック・ロング(米国)はさらに表彰台に近いポジションにいました。アブダビ プロトンレーシング・カスタマーチームの911 RSRを駆るロングは、GTE-Amクラスにおいて残り3周まで2番手を走行していましたが、見事な活躍にもかかわらず優勝争いから外れたLMP2プロトタイプが、ストレートの終わりでロングの車をコースから押し出すという残念な結末を迎えてしまいました。ロングはピットに戻ることを余儀なくされ、最終的に、ハレド・アルクバイシ(アラブ首長国連邦)、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(デンマーク)とともに6位にランキングされました。
ベルギー・アルデンヌ地方の太陽の光と春の気温の中で、KCMG チームの駆る911 RSRも、表彰台を狙えるポジションにありました。しかし、最終的にウォルフ・ヘンツラー(ニュルティンゲン)/クリスティアン・リード(ドイツ)/ジョエル・カマティアス(スイス)組はGTE-Amクラスの4位に入りました。ガルフレーシングのベン・バーカー/マイケル・ウェインライト/アダム・キャロルの英国組が駆る911 RSRは5位でした。
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