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車載マルチメディア製品の機能自動評価システム開発【富士通テン】
2011年11月17日
カーナビゲーションブランド「ECLIPSE(イクリプス)」を展開する富士通テン㈱(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:重松 崇 資本金:53億円)は、開発中のカーナビやカーオーディオまたはこれら複合機のソフトウェアの不具合を自動で評価するシステムを自社開発し、自社製品の開発に活用を開始しました。
爆発的に増大するソフトウェアテストの自動化により、重要機能評価へのリソース集中配分と、機械化によるテスト精度の向上が図られることから、製品品質の信頼性向上につながるものと考えています。
テスト精度は、例えば、人手では3,000回かかる不具合再現を70回で実現できることを確認しています。また、2011年度は3,000時間の評価時間を削減し、重要機能評価への人員シフトを行い、評価実験全体での品質向上を目指します。
現在、省機能でローコストなタイプ、車の電源特性を忠実に再現する高機能タイプの開発も進めており、年内の稼動を目指しています。
開発背景
当社は、車に関連した製品を提供しており、品質至上を企業理念の一角に据え取り組んでいます。カーナビやカーオーディオは多種多様な外部メディアを取り込みながら、年々高機能・複雑化が進んでおり、開発するソフトウェア量が爆発的に増大しています。そのような中でも製品品質を確保するためには、評価をより高い精度で、より速く行うことが重要です。そこで今回、人手では精度・時間ともに限界がある、繰り返し同じ動作を長時間かけて評価する部分の自動評価を行うシステムを開発しました。
車載マルチメディア製品の機能自動評価システムについて
製品化までには「設計」 ⇒ 「試作」 ⇒ 「製造」の流れがあります。
このうちソフトウェアの評価試験には、設計、試作の過程で大きく3段階があります。
①部品・モジュール単体試験 ②結合試験 ③製品にインストールして行うシステム試験
本システムは、このうち③の評価を行うツールで、製品が実際に使用される場面を想定した試験項目を自動で行い、「映像」「音声」で自動判定します。製品のスペック品質だけでなく、お客様視点に立った評価の精度を高めることを追求しています。
また、このシステムはネットワークに対応しており、インターネットで遠隔操作が可能です。現在は、日本で設計・開発した製品を海外拠点のマンパワーで評価を行うこともあり、製品の運搬や輸出手続きにかかる時間、コスト面での問題解決にもつながります。さらに将来、現地設計・開発を行っていく際、今度は、逆に現地の開発品をインターネットを通じて日本や他の拠点で評価することもでき、日本の品質レベルを海外でも実現するための、ノウハウ蓄積につながると考えています。
システムの概要
主な特長
● 繰り返し評価
人手では敬遠されがちな1,000回、10,000回の繰り返し評価を自動で簡単に行える
● 連続稼動
休日・夜間の区別なく24時間稼動可能
● 人より速く、ミスが少ない
操作は電気信号による通信で行なうので人が操作するより速く、人特有の個人のバラツキや見逃しが
無いので不具合を確実に発見することができる
● ネットワークに対応
開発した製品を国内外の別の拠点でもインターネットで評価できる
● 高い再現性
不具合発生時には、過去に遡って映像と音声が記録され、評価シナリオをもう一度実行すれば、容易に不具合を再現させることができる
● テストにかかる時間を正確に把握
テストする評価のシナリオを作成した時点で、評価に掛かる予想時間が算出されるので、限られた時間の中で効率的なテスト計画を立てることができる
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