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『高スラスト負荷対応深溝玉軸受』を開発【NTN】

2011年11月15日

【スラスト負荷能力を大幅向上し、円すいころ軸受から置き換えも可能!】

NTN㈱(以下、NTN)は、スラスト負荷*1能力を3倍に向上させ、自動車のディファレンシャル*2(以下、デフ)やトランスミッション用途において、円すいころ軸受から置き換え可能な『高スラスト負荷対応深溝玉軸受』を開発しました。
現在、成長市場をはじめ世界各地で、自動車の増加に伴うCO2削減や低燃費化の要求が加速し、自動車用の軸受にもより一層の低トルク・高効率化が求められています。デフやトランスミッションなど自動車の駆動伝達部には、非常に大きなトルクが伝達されます。例えばデフギヤ部では、デフサイド(車輪軸側)へ大きな力が発生し、支持する軸受にもスラスト力が負荷されます。そのため、一般的にはスラスト負荷能力の高い円すいころ軸受が多く使用されています。しかし、円すいころ軸受は、転動体(ころ)と軌道輪の接触面積が大きいため、玉軸受に比べて回転トルクが大きくなることや、組み立て作業に予圧調整が必要になる煩雑さが課題でした。

今回開発した「高スラスト負荷対応深溝玉軸受」は、軌道輪溝部形状の最適化を図ると同時に、新設計の組合せ保持器採用で、スラスト負荷能力が標準の深溝玉軸受に対して 3倍と大幅に向上させ、自動車の駆動伝達部など高負荷用途への適用を可能にしました。

本軸受を円すいころ軸受から置き換え、デフサイドに適用すれば、60%*3の軸受トルク 低減のほか、組み立て工数削減も図れるため、自動車のCO2削減・低燃費化および顧客の生産性向上にも貢献できます。

NTNは、本軸受を12月2日~11日に東京ビッグサイトで開催される「第42回東京モーターショー2011」に出展し、今後もグローバルに市場展開してまいります。


*1 : スラスト負荷は、回転軸線方向に掛かる負荷。回転軸線に対して垂直にかかる負荷がラジアル負荷
*2 : 自動車などの車輪のついた乗り物に使われる動力伝達装置で、車がカーブを曲がる時の内輪差(内側と外側の車輪の速度差)を吸収しつつ動力源から同じトルクを振り分けて伝えるための装置。
*3 : 2Lクラスデフサイド用円すいころ軸受で、エンンジン70%トルク負荷、時速100km/h走行時の比較

特 長

①スラスト負荷能力 : 3倍(標準深溝玉軸受比)
②軸受回転トルク : 60%低減(円すいころ軸受比)
③組み立て工数削減 : デフサイド組込み時の予圧調整不要(円すいころ軸受比)

販売目標

2015年度販売目標 4億円/年(自動車の駆動伝達部用途)

製品写真

適用部位


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