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業界最高クラスの広視野・高解像度を実現したフラッグシップ機 マイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio SMX-225CT FPD HR」を発売【島津製作所】
2016年4月5日
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マイクロフォーカスX線検査装置「inspeXio SMX-225CT FPD HR」
島津製作所は、大型高解像度フラットパネル検出器の搭載によって、業界トップクラスの広い撮影視野と高い解像度の3次元画像を得ることができるマイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio(インスペクシオ) SMX-225CT FPD HR」を4月5日に発売します。
マイクロフォーカスX線CTシステムは、マイクロフォーカス(微小焦点)X線発生装置とX線検出器との間で回転する検査対象物(ワーク)のX線透視画像をコンピューター処理することで、ワークの内部構造を3次元で観察できる装置です。主に、自動車部品、電子機器、リチウムイオン電池などの研究開発、検査、故障解析といった目的で利用されています。国内の同システムの市場では、当社inspeXioシリーズが2014年度、2015年度の販売台数でトップシェアを有しています(当社調べによる)。
本製品は、優れた解像度と広い視野を実現する大型高解像度フラットパネル検出器や、X線発生効率を当社比で約3倍に高めた自社製の新型X線発生装置、条件設定が簡単な新ソフトウェアなどにより、従来から得意なアルミダイカスト部品の内部観察に加え、これまで観察が難しかったGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)など複合樹脂材料の内部構造や断面画像も簡単に取得でき、多様なワークに1台で対応できます。
【開発の背景】
自動車産業やエレクトロニクス産業では、IoT※1やM2M※2に代表される情報通信技術や情報処理への要求が年々高まり、様々な部品や機器の小型化・高集積化が進んでいます。そのため、詳細な検査や故障解析に対するニーズが拡大しています。中でも自動車業界は、軽量な新素材の研究開発が進んでおり、エンジン部品から電子部品のように大小様々、かつ、金属や樹脂など幅広い材質のワークを1つのシステムで素早く高精細に観察したいという要望が強くなっています。
また、iPS細胞から作製した骨や組織の微小な内部領域を非破壊観察する用途で当社のマイクロフォーカスX線CTシステムが導入されるケースもあり、再生医療の発展や医療用3Dプリンタの実用化などが進めば、システムの導入がさらに広がると予想されます。
このようなワークの多様化に対し、当社は、業界トップクラスの広い撮影視野で高解像度な3次元画像撮影をシンプルな手順で簡単に行える、フラッグシップ機「inspeXio SMX-225CT FPD HR」を上市し、国内では2016年度に10台の販売を目指します。
※1 IoT : Internet of Thingsの略。様々な“モノ”をインターネットに接続する技術やその状態。
※2 M2M : Machine to Machineの略。機械同士をネットワークで接続する技術やその状態。
【新製品の特長】
1.高精細・高コントラストな断面画像の取得
当社従来製品比で約4倍の面積のフラットパネル検出器や、X線発生効率を当社比で約3倍に高めた自社製X線発生装置により、業界トップクラスとなる最大1400万画素相当の入力解像度を実現しています。この入力解像度はこれまでの当社最上位機種との比較で8倍以上であり、大きなワークを1度に撮影できることに加え、微小な領域も高精細かつ高コントラストに観察できます。
2.最大撮影領域、最大搭載ワークサイズの拡大
これまでの当社最上位機種との比較では、最大撮影領域が約60%広がり、直径400mmまでの視野でそのまま撮像が可能になりました。また、従来セット可能なワーク重量は9kgまででしたが、本製品は12kgまでのワークをセットできます。
3.ソフトウェアの操作性と高速性
大容量のデータを高速に処理するため、制御用のソフトウェアを新開発しました。当社ソフトウェアは従来から高速性と操作性が好評でしたが、本製品用のソフトウェアは、当社比で最速50倍となる演算処理を行うことができ、撮影後に素早くデータの確認ができます。また、従来は、ワークの材質に合わせてオペレーターがX線照射条件、積算時間、取り込み画像枚数などを検討する手間が発生していましたが、今回新たに搭載した「おまかせCT撮影機能」を使用することで、ワークの材質と画質の選択のみで最適な撮影条件を自動で設定でき、さらに使い勝手が高まりました。
撮像データ例(左 : アルミダイカスト欠陥解析、右 : GFRP繊維配向解析)
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