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多機能エンターテイメント : コンチネンタル、新たな車載ラジオプラットフォームを開発【コンチネンタル・オートモーティブ】
2016年3月4日
本プレスリリースは、現地時間2016年2月12日に、ドイツ・ヴェッツラーで発表した内容の参考訳です。万が一、英文原文と意味合いが異なる部分がある場合には英文が優先されます。
● フラットパネルデザインのソフトウェア定義ラジオ : ハードウェアとソフトウェアを入れ替え、ヘッドユニットを
刷新
● スマートフォンコンテンツのミラーリングにより、ドライバーにとって重要な情報を安全に提供
● 優れた実績 – 1953年からカーラジオの開発に携わる経験が強み
現在、車載ラジオはデジタルラジオ、AM/FMの受信、モバイルテレフォニー、各種音源からの音声、大型タッチスクリーン、ソフト/ハードキー、音声操作による制御、スマートフォンアプリなど、膨大な数の消費者ニーズに対応しなければなりません。手頃な価格帯の車両でも、ラジオは単なるチューナーとアンプから、立派なエンターテイメントハブに進化しています。「コネクテッドビークル」時代の幕開け、そして家庭用電化製品の各種基準やオペレーティングシステムの登場と共に、カーラジオの複雑性が高まっている傾向にあります。この課題に対処するため、国際的なテクノロジーカンパニーであるコンチネンタルは先進的な車載ラジオプラットフォームを開発しました。これにより、多数の個別機能が1つのプロセッサで制御可能となり、ハードウェアを最小化することができます。
「車載エンターテイメントは急速に複雑化しています。コンチネンタルが新たに提供したラジオプラットフォームは、多種多様な機能を処理できるだけでなく、世界中の自動車メーカーに費用対効果が高く、使いやすいソリューションを提供することができます。」と、コンチネンタルのインフォテインメント&コネクティビティ事業部責任者のヨハン・ヒーベル(Johann Hiebl)は述べています。
ハードウェアとソフトウェアを入れ替え : フラットパネルデザインのソフトウェア定義ラジオ
コンチネンタルの主なアプローチは、コストのかかるハードウェアをできるだけソフトウェアに入れ替えるというシンプルなものです。このようなコスト削減を実現するため、コンチネンタルのラジオプラットフォームは、高度に最適化されたSoC(system on chip)上で構築されています。プラットフォームの中心には、ヒューマン・マシン・インターフェース、接続、オーディオ・ポスト・プロセッシング関連の全機能を処理するマルチコアプロセッサと、統合車両コントローラ、そして新しいプラットフォーム – ソフトウェア定義ラジオ(Software Defined Radio / SDR)のコアラジオ技術を実現するデジタルプロセッサ(DSP)があります。
SDRは単一のハードウェアで、AM/FM、DAB/DAB+/DMB、DRM、HDラジオなど、世界中のアナログ、デジタル標準を統合します。新しい標準は、たとえば中国のChinese Digital Radio(CDR)など、地域ごとに提供されるソフトウェア更新によって有効になります。
「ソフトウェア定義ラジオ技術により、ハードウェアに大幅な変更を加えなくても、世界中の異なる市場用にラジオプラットフォームを使用できるようになります。その結果、研究開発の手間やマーケティングにかかる時間を抑えることができます。」と、ヒーベルは述べています。
一般的な音源は放送局、またはBluetoothやUSB/iPod接続でのドライバーや同乗者のデジタルデバイスになったため、コンチネンタルの新しいラジオプラットフォームにはCDプレーヤーは含まれていません。最適化されたSoCの使用によるハードウェアコンポーネントの削減により、奥行が40mmもあるフラットパネルデザインのヘッドユニットが実現しました。このユニットはキャパシティブタッチスクリーン、HD解像度とクラスDアンプに対応しています。このフラットパネルアプローチによって、自動車メーカーにおいては非常に柔軟なインテリアデザインが可能になります。
スマートフォンのミラーリングアプリサービスによって、ドライバーはできるだけ運転に集中
一方、ドライバーにとってもこのプラットフォームを使えば、MirrorLink、Android Auto、Apple CarPlay、Baidu Carlifeなどの各種標準によってスマートフォンからアプリケーションやコンテンツをミラーリングできるので、豊富な機能とコネクテッドサービスを安全に利用できます。
「ドライバーが運転に集中できるようにするため、運転中のドライバーがスマートフォンを使用しなくて済むようにすることを目指しています。コンチネンタルのラジオプラットフォームでアプリのミラーリングを行うことで、車両のヒューマン・マシン・インターフェースに安全に統合し、ドライバーにとって重要なサービスを提供します。」と、ヒーブルは述べています。さらに操作の安全性を高めるため、コンチネンタルではアプリケーションの個別化を行い、タッチスクリーン、ハンドルに付属のボタン、または音声で制御できるようにしています。
車載エンターテイメント分野における長年にわたる開発実績
60年以上の経験に基づき、幅広い知識を備えたコンチネンタルでは、あらゆる運転状況下でも最適なエンターテイメント環境を実現できるチューナー技術を提供しています。はるか昔、1953年に、ドイツのヴェッツラーで最初の車載ラジオを製造開始し、その後、数々の製品を生み出してまいりました。2011年にはコンチネンタル初のハイエンド・カラー・ラジオも発表しています。
これはソフトウェアベースのDABソリューションで、今日のソフトウェア定義ラジオの前身で、2007年以来、コンチネンタルは世界中の消費者に向けて4千万台以上のラジオユニットを販売しました。
「コンチネンタルはラジオとインフォテイメント分野における数十年の実績があるだけでなく、インフォテインメント開発の主要全拠点で先進的なラボ、テストステーション、シミュレータを稼働運営しています。」と、ヒーブルは説明しています。
現在コンチネンタルはドイツのヴェッツラーとレーゲンスブルク、フランスのランブイエ、シンガポール、イリノイ州ディアパーク、中国の上海に主要な開発拠点を置き、世界中でカスタマイズしたソリューションを提供することでグローバル市場への対応を保証しています。
グローバル展開によって、コンチネンタルは新しいデバイスの最初の試作品が完成するとすぐにラボで詳細な実験検査を行い、機能テストと安全性確認を行っています。コンチネンタルは独自のシミュレーションシステムも開発し、最初の回路基板を固定する前、もしくは最初の筐体をプレス成型する前に、新しいラジオコンポーネントをバーチャル環境下でテストしています。これにより開発の最適化と開発時間の短縮化が実現し、お客様に対して時間、コスト、品質面で大きなメリットを提供することが可能です。
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