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MEMSジャイロセンサー「ADIS16136」を発表【アナログ・デバイセズ】
2011年11月9日
アナログ・デバイセズ社は、iSensor®デジタルMEMSジャイロセンサー「ADIS16136」を一般向けに供給を開始したことを発表しました。「ADIS16136」は消費電力1ワット未満、重さわずか25グラムというマッチ箱サイズのモジュールで、3.5°/hr(代表値)のバイアス安定性を提供する、タクティカル・グレード(Tactical Grade)という非常に高い性能のMEMSジャイロセンサーです。この10°/hrを切るバイアス安定性を特長とする、タクティカル・グレードのiSensor MEMSジャイロセンサーは自律動作し、事前のユーザ・コンフィギュレーションが必要なく高精度なレート・センシング・データを提供するので、プラットフォームの安定化や制御、ナビゲーション、ロボット工学、および医療用計測機器など高精度が求められるアプリケーションで開発期間の大幅な短縮を実現可能とします。
アナログ・デバイセズ社 MEMSセンサーテクノロジーグループiSensorビジネス開発マネージャ、ボブ・スキャネル(Bob Scannell)は、次のように述べています。「ADIS16136 MEMSジャイロセンサーは、バイアス安定性と角度ランダム・ウォーク性能面で高コストの光ファイバ・ジャイロセンサーに匹敵する性能を提供するだけでなく、2倍も良好な直線性、30倍の高速起動、および1/5という低消費電力が特長です。特に重要なのは、ADIS16136ジャイロが小型(約1立方インチ)でわずか25グラムと軽量なことです。これは、10立方インチ以上にもなる光ファイバ・ジャイロセンサーと比べ、より高精度なセンシングにより新しいアプリケーション開発が可能となるでしょう」
ADIS16136 iSensorデジタルMEMSジャイロ・センサーについて
ADIS16136は、業界最先端のADIのiMEMS®技術と動的性能を最適化するシグナル・コンディショニング技術を組み合わせています。ADIS16136は、最高2048SPS(サンプル/秒)の速度でデータを提供し、ノイズ/帯域幅トレードオフを最適化するための平均化/デシメーション・フィルタ構造を備えています。SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)とユーザ・レジスタ構造により、コンフィギュレーション制御や校正されたデータ収集が迅速に実行できます。全温度範囲で正確なセンサー測定のための内部補償機能を備えているため、追加のテストやキャラクタリゼーションは不要です。利用可能な帯域幅も380Hzと広く、複雑な安定化アプリケーションに大きなメリットをもたらします。新しいジャイロセンサーは36mm×44mm×14mmのパッケージで提供されます。プリント回路基板やケーブル・システムへの電気的取付けをサポートする標準の24ピン・デュアル・ロウ1mmピッチコネクタとともに、簡単な機械的取付け向けに、4つの孔を備えています。動作温度範囲は−40°Cから+85°Cです。
ADIS16136 iSensorジャイロセンサーの主な特長
デジタル・ジャイロセンサー・システム、±450°/秒の測定範囲
ノイズ : 0.0036o/秒/√Hz rms
動作時バイアス安定性 : 3.5°/hr
角度ランダム・ウォーク : 0.16o/√hr
バイアス温度係数 : ±0.00125o/s/oC
感度の温度係数 : ±35ppm/oC
帯域幅 : 380Hz
パワーオン起動時間 : 180ms
スリープ・モード回復時間 : 2.5ms
価格と供給について
下記表中の価格は、米国での販売価格です。
詳細情報
MEMS慣性センサーを用いた工業用制御の改善について
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