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2016年1月欧州市場新車販売速報【JATO Dynamics】

2016年3月4日

2016年1月欧州市場新車販売速報
「SUVのニューモデルと新型Opel/Vauxhall Astraの販売が欧州全体の成長を押し上げ」


■ 1月の欧州新車市場は、SUVセグメントの好調なセールスに支えられ前年同月比+6.1%の109万台を記録。
■ Volkswagenが大きくマーケットシェアを落としたものの、欧州最量販ブランドの地位を維持。
■ 新型Opel/Vauxhall Astra、Fiat Pandaが販売ランキングのトップ10入りを果たす。
■ 小型SUV、コンパクトSUVのニューモデルが、マーケットシェアを著しく拡大。

1.国別販売台数


欧州新車市場の1月の新車登録実績は前年同月比+6.1%の109万台と、29ヶ月連続のプラス成長を記録、またこれは、1月としては過去4年間で最も多い販売台数となりました。特に欧州主要5ヶ国(ビッグ5)のうちの2ヶ国、イタリアとスペインの力強いセールスが欧州全体の成長を押し上げました。またアイルランド、チェコ共和国、スイスそしてフィンランドの各マーケットも好調でした。一方でオランダ、ベルギー、ギリシャ、クロアチアそしてラトビアの5ヶ国ではマイナスを記録しています。

2.ブランド別


Volkswagenブランドが月間登録台数128,500台を記録し、2016年1月も欧州最量販ブランドの地位を維持しました。しかしながらマーケットシェアは、前年の12.9%から1.1ポイントマイナスの11.8%へと縮小しています。トップ10ブランド中、Volkswagenのみが唯一、前年同月比で販売台数減となりました。対称的に、姉妹ブランドのAudiは前年同月比+14.2%と、トップ10ブランド中最も大きい伸びを記録し、またマーケットシェアも+0.41パーセンテージポイント拡大しました。その他、マーケットシェアを大きく伸ばしたブランドは、Mazda (+0.42パーセンテージポイント)、Opel/Vauxhall (+0.36パーセンテージポイント)、Fiat (+0.34パーセンテージポイント)、そしてHonda (+0.33パーセンテージポイント)の4ブランドでした。

3.モデル別


モデル別では、2016年1月もVolkswagen Golfが欧州最量販モデルの地位を維持、特にドイツとイタリアにおける強固なセールスに支えられました。また、ドイツ、イタリア以外の大・中規模マーケットでも販売が好調でした。一方で、Golfは欧州29ヶ国中20ヶ国でマーケットシェアを落としています。Golfの1月のマーケットシェアは前年同月比-0.6パーセンテージポイントの3.4%で、これは2014年1月以来、同モデルのマーケットシェアとしては2番目に小さい数字でした。販売台数では、前年実績から8.4%ダウンの37,499台でした。そうした中、Golfの直接のライバルとなる新型Opel/Vauxhall Astraが、前年同月比+50%の16,900台と、目覚しいセールスを記録しました(販売ランキングでは9位)。ドイツ(+98%)、スペイン(+60%)、フランス(+114%)の各国で販売が急上昇し、トップ10モデル中、最も大きなセールス増となりました。
ランキングに戻りますと、Golfが首位をキープ、続いてランキング常連のサブコンパクト3モデル、Volkswagen Poloが2位、Ford Fiestaが3位、そしてRenault Clioが4位に其々ランクインしました。その内Poloは前年実績+4.9%の約25,000台のセールスを記録しました。Fiesta、Clioの両モデルが販売減を記録する一方、Peugeot 208の販売は勢いづき、+19.4%の19,200台を記録し5位にランクインしました。Peugeotの小型車は、同ブランドにとっての二大市場、フランス(+27%)とイタリア(+45%)の両国における需要増加の恩恵に浴し、直接のライバルであるGM 傘下Opel/Vauxhall Corsa (前年実績-14.7%の18,000台)を上回る販売を記録しました。
Nissan Qashqaiにとって2016年は、前年実績-1%と、少々難しいスタートとなりました。UK(+3%)、イタリア(+4%)で記録した小幅増も、ドイツ(-13%)、フランス(-14%)における販売減を相殺するまでにはいたりませんでした。その他モデルでは、Skoda Octaviaが前年実績+1%の17,400台を記録したものの、ポジションを1つ落とし、8位にランクインしました。また、Fiat車がトップ10ランキングに返り咲きました。同ブランドのPandaは、イタリアにおける前年実績+42%という好調な販売(これは同モデルの1月の総販売台数の79%にあたります)が寄与し、ランク10位に入りました。
トップ10圏外では、Volkswagen Passat、Peugeot 308が比較的安定した成長を続けている一方で、Renault Capturは前年実績-1.6%と多少のマイナスを記録しました。Capturのライバル車、Opel/Vauxhall Mokkaはプラスを示し、前年実績+8.1%と20位にランクインしました。
その他モデルでは、Fiat 500が前年実績-2%の13,600台を記録、これはUK (-33%)、フランス(-9%)の販売減が影響しています。Mercedes C-Classは、欧州主要5ヶ国全てにおける販売減が響き、前年実績-14%となりました。
マーケットシェアの拡張という面から見ますと、新型Hyundai Tucsonが欧州のベストパフォーマー(+1.1パーセンテージポイント)でした。Tucsonの最大市場はアイルランドで、同モデルの欧州全体における販売台数の20%を占めています。またRenault Kadjarがマーケットシェアを0.75パーセンテージポイント伸ばし、Hyundai Tusconに次ぐビッグウィナーとなり、月間販売台数も8,200台を記録しました。続いて、Fiat 500X、Suzuki Vitara、Opel/Vauxhall Karl/VivaそしてMercedes GLCの5モデルがマーケットシェア+0.5パーセンテージポイント超を記録しています。一方で、最も大きくマーケットシェアを落としたモデルは、Hyundai ix35、Volkswagen Golf、Opel/Vauxhall Corsa、Volkswagen Golf Sportsvan、Renault ScenicそしてBMW 5シリーズの6モデルでした。
JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは次のように述べています; 「2ヶ月連続2ケタ増の成長を記録していた欧州市場ですが、1月は減速となりました。Volkswagenがトップを維持しているものの、SUVモデルや新型モデルが好調なライバルメーカーに押されています。1月の速報結果が示すように、今後もSUVセグメントの人気は続くでしょう」。



JATO Dynamics社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備・価格・登録販売台数・ニュース及びインセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界45カ国以上にリサーチ拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。


JATO社Webサイトwww.jato.com
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