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トヨタ車のカーナビに、マルチコア対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」 が搭載【イーソル】

2011年11月8日

~ カーナビのアプリケーションは開発ツール 「eBinder」 を使って開発 ~

イーソル㈱ (本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル) は、アイシン・エィ・ダブリュ㈱が開発したプレミアムナビ 「NHZA-W61G」 (2011年度グッドデザイン賞受賞)、㈱デンソーが開発したカジュアルナビ 「NSDD-W61」 をはじめ、複数のトヨタ純正用品カーナビゲーションシステム (以下カーナビ) に、イーソルのマルチコア対応リアルタイムOS 「eT-Kernel Multi-Core Edition」 が搭載されていることを発表します。カーナビのアプリケーションは、リアルタイムOSベースシステム開発に特化しマルチコアにも対応した開発ツール 「eBinder」 を使って開発されました。

カーナビは、さらなる安全支援や環境負荷の低減、快適性の向上を実現するために、進化し続けています。電子化が進む車両制御系との連携、他の車や道路などのインフラ、情報センターといった車外との情報連携、携帯電話をはじめとする様々な機器との連携などが進み、今後も速いスピードで様々な機能追加が見込まれています。こうした背景のもと、eT-Kernel Multi-Core Edition は、カーナビで採用が進むマルチコアに対応し、車両連携や車車間高速通信などのアプリケーションが要求する、特に厳しい水準のリアルタイム性と信頼性を満たせる制御系OSとして採用されました。

eT-Kernel Multi-Core Edition は、2006年に製品化された、先進機能を持つマルチコア対応SMP型リアルタイムOSです。独自の 「ブレンドスケジューリング」 技術により、SMP型プログラムとAMP型プログラムがひとつのシステム内に混在できるため、マルチコアプロセッサの性能を最大限に引き出せる SMP のメリットと、シングルコア向けソフト資産の再利用やリアルタイム性の保証ができる AMP のメリットの両方を取り入れられます。また eT-Kernel Multi-Core Edition は、eT-Kernel オプションのシステム保護機能 「eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioning」 をあわせて使うことで、信頼度の異なるシステムの統合時にメモリ破壊を防止し、マルチコアシステムの信頼性を確保できます。また、今回のeT-Kernel Multi-Core Editionが対応するメモリ保護/プロセスモデル対応プロファイル 「eT-Kernel/Extended」 は、モジュールの個別
ロード機能と高速ブート機能をサポートしているため、カーナビのアプリケーションの更新や追加が容易にでき、ユーザにストレスを感じさせずにカーナビを高速起動できます。eBinder は、マルチコア向けソフトウェア開発で重要なマルチプログラミングと、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析を強力にサポートする様々なツールを提供します。eBinder の利用により、シングルコアプロセッサのときと同様の開発サイクルで、高品質なマルチコア向けソフトウェアを効率的に開発できます。

トヨタ Webサイト : http://toyota.jp

イーソル㈱ 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「リアルタイムOS 「eT-Kernel」 と eBinder は、2005年にデンソー様の当時の次世代カーナビに採用されて以来、車載システムゆえの厳しい要求を満たせるよう、品質、性能、機能の改善、拡張を続け、様々な車載機器で採用実績を重ねてきました。eT-Kernel、eBinder に加え、OSを問わない様々な受託開発の経験とノウハウをベースとするプロフェッショナルサービスを含めたイーソルの総合力により、今後も進化を続ける車載システムの開発を強力に支援していきます。」

補足資料

■ eT-Kernel Multi-Core Editionl について
eT-Kernel Multi-Core Edition は、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのSMP型リアルタイムOSです。独自の 「ブレンドスケジューリング」 技術により、ひとつのシステム内で、SMP型/AMP型が混ざった複数個のプログラムを混在させることができます。これにより開発者は、シングルコアプロセッサ利用時の資産やノウハウのそのまま再利用しながら、マルチコアプロセッサの性能を最大限に生かしたプログラムを開発することができます。「Single Processor Mode(SPM)」 と 「True SMP Mode(TSM)」 をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高いスループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確実な保証やソフトウェア資産の再利用性といったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。オプションの 「eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioning」 は、マルチコアシステムの信頼性確保のためのシステム保護機能です。信頼性のレベルが異なる複数のシステムをひとつのマルチコアプロセッサに統合する際などに、それぞれをパーティションとして分離することで、予期せぬ挙動などによる相互のメモリ破壊やカーネルのメモリ破壊を防止し、マルチコアシステムの信頼性を確保できます。

「eT-Kernel Multi-Core Edition」 詳細 :
http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel_multicore-edition.html

■ eBinder について
eBinder は、T-Kernel、µITRON をコアとするシステム向けの開発スイートです。従来の T-Kernel/µITRON ソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinder は、C/C++ コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」 詳細 : http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder.html

■ イーソル株式会社について
イーソル株式会社は 「Inside Solution」 をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

eSOLホームページ : http://www.esol.co.jp/


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