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2015年 欧州市場新車販売速報【JATO Dynamics】

2016年2月8日

2015年 欧州市場新車販売速報
「2015年欧州新車市場は前年比+9.3%の1,400万台超えを記録」

■ 2015年の欧州新車市場も、2014年に続き2年連続で前年比プラス成長となる。
■ スペイン、イタリアの他、小規模マーケットの拡大が欧州市場全体の成長を牽引。
■ 年間では、第4四半期が前年同期比+10.2%と最も高い伸びを記録。
■ 12月が前年実績+15.6%と、昨年一年間で最もセールスが拡大した月となった。

1.国別販売台数

2015年欧州新車市場は、2009年以降で最も高い、前年実績+9.3%という成長率を記録、合計でおよそ1,420万台が新車登録されました。マーケットは、一年の残り2ヶ月の間にもたらされた前年同月比2ケタ増、特に12月の、過去3年間の中では最も多い、月間販売台数116万台という高成長に強く後押しされたかたちとなりました。結果として、第4四半期が2015年一年間で最も高い成長率となる、前年同期比+10.2%を記録、同期の合計販売代位数は342万台に達しました。季節調整済み年率換算では、1,652万台でした。
欧州29ヶ国の内、27ヶ国で前年比(2014年)プラスとなりました。一方でマイナスを記録した国は、エストニア、ルクセンブルクの2ヶ国のみでした。最も好調だったのはイタリアとスペインで、両国合わせて、2014年実績に約40万台をプラスする結果となりました。スペインでは2008年以降で、またイタリアも、2011年以来で最高となる販売台数を記録しました。ただどちらも、スペインの場合は2005年の164万台、またイタリアの場合も2007年の251万台という、過去最高の記録からはほど遠い結果に終わっています。ドイツが前年実績+5.6%の320万台を記録して2015年も欧州最大市場となり、またこの記録は同マーケットにおける2009年以来最高の数字となりました。英国が前年実績+6.3%の263万台と、過去最高記録を更新して2位につけました。続いてフランスが同+6.8%の192万台と、これも2011年以来の最高を記録し、3位にランクインしました。
その欧州5大市場以外で2015年に好調だったマーケットはアイルランドでした。12月こそマイナスを記録したものの、1年を通して見れば対2014年比+29.7%と力強い成長を示しました。またポルトガル、チェコ共和国も前年実績を20%以上、上回りました。その他、10ヶ国が2ケタ増を記録し、中でもオランダ、ポーランドは、12月の販売台数が飛躍的な伸びを示したことにも引き上げられ、対2014年比で其々+14.8%、+16.1%と、すばらしい結果となりました。JATO Dynamics社のマーケティングアナリストであるFelipe Munozは次のように述べています。「成長率について見れば、2015年は自動車インダストリーにとって、非常にポジティブな一年となりました。欧州経済危機の間、最も深刻な不景気を経験した国々が昨年、最高の伸びを記録しています。特に危機的な状況にあったギリシャでさえ、2015年の成長率は英国、ドイツの伸びを上回ったほどです」。

2.ブランド別

ブランド別では、Volkswagenが172万台のセールスを記録し、域内で12.11%のマーケットシェアを占め、欧州最量販ブランドとなりましたが、台数では前年比(2014年)+7%拡大したに過ぎませんでした。しかしながら、同社が最近、直面している様々な困難にもかかわらず、僅か0.28%、マーケットシェアを落としただけに留めました。続いてFordが100万台越えを記録し2位にランクインしたものの、Volkswagen同様、マーケットシェアを落としています。3位には、Opel/Vauxhallを抑え、2014年比2ケタ増の伸びを記録したRenaultがランクイン。4位にはOpel/Vauxhall、5位にはPeugeotが入りました。その他トップ10ブランドでは、ドイツプレミアムブランドの御三家がランクインし、6位にはAudi,7位にはBMW、そして8位にはMercedesが其々ランクインしました。Audiが3ブランド中、販売台数ではリードしましたが、成長率では最も低い伸びに終わりました。続いて9位はFiat、10位にはSKODA其々ランクインしました。トップ10圏外では、Nissanが力強いパフォーマンスを記録し、欧州市場における日本メーカーのうち、最も高いシェアを誇るトヨタとの差を縮めてきました。ただ、12月に限っては、トヨタの登録台数はNissanの台数を上回っています。Volvoは、域内のマーケットシェアを2%にまで上げることに成功し、MazdaとMINIの両ブランドは対2014年比で+20%以上の高成長を記録しました。
2015年、最も好調だったブランドのひとつがJEEPです。サブコンパクトSUV Renagadeの急成長が、同ブランドのマーケットシェアを、2014年の0.31%から2015年は0.62%まで押し上げました。ブランド全体では、およそ88,000台のセールスを記録し、欧州で25位にランクインしました。また新型FortwoとForfourモデルの好調が貢献し、SMARTが前年実績+72%と力強い販売を記録、マーケットシェアも0.25ポイント伸ばしています。Felipe Munozは次のように述べています。「2015年、一部の例外を除いてほぼ全てのブランドが、前年実績を超えるセールスを記録しました。しかしながら、全てのブランドが欧州市場における需要拡大の恩恵を受けたわけではありません。新モデルや、特にSUVを投入してラインナップを拡大することができたブランドだけが、昨年、欧州市場の勝者となり得たと言えるでしょう。」

3.モデル別

モデル別では再び、Volkswagen Golfが前年実績+3%の53万台超えを記録して欧州最量販モデルの地位を維持。続いてGolfに20万台以上の差をつけられたものの、Ford Fiestaが2位にランクインしました。トップ10モデル中3番目に低い、比較的緩やかな成長率に留まったにもかかわらず、Volkswagen Golfはオーストリア、クロアチア、ドイツ、ルクセンブルク、ノルウェー、スイスの各国でマーケットリーダーの座をキープしました。続いてRenault Clioが3位、Volkswagen Poloが4位に其々ランクインしました。Nissan Qashqaiがまたしても欧州SUV/Crossoverセグメントでトップセラーカーとなりました。また同モデルは、トップ10中で2ケタ増の伸びを記録したわずか2モデルのうちの一つです。もう一方はVolkswagen Passatで、前年比+48.9%の高成長を記録し、成長率で見ればビッグウィナーとなりました。
トップ10圏外で2ケタ増を記録したモデルは、Peugeot 308、Renault Captur、Mercedes C-Class、Fiat Panda、Opel/Vauxhall MokkaそしてSkoda Fabiaでした。一方トップ20までレンジを広げると、Volkswagenが6モデル、Renault-Nissan、GMが其々3モデルずつ、Ford、FCAそしてPSAが2モデルずつ其々ランクイン、Daimler、Toyotaが1モデルランクインさせています。 Felip Munozは以下のコメントを残しています。「昨年は明らかに、フルモデルチェンジを果たしたモデルやSUVが、消費者の人気を獲得した一年となりました。欧州市場においては今後も、セダンやステーションワゴンといった伝統的なセグメントから、SUV/Crossoverセグメントへのシフトが進むことになりそうです。」



JATO Dynamics社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備・価格・登録販売台数・ニュース及びインセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界45カ国以上にリサーチ拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。


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