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ZF、モータースポーツ向け新型トランスミッションを発表【ゼット・エフ・ジャパン】

2015年11月24日


■ 高性能な8P45Rモータースポーツ向けトランスミッション
■ より効率的で軽量な新設計

ドイツ、シュヴァインフルト発 – ZFの「8HP」オートマチック・トランスミッション(AT)は、2014年シーズン以降、「BMW M235i Racingカップ」(ワンメイクレース)でその品質を実証してきました。このたびZFは、次なる進化として8P45Rモータースポーツ向けトランスミッションを発表しました。性能向上が図られたより軽量なこのATはニュルブルクリンクで10月末に開催されたVLNレースでデビューを果たしました。

ATは、モータースポーツにはあまり適さないシステムと考えられてきましたが、ZFは2014年シーズンに、この新ソリューションのために道を切り開きました。「8HP」ATによって、「BMW M235i Racingカップ」に参戦するドライバーは周囲の状況とトラックにほぼすべての集中力を注げるようになりました。シフト・ミスによるメカニカル・ダメージや、ドライブ・シャフトに対する致命的な損傷およびアンバランスな挙動を誘発する様なシフト・ショックを回避することができます。

以前のレース向けATは、標準的な量産車向けの設計をベースにソフトウェアで修正が加えられていましたが、ZFは純粋なモータースポーツ向け遊星(プラネタリ)トランスミッションの可能性を見出しています。新設計のATは、レシオ、シフト・ポイント、シフト・スピードに関して、モータースポーツでの厳しい要求に妥協なく対応できる様性能向上が図られています。また、コンバーターの廃止をはじめとするさまざまな軽量化手法により、重量は約15%軽減されました。内部の電力損失も低減されています。

基本的な設計と構造(4つの遊星ギア・セットと5つのシフト・エレメントで構成)は、以前の「8HP」トランスミッションからそのまま引き継がれています。新しい特徴の1つは、トランスミッション内のコンバーターの廃止です。発車プロセスは内部のシフト・エレメントによって実行されます。トランスミッション・インプットの上流側に位置する振動ダンパーが、エンジンの振動によるダメージを防ぎます。

また、ギア・レシオの間隔が狭くなっており、ギア間の回転数の減少が抑えられています。以前の「8HP」トランスミッションでは、レースの際には通常、1~6速のギアのみが使用されていました。新しいトランスミッションでは、8速までのギアすべてが動作レンジ内に適切に配置されています。

2015年シーズンを通し、新しいギアボックスにはダイナモ・テストなどのテスト・プログラムが実施されました。10月末には、BMW M235i Racingに搭載して、ニュルブルクリンク北コースにおける耐久テストも実施しました。BMWモータースポーツ・ジュニア・プログラムのチーフ・インストラクターであるダーク・アドルフ氏は、新型ATに関して以下の様に語っています;

「新しいギアボックスを最初に試した時から、ZFのパフォーマンスには本当に魅了されました。自動車技術者である私自身も、トルク・コンバーターなしでオートマチック・トランスミッションを構築できるとは思っていませんでした。ZFのトランスミッションによって高速でのギア・チェンジと、容易で快適な始動が可能になりました。クラッチ・エレメントも、きめ細かく調整されています。このシステムは、レース用ギアボックスやトランスミッション開発のベンチマークになると確信しています」

ZFは、2016年第2四半期に8P45Rトランスミッションの市場投入を予定しています。当初はBMW M235i Racingにのみ提供されますが、将来的には、他メーカーのスポーツカーにも搭載を拡大していく計画です。








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