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都市での存在感:ZFのアドバンストアーバンビークル【ゼット・エフ・ジャパン】

2015年10月30日


■ 斬新なフロントアクスル構造と車輪近くに組み込まれた電動モーターで、都市部で高い利便性を発揮
■ 半自動化支援機能で、利便性・快適性、安全性、効率性が向上
■ ハンズオン検出(HOD)と有機ELディスプレイを備えた多機能ステアリングホイール
■ 完全自社製コンセプトカー

操縦性に優れ、局所的にゼロエミッションでの走行が可能、そしてドライバーと環境をネットワークで接続:ZFのアドバンストアーバンビークルは、個々のシャシおよびドライブラインと運転支援システムをインテリジェントにネットワーク化し、都市部でサブコンパクトカーおよびコンパクトカーを使用した最適なソリューションを提案しています。本コンセプトカーの中心となる純電気駆動のリアアクスル・エレクトリック・ツイストビーム(eTB)は車輪近くに組み込まれており、車両の基本レイアウトの自由度を高めています。斬新なフロントアクスルも、操舵角が75°もあり、機敏性と操縦性を大きく強化しています。2基の半自動化された運転支援機能により安全性、効率性だけでなく、利便性・快適性も向上しました。スマートフォンやスマートウォッチといったモバイル機器のボタンを押すだけで、遠隔操作のスマート・パーキング・アシスタンスが狭いスペースへの駐車を可能にします。クラウドベースのPreVision クラウド・アシスト機能により、快適で効率の良い運転が可能になりました。カーブに進入する適切なタイミングでシステムが駆動トルクを落とし減速させるので、機械的なブレーキ操作の必要がありません。アドバンストアーバンビークルはステアリングホイール経由で運転者の存在を直接検出 : ハンズオン検出機能をステアリングホイール全面に施すことで、運転者支援と自動運転に必要な基本情報が確保されます。また有機ELディスプレイが運転者の直接視野内にあることにより、詳細な走行情報が提供されます。

ZFフリードリヒスハーフェンCEO、シュテファン・ゾンマー博士は次のように説明しています。「ZFのアドバンストアーバンビークルは、都市部における車での移動に対する、具体的な解決策を提案しています。車両にすでに備わっているテクノロジーとシステムのネットワーク化や、そうした機能とドライバー、またはドライバーの行動や環境の関連付けなどを、どこからでもデータが取得できるクラウドにアクセスすることで実現しています。また、この研究は将来の都市部における移動の概念を具体的に導き出すことのできるスタート地点であるとも言えます。また、TRWオートモーティブ社の買収によって開けた新たな分野への扉だとも言えるでしょう。」

一からの構築
ZFがアドバンストアーバンビークルとして提案する電気自動車は、標準的サブコンパクトカーをベースにして、すべて自社製造したものです。電源は、3基のモジュールに格納されたメインバッテリー(蓄電容量16kWh、定格電圧355ボルト)から取っており、それらはフロントアクスルおよびリアアクスルに取り付けられています。半独立式リア・サスペンションのエレクトリック・ツイストビーム(eTB)は、出力40kWのコンパクトな駆動部が左右の車輪にそれぞれ取り付けられ、推進力を提供しています。この車両は基本的に都市部の交通に特化されたもので、最大トルクは1400Nm、最大回転数は21,000rpmで、最高速度は150km/hとなっています。

街なかでの操縦性
ZFフリードリヒスハーフェン グループ研究開発部門の責任者、ヘラルド・ナウンハイマー博士は次のように説明しています。「フロントアクスルには新しい構造を採用し、操舵角を75°まで増加させました。斬新なシャシ構造で、駐車や方向転換時の操舵労力が格段に軽減され、結果として特にサブコンパクトカーとしての操舵性が向上しています。車輪角度を修正したため、アドバンストアーバンビークルの回転直径は6,5m未満となり、Uターン、つまり180°の回転が通常の2車線道路で楽にできるようになりました。フロントアクスルの転舵運動は、後輪に独立した駆動力を供給するリアアクスル駆動部のトルクベクタリング・システムに支持されているため、このように大きな車輪角度で回転することが可能になっています。その結果、狭いスペースにも一度の動きで楽に駐車させることができるようになっています。

認識してボタンを押すだけで駐車完了:ZFスマート・パーキング・アシスト
新しいフロントアクスル構造は、アドバンストアーバンビークルに搭載された運転支援機能のスマート・パーキング・アシストと組み合わされたときに本領を発揮します。このシステムは、適切な駐車スペースの認識を支援するだけでなく、並列、縦列のいずれのスペースにも完全に自動で駐車することが可能です。駐車支援は前方、後方、側面に搭載された12基の超音波センサーと2基の赤外線センサーで情報を取得し、適切な駐車スペースを見つける支援を行います。制御電子回路が情報を処理し、電気駆動や電気式パワーステアリングに必要な操舵角といった、駐車機能に関連するすべての系統を制御します。ドライバーは情報処理中に運転席にある画面から指示を与えたり、車外に出た後であれば、スマートウォッチなどのモバイル装置を利用して駐車機能を起動することができるようになっています。アドバンストアーバンビークルは歩行速度で走行して自動で周辺にある適当なスペースを探し、自動で駐車プロセスを起動します。

運転の快適性を向上させ、都市部でのストレスを軽減
スマート・パーキング・アシストは将来的にドライバーにより多くの利便性を提供する可能性を秘めています。目的地でドライバーが車を降り、車両を自動で駐車場に走らせることができると貴重な時間を無駄にすることがありません。ZFフリードリヒスハーフェン グループ研究開発部門の責任者、ヘラルド・ナウンハイマー博士は次のように説明しています。「今回の構造を採用するにあたっては、ドライバーの利便性だけを念頭に置いていたのではありません。将来、乗用車がドライバー無しでも駐車できるようになれば、駐車スペースをもっと効率的に使えるようになります。例えば駐車場はドアを開閉するスペースを計算に入れなくても良くなり、駐車スペースが縮小できるでしょう。すると、空いたスペースが住居や仕事場として生産的に使えるようになり、都市部のストレスも軽減されることになります。」

クラウドを利用したドライバー・エクスペリエンス
クラウドベースの運転支援機能であるPreVisionクラウド・アシストで、アドバンストアーバンビークルに最大の可能性と運転安全性が備わりました。GPSだけに頼るシステムとは異なり、ZFのシステムは形状データと許容最大速度情報を織り込むだけでなく、すべての走行について、車両位置、その時点の走行速度、経緯度に関するデータをクラウドに保存します。ドライバーが同じルートを再度走行すると、システムは経験的データと実際の車両データに基づき、カーブ進入に最適な速度を計算します。続いて支援機能がカーブ進入前に、機械的にブレーキ操作を行わずに曲がれるところまでトルクを落とします。これらの一連の動作は、バッテリーの節約やブレーキシステムの保護になるだけでなく、特に見通しの悪いカーブでの安全性を大きく向上させます。

ステアリングホイール経由の情報通信
運転者は常時PreVisionクラウド・アシストの状態を把握: ZFがアドバンストアーバンビークルに搭載する多機能ステアリングホイールは、リムに有機ELディスプレイが取り付けられ、そこに表示される情報が直接運転者の視野に入るのが特徴です。ディスプレイには、PreVisionが制御するカーブ進入時の減速トルクや通過後の加速トルクといった情報が表示されます。

また、アドバンストアーバンビークルはHODを経由して運転者の存在を常時検出しています。運転者がハンドルを握っているかどうか、ステアリングホイール全面に施された静電容量式のタッチセンサーが感知します。感知情報はステアリングホイール内に組み込まれた電子制御ユニットでデジタル信号化され、LIN(ローカル・インターコネクト・ネットワーク)経由でシステムに送信されます。この信号を元に、システムが状況に応じて運転者への警告発信や使用可能な支援システムの作動などを行います。

ZF TRWアクティブ/パッシブ セーフティ テクノロジー事業部 テクニカルディレクター アロイス・シーウォルド博士は次のように説明しています。「ハンズオン検出により、車が混雑する時間帯に面倒な発進・停止の繰り返しを強いられる市街地走行などにおいて、運転者の負担を減らす支援機能や自動運転機能に必要な情報が確保されます。そして前方車両との安全な車間距離の維持や、状況に応じた精度の高い制動開始動作などが可能となります。たとえ運転者がハンドルから手を放していたとしても、ZFのシステムが高度なアクティブ・セーフティを確保します。」







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