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走行時の車両の振動と姿勢変化をそれぞれ約10%低減するセミアクティブサスペンションの電子制御技術を開発【日立オートモティブシステムズ】

2015年4月23日

日立オートモティブシステムズ㈱(取締役社長兼COO:関 秀明/以下、日立オートモティブシステムズ)は、新たなセミアクティブサスペンション*の電子制御技術を開発し、走行時の車両振動と、カーブを曲がる際などの車両の姿勢変化を、それぞれ約10%抑制することに成功しました。これにより、従来難しかった、乗り心地と走行安定性の双方の向上を実現します。

近年、搭乗者の安全性や快適性の向上、また車両の走行安定性の改善を目的に、自動車の走行を電子的に制御する技術が数多く研究されています。走行制御システムの一つであるセミアクティブサスペンションにおいては、車両の振動を低減するためにスプリングの伸縮性を高めると、カーブを曲がる際などに車体を平行に保つ機能が低下するため、乗り心地と走行安定性を同時に向上させることが課題となっていました。

このたび、車両の振動と傾きを、より高精度に解析できるアルゴリズムを開発し、より柔軟なセミアクティブサスペンションのスプリング伸縮制御を可能にしました。具体的には、単位時間当たりの加速度の変化率など、車両の振動に影響を与える定量化された指標を、乗り心地向上のため、従来よりも多く組み込んだアルゴリズムを開発しました。同時に、走行安定性向上のため、走行安定性の高い車両の挙動を定式化し、これを再現するアルゴリズムを開発しました。これら2つのアルゴリズムをセミアクティブサスペンションの電子制御ユニットに組み込むことで、さらに滑らかな乗り心地と安定走行性の向上を同時に実現しました。

また、セミアクティブサスペンションの動きを制御するために、車両の状況を検知するセンサーは通常7個使用されていますが、日立オートモティブシステムズでは、車両の状態を高度に推定する技術を適用することで、従来と同等の性能を4個のセンサーで実現できるシステムを開発し、コスト低減も可能としました。

今後、日立オートモティブシステムズは、本技術の実用化を進め、滑らかな乗り心地と走行安定性を同時に向上させるセミアクティブサスペンションの電子制御技術をユーザーへ提供していきます。

なお、2015年4月23日に、現在米国デトロイトで開催中の「SAE 2015 World Congress」において、本技術を発表します。

*セミアクティブサスペンション : 振動抑制機器付きの緩衝装置。車両に取り付けたセンサーで車両の状況を検知し、小さな振動はスプリングの自然な伸縮で、大きな振動は油圧などにより駆動するアクチュエーターでスプリングの動きを補助することで路面からの衝撃を緩和。

 

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