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エネルギー効率の良いステアリングシステム“インテリジェント制御”を共同開発【シェフラージャパン】

2015年4月2日

KITとシェフラーの共同プロジェクト
エネルギー効率の良いステアリングシステム“インテリジェント制御”を共同開発

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の助成金を受けた「エネルギー効率を最適化した、電気自動車のためのインテリジェントアシストによるステアリングシステム(e²-Lenk)」プロジェクトでは、新しいステアリング支援のコンセプトに重点を置いて取り組んでいます。従来の自動車では、車を加速させるだけでなく、車輪からドライバーにかかる負担を軽減する操舵支援システムなどの、各種の車載アシストシステムにエネルギーを供給することも内燃エンジンが担っています。電気自動車の場合、このようなエネルギーはバッテリーから供給されるため、結果として走行距離の短縮を招きます。カールスルーエ工科大学(KIT)とシェフラーの協力によるこの研究プロジェクトでは、個々の車輪に伝達される駆動トルクのインテリジェント制御という、エネルギー効率の優れた方法によりステアリングシステムを支援します。連邦教育研究省から、3年にわたり合計約60万ユーロの助成金を受ける同プロジェクトは、2015年1月にスタートしました。シェフラーのプロジェクトマネージャーであるマルセル・マイヤー博士と、KITのミヒャエル・フライ博士は「この新しいステアリングシステムでは、電気自動車を構成するシステムコンポーネントが少なくすることができます。これにより、電気自動車の軽量化し、エネルギーを節約します。つまり、より低価格な電気自動車で、より長い距離の走行が可能になります。」と説明しています。設計と重量を最適化することは、材料と製造工程の節減にもつながります。

e²-Lenkプロジェクトの基本アイディアはシンプルです。内燃エンジンで走る自動車では全ての車輪に同じ力がかかりますが、電気自動車ではそれとは異なり、車輪は電動モーターによって個別に駆動されます。左側の車輪から、右側の車輪よりも強い駆動トルクが路面に伝わると、前輪の向きを変えたりステアリングで余計なエネルギーを消費することなく、車が右方向に加速します。装軌車両やクアッドコプターの操舵も、これと同じ原理です。KITで共同研究プロジェクトSHARE(Eモビリティにおける自動車研究のためのシェフラーハブ)の一翼を担っている自動運転研究グループのリーダーを務めるシェフラーのエンジニア、マイヤー博士は「インテリジェント制御システムと適切なホイールサスペンションにより、電気自動車のステアリングの支援が可能になります。」

KITの車両システム技術研究所(FAST)に所属するフライ博士は「このアシストステアリングシステムは、私たちが追求するドライブトレインのアプローチのひとつです。」。前輪のステアリングは、余分なエネルギーを消費することなく実行されます。「私たちは運転の質を大いに高めたいとも願っています。顧客の利益、快適性、安全、信頼のすべてを重視しています」と述べています。

プロジェクトの一環として、実験によるコンセプトの検証と最適化を可能にする、機能実証機を製作しました。また、大学チームKA-RaceIngが、学生達の参加により昨年製造したFormula StudentレーシングカーKITに、同システムを導入するというプランもあります。

e²-Lenkは、Schaeffler Technologies AG & Co. KGとKITの共同研究プロジェクトSHAREの一環として公的補助を受ける、初の共同プロジェクトです。この共同プロジェクトの統括は、SHAREのKITオフィスと車両システム技術研究所(FAST)が運営する、KITの東キャンパスに置かれた共同プロジェクト管理事務局によって統括されます。

Eモビリティにおける最先端の研究クラスタ
シェフラーとKITは、カールスルーエ‐マンハイム‐シュトゥットガルト‐ウルム地域で科学・経済分野に携わる80の関係機関から構成される「南西ドイツにおけるEモビリティの中核的研究クラスタ(ESW)」に参加しています。ESWクラスタが採用しているクラスタ戦略は、新たなアプローチと連携形態を通じて、Eモビリティ分野における緊密な地域協力を実現することによって、知識の深化と集約を行い、究極的には国際競争で優位に立つことを目指すというものです。

カールスルーエ工科大学(KIT=Karlsruhe Institute of Technology) は、バーデン・ヴュルテンベルク州立大学とヘルムホルツ協会国立研究センターの研究を受託している特殊法人です。KITの使命は、研究・高等教育・技術革新という3つの主要テーマを融合させることにあります。9,400名の従業員と24,500名の学生が所属するKITは、ヨーロッパにおいて自然科学・工学の分野で研究・高等教育を実践している大規模研究機関の1つに数えられます。

2010年以降、KITは「ファミリーフレンドリー」な大学として認定を受けています。


電気自動車のための新しい駆動・ステアリングのコンセプトを、KITの模型実証機でテスト
(画像提供 : KIT/M.ブライク)

インテリジェント制御システムと適切なホイールサスペンションにより、電気自動車の操舵支援が可能に
(画像提供 : KIT/M. フレイ)








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