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電気自動車に関する初の国際意識調査報告【テュフ ラインランド】

2011年9月11日

テュフ ラインランドはこのほど、電気自動車に関する初の国際意識調査を独自に行いました。調査結果から、電気自動車がますます世界的に受け入れられつつある現状がうかがえます。具体的には、インド人の92%、中国人の88%、イタリア人の85%が、今後5年以内に電気自動車を購入したいと回答しています。これに対し、購入意向の各国比較ではドイツ人(57%)は米国人とともに、全体の中位以下にとどまっています。この具体的な結果については、9月15日から始まった2011年第64回国際モーターショーにて発表を行います。

テュフ ラインランド運輸・交通部門担当上級副社長のトマス・アウベルは、次のように述べています。「ドライバーを対象にした電気自動車に関する国際的な調査が実施されたのは今回が初。調査からは意外な結果が得られました。インドと中国のドライバーのほぼ全員が、今後5年以内に電気自動車を購入したいとの意向を示しており、これは市況に大きな影響を与える要因となります」

今回の意識調査では、重要市場として世界12ヶ国(中国、デンマーク、ドイツ、フランス、インド、イスラエル、イタリア、日本、ポルトガル、スペイン、英国、米国)のドライバーを対象に調査を実施しました。

世界各国間の文化的相違が見られる興味深い結果が出ています。トマス・アウベルによると「ドイツ、フランス、米国のドライバーは、どちらかと言えば電気自動車をセカンドカーとして購入したいと考えている傾向が見られますが、残り9ヶ国についてはメインカーとしての購入意欲が高いことが示されています」

電気自動車ブランド認知度のトップはトヨタ

「電気自動車と聞いて思い浮かぶ自動車メーカーは何ですか?」との質問では、トヨタがトップで、他を大きく引き離しています。12ヶ国の回答者全体の34%が電気自動車を購入するならトヨタを選択すると回答しています。次いで、ホンダ (17.2%)、フォルクスワーゲン(15.9%)、日産(14.6%)、フォード(11.7%)、ルノー(11.5%)、プジョー(10.7%)、アウディ(9.4%)、BMW (9.1%)、オペル(7.4%)の名が挙がっています。

しかし、各国別に見ると、異なる調査結果が出ています。ドイツ人ではフォルクスワーゲンを挙げた回答者が36%と最も多く、トヨタは2位(26%)そして、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、オペルと続いています。一方、フランス人の場合はルノー(33%)がトップで、トヨタ、プジョー、シトロエン、日産、フォルクスワーゲンと続きます。

電気自動車技術に関し、最も開発が進んでいる国についての全回答者の意見として、日本(53%)とドイツ(42%)が挙げられました。

また、世界的に大多数の人が政府による電気自動車の導入支援策を歓迎していることも調査結果から読み取れます。支援策として最も利用されているのは、購入金額の一部を補助する方法です。自動車メーカーに対する開発助成金制度や税額控除といった支援策もありますが、あまり一般的ではありません。再生可能エネルギーからの電力利用を訴える声も全世界的に強く、この点について肯定的立場を示したのはイタリア(95%)、その後、インド、ポルトガル、中国、スペイン、イスラエル、フランス、ドイツ、英国、デンマーク、米国、日本となっています。

多くの国において、電気自動車を購入する主な理由はコスト削減です。購入理由として環境への配慮を第一に挙げたのはドイツ人のみでした。イタリア人、インド人、中国人は、環境とコストの両面を重視しています。電気自動車購入をためらう主たる理由として、ドイツ人、フランス人、中国人は、「走行可能距離の制限」を挙げています。他方、「高価であること」を理由として挙げたのは、日本、米国、デンマーク、ポルトガル、イスラエル、スペイン、イタリアの回答者でした。英国人とインド人は「充電スタンドの数が少ない」を挙げており、「安全性に関する懸念」を購入阻害要因と考えているのはインド人のみでした。

電気自動車に対する意見(賛成/どちらかというと賛成/どちらかというと反対/反対)

トマス・アウベルは調査結果を踏まえ、次のように述べています。「今回のテュフ ラインランドによる意識調査の結果、電気自動車に対する意見は、「全面的に賛成」、「どちらかというと賛成」、「どちらかというと反対」、「反対」の4つに大別できます」電気自動車を肯定的に捉えている声の多くは、インド人、中国人、イタリア人であり、その特徴として、運転習慣のスタイルが電気自動車に適していること、電気自動車に関する充分な知識、高い環境意識があること、低価格志向であることといった要素が認められます。

「どちらかというと賛成」と回答したのは、英国、ドイツ、スペイン、フランスのドライバーでした。電気自動車に関し平均的な情報量を得ている一方、僅かに環境意識の低さが見られました。「どちらかというと反対」との回答は、主にポルトガル、イスラエル、米国のドライバーに見られました。環境意識が殆ど無く、電気自動車については安全性について懸念を抱いており、僅かな情報しか得ていないことが分かります。高電圧を使うことに「反対」と回答した者の大半は、デンマーク人と日本人でした。両国のドライバーの運転スタイルは、電気自動車の持つ特徴と全く相反するものです。また、安全性に対する懸念がある一方、環境意識は高くないのがこの二カ国の特徴です。


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