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タコ足断面の軽量・多機能繊維高異型特殊断面繊維「オクタ™」の開発および販売について 【帝人】

2011年9月8日

帝人ファイバー株式会社(本社 : 大阪市中央区、社長:福島 敏秀)は、このたび、吸汗速乾、軽量、遮熱/断熱、嵩高など、様々な機能を持つ、高異型特殊断面ポリエステル繊維「オクタ」を開発しました。
「オクタ」は、当社独自の異型断面製糸技術を駆使し、中空糸に8本の突起を放射線状に配列した、従来にはない高異型特殊断面ポリエステル繊維です。
2012年4月より、インナー用途、ファッション衣料用途をはじめ、幅広い用途に原糸販売を開始します。
帝人ファイバーでは、「グローバル最適生産体制構築」の一環として、国内で開発したポリエステル長繊維の生産をタイに移管し、タイを基幹生産拠点とすべく進めていますが、このたび開発した「オクタ」についても、タイのグループ会社(TEIJIN (THAILAND)LIMITED)で生産を立ち上げ、帝人ファイバーの今後の主力素材の1つとして、グローバル展開を図っていきます。

1. 開発の背景

(1) 帝人ファイバーでは、従来より、光沢感を出すための三角断面糸「シルパール」や軽量保温効果のある中空断面糸「エアロカプセル」、吸汗速乾性を付与できる四つ山扁平断面糸「ウェーブロン」や不定形断面仮撚加工糸「カルキュロ」など、様々な断面形状を持った異型断面ポリエステル繊維を開発し、展開してきました。

(2) 糸の断面を異型化することで、ポリエステル繊維に様々な機能を付与したり、外観や風合いを変化させたりすることが可能ですが、異型度を高めたり、異型断面糸を細くすることにより、繊維の強度が低下し、製糸が難しくなるため、展開可能な断面形状や繊維の太さには限界がありました。

(3) こうした中、帝人ファイバーでは、これまで培ってきた異型断面製糸技術を駆使し、従来素材にはない、中空糸に8本の突起を放射線状に配列したユニークな断面形状の高異型特殊断面ポリエステル繊維を開発することに成功しました。

2.「オクタ」の特長

放射線状に配列した8本の突起が生み出す繊維間の空隙が、吸汗速乾性や嵩高性などの機能性を発揮するとともに、中空糸の軽量感や遮熱/断熱性をさらに向上させます。また、仮撚加工や混繊加工、精紡交撚*1による他素材との複合加工も可能です。

*1  精紡交撚 : 短繊維の複合加工法。

特長
機能性 吸汗速乾性
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中空のまわりにある8本の突起が繊維間の空隙を生み、水の通り道を形成。
軽量感 中空部と8本の突起が作る空隙によって、同じ太さの原糸に比べて2分の1程度の軽量感を実現。
遮熱/断熱性 中空部と8本の突起が作る空隙に含まれるデッドエアーが、遮熱/断熱効果を発揮。
感性
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ドライタッチ
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8本の突起による点接触がドライな風合いを実現。
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3. 販売計画

販売ブランド————————— 「オクタ」 「Octa」
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原糸販売開始時期————————— 2012年4月
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原糸販売価格
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1000~1500円/kg
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展開用途
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インナー用途、ファッション衣料用途をはじめ、幅広い用途に展開
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販売計画
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2012年度  100トン/年
2015年度  300トン/年

4. 特許出願

関連特許2件出願


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