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自動車向け機能安全とセキュリティ対応を簡単に実現するサポートプログラムの提供を開始【ルネサス エレクトロニクス】

2015年1月13日

~機能安全・セキュリティ対応のソリューションをワンパッケージで提供~

ルネサス エレクトロニクス㈱(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび新たな取り組みとして、自動車向け機能安全とセキュリティの対応支援を統合した、「自動車向け機能安全・セキュリティサポートプログラム」(Safety and Security Support Program for Automotive)(以下本プログラム)の提供を開始致します。本プログラムは、自動車向け半導体製品、ソフトウエア、分析ツール、作業成果物、教育やコンサルティング等を組み合わせて提供し、電子システムの開発における、機能安全とセキュリティへの対応を容易化し、ユーザの負担軽減に貢献します。

自動車は安心、安全、快適、エコを実現するために、ECU(注1)等の電子システムによる制御の高度化や高性能化が進んでいます。特に、衝突被害軽減ブレーキや自動追尾システム等の運転支援システムのように、電子システムが自動車制御の主要機能を担うようになってきており、電子システムによる制御の異常によって安全を侵害するリスクが増加しています。

さらに、近年研究開発が盛んに行われている自動運転の実現には、電子システムによる複雑な制御が必要になると同時に、より高度な安全性が求められます。このため、故障が発生しても安全に対処する機能安全技術や外部攻撃からシステム動作を守るセキュリティ技術の適用が必要不可欠となってきています。

2011年11月に自動車の電気・電子システムに求められる機能安全の国際規格ISO26262がリリースされました。電子システムの開発現場では、規格への対応として、安全コンセプトの構築、定性的及び定量的な安全分析、そして確証方策等、様々な作業が発生し業務負荷が増加しています(当社想定、40〜50%増(注2))。また、ISO26262 2nd Editionの検討も始まり、新たな要求事項が追加される事でさらに業務負荷が増加すると予想されます。

加えて自動運転への対応となると、他の車両や交通インフラ情報と協調した制御のために車外との通信が重要になり、セキュリティの考慮が求められます。学会や論文等においては、すでに問題点が指摘されており、セキュリティの必要性が示されています。

この流れを受け、自動車業界全体でセキュリティ対応すべく、国内外で規格化の検討が進められる一方で、機能安全と同様に規格対応が要求されることとなり、さらなる開発における業務負荷の増加が予想されます。

そこでルネサスは、コアコンピタンスである機能安全・セキュリティ技術を使って電子システム開発の機能安全・セキュリティ対応を簡単にするサポートプログラムの提供を開始することといたしました。これまでに無い新しいソリューションを提供することで、増加する業務負荷を軽減する等、自動車の安全・安心や自動運転の実現へ貢献してまいります。なお、本プログラムは、ルネサスの自動車向け半導体製品へ適応を予定しており、RH850ボディシステム向けソリューションを先頭に本年1月30日から順次提供を開始する予定です。

本プログラムの主な特長は以下のとおりです。

(1)安全分析・セキュリティ脅威分析の実績やノウハウが集約されたツールで簡単に実現
ルネサスは、ワールドワイドNo.1シェアの自動車向け事業で世界中のあらゆるアプリケーションから蓄積したユースケースと、これまでのデバイス開発のノウハウを併せてデータベース化しています。このデータベースを活用し、システム構成に合わせた安全分析や安全を考慮したセキュリティ脅威分析のツールを本プログラムでユーザに提供します。これにより、規格が求める最適なアーキテクチャやコモンセンスをユーザが簡単に開発へ反映することができ、かつ安全分析・セキュリティ脅威分析の作業軽減も可能です。

(2)ハードウエアと密接に関わるソフトウエアへの支援でシステム構築を簡単に実現
本プログラムでは、ユーザがハードウエア安全要求やセキュリティ要求を構築する際の、ハードウエアに密接に関わる部分のソフトウエアを提供致します。具体的には、CPU自己診断、各種診断、及びセキュリティ機能を実現するソフトウエアを提供し、これらは機能安全の場合はセーフティアプリケーションノートや安全分析と、車載セキュリティの場合では脅威分析と各々相関を取っており開発プロセスとの親和性を高くしています。ユーザではこれらの内容に従うだけで、システムの構築に必要な診断ソフトウエアの開発等を簡単に実現でき、アプリケーションソフトウエア開発等の他の業務に注力できます。

(3)規格対応を作業成果物セットで簡単に実現
ルネサスには、150名を超える機能安全管理者やレビュワの有資格者を有し、製品開発に携わっています。また、セキュリティに関してもICカード等多くの知見を持ったエキスパートを有し、自動車向けの標準化活動にも貢献しています。本プログラムでは、この様なルネサスのノウハウ・英知を結集した確証方策レポートや検証レポートといった作業成果物も一括して提供します。また、必要に応じその検証支援、教育(e-ラーニング)やコンサルティングも提供します。これらのソリューションを提供し、ユーザの安全なシステム開発に貢献します。

なおルネサスは、本年1月14日~16日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される展示会「[国際]カーエレクトロニクス技術展」で、本プログラムのデモンストレーションをご紹介する予定です。
http://www.car-ele.jp/



(注1)Electronic Control Unit
(注2)ISO26262規格対応する以前のシステム開発との比較


*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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