性能評価試験装置
MTS多軸ローリングロードシステム
概要
風洞を用いた自動車の空力試験により風洞の試験部に対する各種の開発が行われてきました。これらに共通しているのは車体の下の地面が必要なことです。理想的には、この地面は風と共に動き、車を取り囲む空気力学状態を正確に再現することにあります。
正確にこの状態を再現するには、大きな1枚物のベルトを使うのがベストであると考えられます。
マルチベルトまたは境界層吸い込みの単体あるいは組み合わせを取り込んだ装置は供試体に影響を及ぼし、数値的な把握が難しく計測に不正確さをもたらします。
動く地面を達成するには技術的課題が沢山あります。
動くベルト上に車を載せたままで車のフォールに加わる荷重の計測を行うので従来の計測方法が使えなくなります。
MTSはベルト越しに荷重を取得できる方法を開発しました。これにより車に作用するリフト荷重、ピッチ及びロール荷重を正確に評価できるようになりました。
特徴
これまではドラッグフォース、ヨーイング、横力の測定は車の拘束装置に計測器をつけ測定をしてきましたが、この方法で得られたものは空力と転がり抵抗の合算になります。転がり抵抗は制御が困難なファクターを沢山含んでおるので繰り返し性が悪いため、ドラッグフォースを直接計測でき、かつ動く地面をもつ装置が必要となります。
MTS多軸ローリングロードシステムは一枚物の大型ベルト上に車を載せたままで車に作用するドラッグ、ヨー、横力を直接計測が出来ることをねらいとして考えられました。繰り返し特性がよく正確な荷重測定が出来ますので乗用車の空力測定環境をさらに高められます。ドラッグフォース3,000KN、横力2,500KN、ヨーモーメント2,000KNまで計測できます。
●最新のローリングロードシステム
F1レースはますます競争が激しくなってきております。
更なる技術革新のご要求に基づき最新のローリングロードシステムはモデルの動的応答試験も出来るようにモデルモーション及びフォイールモーション装置が付加されるようになってきております。