性能評価試験装置
2軸サスペンション・テスト・システム
概要
サスペンション・テスト・システムは、車両サスペンションの耐久性および性能特性を評価する装置です。サスペンションを、実車を用いずに高精度で試験することが可能で、試験リスクの回避、開発コストの削減、ならびに開発期間の短縮が実現可能です。サスペンションの挙動再現には、油圧サ−ボ加振機が使用されます。上下入力はタイヤを介して行なわれ、最大速度6m/sec、使用周波数範囲50Hzまでの試験が可能です。水平方向の入力は、スライディング・ホイ−ルパンを介して行なわれます。車両と同等の重量が特殊機構を持った固定治具によってかけられ、実働負荷がサスペンションに働きます。
特徴
最適なサスペンション取付け治具が用意され、サスペンションを試験装置にセットします。通常、サスペンションへの入力荷重は、テストコ−スで得られた時歴デ−タに基づいて作成されます。しかし、サスペンションの構成部品が変更になったり、時歴デ−タにジャウンス・バンパ−に当たるような衝撃荷重が含まれていると、シミュレ−ション試験の再現精度が劣化します。サスペンション・テスト・システムでは、バネ上重量に相当するダミ−・ウェイトが上下に自由に動く構造を採用することで、このような問題を回避しています。
サスペンションの構成部品が変更された場合、バネ上の動きは実際の走行状態と同じように、部品変更の影響を受け変化します。サスペンションの挙動についても、同一の実働負荷を入力することで、実走行状態での変化をシミュレ−ションすることができます。バネ上のダミ−・ウェイトが上下に自由に動く構造になっているため、サスペンションの構成部品が変更されたとしても、現実的な精度の良いサスペンション・シミュレ−ション試験を可能にしています。
サスペンションに対する反動は、実走行同様に車両側から与えられ、入力負荷はタイヤを介し時歴再現入力としてホイ−ルパンから与えられます。時歴再現入力のコマンドは、個々のサスペンションと車両の条件により個別のものです。固定式のスピンドル入力によるサスペンション試験では、各々のサスペンションに対してテストコ−スでのデ−タ取り、シミュレ−ション試験のための実働加振波形の準備等を行なわなければなりません。一方、このサスペンション・テスト・システムではタイヤ加振のため、同一の実働加振波形を異なったサスペンションと車両に対して流用できるので、試験期間の短縮が可能です。
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