最適化シミュレーション
複合領域設計性能スタディ・最適化ソフトウェア HyperStudy
概要
HyperStudyは、任意の外部ソルバーのモデルに対して最適設計支援のための各種スタディを行うツールです。
HyperStudyは解析の種類を限定しないため、非線形構造解析、機構解析、熱流体解析など様々な現象における最適化、またそれらの組み合わせによる複合領域の最適化、実験計画法による設計パラメータの応答に与える影響の確認、およびロバスト性の評価等が可能です。
特徴
実験計画法
実験計画法(DOE)は、モデルにおける設計パラメータが応答特性に与える影響を効率良く定量的に評価するための機能です。実験計画法では、選択された実験計画タイプに応じ、多様な設計パラメータの組み合わせでシミュレーションを繰り返し実行し、設計パラメータの主効果や相互作用、モデルの応答を示す関数である応答曲面を得ることができます。
DOEポスト処理
- 主効果
- 決定係数、自由度調整済み決定係数
- 残差分析
- 相互作用
- 分散分析
- t値
- スネークビュー
- 散布図
- 一次相関
- 応答曲面
実験計画タイプ
- 完全実施要因計画
- 一部実施要因計画
- 中央複合計画
- Box-Behnken計画
- Plackett-Burman計画
- ラテン超方格計画
- Hammersley計画
- ユーザー定義の実験計画
近似処理
実験計画法などの結果を用いて近似処理をする機能です。実際に計算・実験していないパラメータでの応答値の予測をすばやく行うことができ、結果の傾向を応答曲面の3D表示などで視覚的に捉えることができます。また、最適化の遺伝的アルゴリズムや多目的最適化、確率統計解析は膨大な計算量を必要としますが、近似処理による応答曲面を用いることで多数の計算も非常に高速に処理することが可能です。以下の近似機能を有しています。- 最小二乗法
- 移動型最小二乗近似
- ハイパークリッギング
- 放射基底関数
最適化
最適化機能は、制約条件を満足する条件下で目的関数を最大または最小にする設計パラメータを求める機能です。目的関数として定義されている応答特性を任意のターゲット値に導く設計パラメータを求めるシステム同定問題にも利用可能です。この場合、目的関数は、着目している応答とターゲット値との偏差の二乗を最小化します。また、Minmax問題にも対応します。
最適化手法
- 応答曲面法(逐次改訂型)
- 可能方向法
- 逐次2次計画法
- 遺伝的アルゴリズム
- ユーザー定義の最適化エンジン
最適化の種類
- 形状最適化
- 寸法最適化
- 材料同定 他
ロバスト性最適化
通常、最適解は制約条件ライン上に存在するため、最適化により得られる解は僅かな変化(例えば、設計変更であったり、製造上の誤差など)で制約を満たさない結果(危険な設計)となります。制約値に対して信頼性を付加し、製造上のバラツキによる性能変化を考慮した最適値を求めることで、信頼性の高い結果が得られます。
離散変数
連続変数(パラメータに上下限値を設け、その間であればどのような値でも取れる変数)だけでなく、離散変数も設計パラメータとして利用できます。 離散変数とは、バイナリデータのように、限られたリスト(0か1など)の中から選ばれる変数であり、実際の設計においては、ボルトの本数、材料の規格などは離散変数として扱われるため、より現実的な設計案を得ることが可能になります。 多目的関数最適化 多くの設計問題での評価関数にはトレードオフの関係があります。単目的関数の最適化では1つを目的関数に、その他を制約条件にしなければなりませんでしたが、多目的最適化機能を用いることで、複数の目的関数を扱うことができます。これにより、トレードオフの関係をパレート解として可視化し、最適解を選択できます。以下の3つの多目的最適化アルゴリズムを有します。
- MOGA(多目的遺伝的アルゴリズム)
- GMMO(勾配型多目的関数最適化)
- HMMO(ハイブリッド型多目的最適化)