構造解析
複合材料の材料特性(ヤング率など)算出ツール Multiscale Designer
概要
Multiscale Designer は CFRP、繊維補強コンクリートなど、複数の材料を組み合わせた複合材料の材料特性(ヤング率、熱伝導率など)を算出するツールです。
Multiscale Designerは、材料設計のためのマルチスケールモデリング、最終破壊 / 確率的な材料物性値のばらつきの評価が可能です。OptiStruct、RADIOSS、LS-DYNA、Abaqusなどの汎用FEAソルバーのプラグインも搭載されています。
- 均質化法を用いたマルチスケールモデリングと材料物性値の同定、およびマクロスケールの材料特性からミクロスケールの材料物性値を同定することも可能
- UD材、クロス材、チョップ材、粒子複合材などの一般的な複合材において、寸法パラメータの入力のみでユニットセルモデルの作成が可能(特殊な構造を有する材料の場合はFEモデルをインポートすることで対応可)
- 非線形材料特性を考慮(ミクロスケールの解析から最終破壊の予測が可能)
- 試験結果から確率的な材料物性値の分布評価や疲労限度評価が可能
- 汎用FEAソフトウェア(OptiStruct、RADIOSS、LS-DYNA、Abaqus)とのユーザー定義の材料則を用いた効率的なプラグイン
特徴
マルチスケールモデリングのフレームワークは数多く存在しますが、Multiscale Designerは、実用性や計算精度において他のソフトウェアと比較して大変優れた特徴を有しています。
計算時間の大幅な短縮
Multiscale Designerは特異な計算モデル縮退テクノロジーを搭載しています。何十万もの有限要素からなる複雑なユニットセルモデルにおいて、計算精度に大きな影響の無い範囲で自動的に変形モードや状態変数を選択し、縮退することで、計算時間の大幅な短縮を実現しています。
効率的なパラメーターライブラリ
内蔵のCADおよびメッシングツールによって自動生成可能なユニットセルモデルのパラメータライブラリが搭載されています。本機能では一般的なユニットセルモデルを寸法パラメータのみの入力で作成可能で、最適化や物性値の確率的なばらつき計算を大変効率的に実行できます。
本ユニットセルモデルのパラメータライブラリには、長繊維、織物、短繊維、粒子、ランダム材のミクロ構造が含まれており、ユーザー定義のユニットセルモデル(CADやFEモデル)をインポートすることも可能です。
計算精度
Multiscale Designerは、競合のマルチスケール解析ソフトウェアと同様にスケーリング処理が内部計算で自動的に実行されるため、スケール変換処理が不要なうえ、結果はメッシュの品質に大きく左右されない特徴があります。材料物性値の同定においては、ミクロスケールの物性値からマクロレベルの物性値の同定だけでなく、クーポン試験結果からミクロ構造を構成する各材料の物性値への分離も可能です。
また、一般的な複合材において、損傷や最終破壊に大きく影響する界面を考慮したモデリングも、ライブラリを使用することで容易にモデリングかできる仕様となっています。