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【最前線コラム UP!】NVHシミュレータによる音響評価プロセスの実現【ブリュエル・ケアー・ジャパン】
よりよい生活環境の創造は、あらゆる製造業に課せられた課題のひとつである。ものが動くとき、そこには必ず音と振動が発生する。音環境を考えた場合、ひとつの実現例は静粛性の達成である。騒音環境下では、直接的には聴覚器の損傷、間接的には人の作業能力低下やストレスを引き起こす。それを取り除くことは常に求められており、実際、自動車の音は年々静かになっている。しかし、ただ静かな自動車ではブランドイメージを音で表現することは困難である。また、運転者にとって自分の操作の反応として返ってくる音の変化を感じられないことは、運転する喜びを低減してしまう。その一方で、エコが大きく掲げられ、燃費の向上が求められている。そのためには、自動車の軽量化がひとつの手段だが、これは静粛性とは相反する行為である。さらには、ハイブリッドカーや電気自動車など、これまでの内燃機関とはまったく異なる機構を持った自動車も開発され、すでに街を走り始めている。その場合の騒音は元来非常に小さく、静か過ぎる車に対する対策も検討されている。このように自動車の騒音振動を取り巻く環境は変化しているが、開発期間の短縮、コストの削減という命題は変わっていない。静粛性だけでなく、ブランドサウンドを短期間に検討、開発するために、新しいNVH評価の形が必要となっている。