最前線コラム
KOENIG Expander Plug【マツイ】
特 徴
● シール専用部品
● 大きい加工穴公差(0~+0.1mm または+0.12mm) ● 接着剤やシールテープ不要 ● アルミや鋳物などあらゆる母材への装着可能 ● 最大50MPa までの耐圧 |
ケーニック エキスパンダープラグは、機械加工によって生じる加工穴(捨て穴)を、シールテープや接着剤を必要としない、圧入時のスリーブ拡張によって、母材との塑性変形により、高いシール性を誇るシール専用部品です。
ポンプやバルブといった油圧部品、ブレーキ系統、エンジンブロック等の油路のシールや冷却回路の水路のシールで活躍しています。
たとえば・・・ |
・トランスミッション
・ドライブシャフト ・ステアリングシステム ・サスペンション ・ブレーキシステム など |
たとえば・・・ |
・エンジンブロック
・シリンダーヘッド ・クランクシャフト ・ロッカーアーム ・ブレーキ ・カムシャフト ・燃料噴射インジェクション ・燃料/オイルポンプ ・圧力センサー ・ターボチャージャー など |
「エキスパンダープラグ」は、同心円に溝を切ったスリーブとボールをアッセンブリーしたユニークな構造の「打ち込みタイプ」とリベットの要領でマンドレルを引き抜いて取り付ける「引き抜きタイプ」の2 種類があります。
ボールを冶具等で、既定のストローク量をスリーブ内に圧入することで、スリーブが拡張され母材と面接触し、シールする構造です。
フラット面への装着、シール穴周辺の肉厚に余裕がある場合に向いています(イメージ1 参照)。
リベット装着の要領で専用ツールにプラグを取り付け、マンドレルを引き抜くことでスリーブが拡張され母材と面接触し、シールされる構造です。破断したマンドレルはツール内ボックスに回収されます。
シール部周辺の肉厚が確保しにくい環境や、丸みのあるR面への装着の場合に向いています(イメージ2 参照)。
また、ロングタイプを使用することで、端面より奥(30mm まで)の位置でのシールも可能です。これはエキ
スパンダープラグ独自の技術です(イメージ3 参照)。
イメージ1:
打ち込みタイプ |
イメージ2:引き抜きタイプ |
イメージ3 |
オートマチックトランスミッション(A/T)の多段化に伴い、クラッチ作動ポート間のスペースがどんどん少なくなってきています。
各社が、燃費向上とより良いパフォーマンスを追及していく中で、ポート間を接続するチャネル内のデッドスペースに焦点を当てました(図1)。
このデッドスペースは空気が集まるエリアとなり、パフォーマンスの問題の主要な原因であると判断されま
した。
図2
図1
「エキスパンダープラグ」の製造元であるスイスのSFCKOENIG 社は、クロス穴が空けられたチャネル設計を見直して、これまでのシャフト表面をシールする方法から、このデッドスペースを無くすシール方法を実現しました(図2)。
クランクシャフトのオイル通路の多くは、金属のボールでシールをしています。しかしR 面である上に、非常に肉厚が薄い箇所へのボール圧入というリスクもあります。
引き抜きプラグでは、R 面への取り付けや肉薄箇所への装着をスムーズに行うことができます(イメージ4 参照)。
イメージ4:クランクシャフトへの装着(赤丸部)
「エキスパンダープラグ」は、母材の材質またシール部の圧力に応じたラインアップを用意しております。
打ち込みタイプ
● MB600 シリーズ【ボール・スリーブ共:ステンレス製】
サイズ:Φ 3 ~ 14mm 最大耐圧:45MPa
● MB700 シリーズ【ボール:鉄製/スリーブ:ステンレス製】
サイズ:Φ 3 ~ 22mm 最大耐圧:45MPa
● MB850 シリーズ【ボール・スリーブ共: 鉄製】
サイズ:Φ 3 ~ 22mm 最大耐圧:35MPa
引き抜きタイプ
● SK550 シリーズ:【鉄製】
サイズ:Φ 4 ~ 12mm 最大耐圧:50MPa
● LK600 シリーズ:【ステンレス製】
サイズ:Φ 4 ~ 10mm 最大耐圧:6MPa
● LK950 シリーズ:【鉄製】
サイズ:Φ 4 ~ 18mm 最大耐圧:6MPa
自動車技術2018年9月号 広告企画
次世代パワートレイン開発を支える最新技術より転載
お問い合わせ
株式会社マツイ
〒106-8641 東京都港区麻布台2 丁目4-7
TEL:03-3586-4141
URL:www.matsui-corp.co.jp
info@matsui-corp.co.jp