次世代車載光ネットワーク(SiPhON)と自動運転に向けたセンシング技術

次世代の自動運転を支える光通信とセンシング技術に焦点を当てたセミナーです。次世代車載光ネットワーク 「SiPhON」の構成技術、高速・低損失を実現する厚膜シリコンフォトニクス、そしてカメラ・LiDAR・ミリ波レーダーを活用した走行環境認識の最先端動向などを紹介。大容量・低遅延・高信頼を兼ね備えた次世代車載システムと、自動運転技術の進化を技術的に深掘りする内容です。光技術の車載応用に関心のある方、自動運転に携わる開発者必見のセミナーです。
この機会にぜひ,ご参加ください。
こんな方におすすめ
- 光技術の車載応用に関心のある方
- 自動運転に携わる開発者の方
セミナー講師
-
- 津田 裕之 氏 氏
- 慶応義塾大学
- 13:30~14:25
完全自動運転を支える高速車載光ネットワーク: SiPhON (Silicon Photonics-based in-vehicle Optical Network)
高度自動運転の実現には、搭載するカメラやセンサ等の電子機器の増大に対応した大容量かつ低遅延な車載ネットワークが不可欠です。さらには、耐環境性や電磁両立性性能、信頼性などの車特有の極めて厳しい要求条件をクリアする必要があります。
本講演では、車載光ネットワークの標準化動向を述べ、我々のグループで開発した100Gb/sの伝送容量を持つ通信方式(SiPhON)について説明します。SiPhONでは、信頼性の高いシステムを実現するため、中核機能を担うマスター装置にのみ半導体レーザを配置し、車を区画毎に統括するゾーンECUのゲートウェイ装置には、シリコンフォトニクス集積技術による変調器/受信器を配置し、その間を石英シングルモード光ファイバーで接続します。
-
- 種村 拓夫 氏 氏
- 東京大学
- 14:25~15:20
低損失光トランシーバに向けた厚膜シリコンフォトニクス技術
既存の半導体製造技術を用いてシリコンウエハ上に複雑な光回路を作製するシリコンフォトニクスは、比較的安価に高速な光トランシーバを実現する技術として市場を拡大してきました。一方、従来のシリコンフォトニクスは、微細な導波路内に光を強く閉じ込める結果、回路内の伝搬損失や入出力光ファイバとの結合損失が大きくなるという課題が残されています。これに対して、厚さ1 µm程度のシリコン層からなる厚膜シリコンフォトニクス技術を用いると、超低損失の光回路が実現可能であり、車載光ネットワーク等への応用が期待されます。
本講演では、厚膜シリコンフォトニクス技術の現状を述べ、特に高速光変調器と偏波制御素子の実現に向けて著者らの取り組みを紹介します。
-
- 上塚 尚登 氏 氏
- (株)SteraVision
- 15:30~16:25
シリコンフォトニクスとFMCW LiDAR
近年、自動運転やロボットの視覚システム用としてLiDARが注目されている。LiDARには光の粒子の性質を利用するToF方式と光の波の性質を利用するFMCW方式があり、FMCW方式はToF方式と異なり、大パワーのパルスを必要とせず、ドプラーシフトにより速度を直接計測できるため、魅力的な方式である。また、信号光とローカル光をミキシングするため、多くの光カプラや狭線幅レーザー、フォトディテクターが必要になるため、シリコンフォトニクスと非常に相性がよく、今後の進展が期待できる。
本講演では、シリコンフォトニクスを用いたFMCW LiDARについて述べる。
-
- 秋田 時彦 氏 氏
- 電動モビリティシステム専門職大学
- 16:25~17:20
カメラ・LiDAR・ミリ波レーダーによる走行環境認識技術
近年、自動運転とAIが大きなブームとなっており、その中でも複雑な実世界の走行環境を理解する技術が重要である。ここでは、自動運転に必須のカメラ・LiDAR・ミリ波レーダーによるAIを用いた走行環境認識技術の先端技術に関して、講演者の研究開発経験と論文調査に基づき、概説を行う。
先ず各センサの得失比較を紹介し、車載カメラによる3次元環境認識技術について説明する。Teslaの自動運転に用いられている全周囲カメラによる走行環境認識技術を解説する。LiDARを用いた自己位置推定技術とAIによる物体認識技術を概説する。ミリ波レーダーを用いた物体認識と駐車環境復元技術に関して、講演者のディープラーニング応用の研究成果を解説する。
開催概要
- 主催
- 株式会社オプトロニクス社
- 開催日時
- 2025年6月27日 13:30 - 17:20
- 開催場所
- オンライン開催
- 受講料
- 33,000円(消費税込)
ご注意事項
- 本セミナーでは録音・録画、PC画面の撮影、また配布しますセミナーテキストの複製・第三者への提供などの行為一切を固く禁じます。