高電圧モータ・回転機の放電・絶縁評価とナノフィラー分散高分子絶縁材料の設計技術【Webセミナー】
インバータ駆動機器、高電圧モータ・回転機の放電・絶縁劣化の課題、それを解決するポリマーナノコンポジット絶縁材料(ナノフィラー分散高分子絶縁材料)の設計、絶縁特性と影響要因、応用事例を解説。
セミナー概要
プログラム
第1部 13:00~14:40
インバータ駆動機器における放電・絶縁評価手法,およびポリマーナノコンポジット絶縁材料設計と評価技術
梅本 貴弘 氏
東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 特任准教授
インバータ駆動技術の普及により、モータ巻線や絶縁材料に対する高周波・高電圧ストレスが課題となっています。本講演では、インバータサージが引き起こす絶縁特性の劣化メカニズムを整理し、高電圧回転機の絶縁構造や新材料の適用について解説します。特に、最新のナノコンポジットの適用技術や機能性材料を用いた電界緩和技術を紹介するとともに、今後の技術開発の方向性を展望します。
1. インバータ駆動機器の動向と課題
1.1 インバータ駆動のメリットとインバータサージ
1.2 インバータサージが引き起こす課題①
-モータ巻線の電圧分担の不均一化と電界集中-
1.3 インバータサージが引き起こす課題②
部分放電
1.4 部分放電の様々な測定方法
2. 高電圧回転機・モータの絶縁構造
2.1 回転機巻線の種類:乱巻・型巻・ほか
2.2 モータ絶縁の国際試験規格:IEC60034-18-41と-42
2.1 回転機へのナノコンポジットの適用
-耐サージ線・含侵樹脂のナノコンポジット化-
2.2 機能性材料による電界緩和技術
3. 固定子コイルマイカ絶縁とポリマーナノコンポジット
3.1 耐部分放電特性に優れたマイカ(雲母)
3.2 ポリマーナノコンポジットの適用開発事例
3.3 ナノフィラーの分散状態と絶縁諸特性の関係
3.4 ナノフィラーの分散性評価技術
4. 固定子コイルエンドの沿面電界緩和技術
4.1 インバータ駆動時の課題:電界緩和と局所過熱はトレードオフ
4.2 発生電界と温度上昇の予測技術
5. まとめと今後の研究開発の方向性
第2部 14:50~16:30
エポキシ樹脂コンポジット絶縁材料の設計と特性
今井 隆浩 氏
国士舘大学 理工学部 電子情報学系 教授
電力・電気機器用で使用されるポリマー系電気絶縁材料は、無機フィラーを分散することで、ポリマー材料単独では得られない性能や機能を得ている。本講演では,エポキシ樹脂コンポジット絶縁材料を中心に、材料の種類、必要な性能、絶縁物の製造方法などについて概説する。また,ナノコンポジット絶縁材料など、近年の研究開発動向についても紹介する。
1. はじめに
2. エポキシ樹脂コンポジットの材料
3. エポキシ樹脂コンポジットの特性
4. エポキシ樹脂コンポジットの応用
5. まとめ
セミナー講師
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- 梅本 貴弘 氏
- 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 特任准教授
- <略歴>
2011年 京都大学大学院工学研究科電気工学専攻 修士課程修了
2011-23年 三菱電機株式会社
2023年 東京大学 大学院工学研究科
<学協会での活動>
・電気学会 調査専門委員会「次世代パワーエレクトロニクスと共に発展するインバータ駆動回転機の絶縁技術」 幹事(2024-)
・電気学会 調査専門委員会「適用拡大が進むインバータ駆動回転機の絶縁の現状」幹事補佐(2019-2021)
・電気学会 誘電・絶縁材料技術委員会 幹事(2024-)
・電気学会 基礎・材料・共通部門編修委員会 幹事(2024-)
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- 今井 隆浩 氏
- 国士舘大学 理工学部 電子情報学系 教授
- <略歴>
1998年 株式会社東芝
2017年 東芝エネルギーシステムズ株式会社
2018年 東芝インフラシステムズ株式会社
2024年 国士舘大学
<所属学会>
電気学会,IEEE,高分子学会
開催概要
- 主催
- S&T出版株式会社
- 開催日時
- 2025年6月25日 13:00 - 16:30
- 開催場所
- オンライン開催
- 受講料
- 46,200円〜