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2026.08.20

自動車部品への再利用拡大とサーキュラーエコノミー実現に貢献する劣化プラスチックの強度を回復するリサイクル技術を開発

2026年7月15日

  

  

自動車部品への再利用拡大とサーキュラーエコノミー実現に貢献する
劣化プラスチックの強度を回復するリサイクル技術を開発


本成果が複合材料分野の主要学術誌に掲載

  

  

  

Astemo株式会社(以下、Astemo)は、東北大学大学院環境科学研究科と共同で、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、高温多湿環境で劣化したエンジニアリングプラスチック(PBT*1)の強度を回復するリサイクル技術を開発しました。本技術により、これまで性能低下が課題であったリサイクル材について、実用に近い水準までの物性回復が可能となり、自動車部品をはじめとした用途への再利用拡大が期待されます。本研究成果は、2026年6月23日、複合材料分野において世界的に上位に位置づけられる学術誌「Composites Part A: Applied Science and Manufacturing」に掲載*2されました。
*1 PBT(ポリブチレンテレフタレート):自動車部品や電子機器のコネクタなどに広く用いられるエンジニアリングプラスチック。
*2 タイトル:Molecular-Weight–Driven Recovery of Mechanical Strength via Chain Extension: A Fox–Flory-Type Approach to Polymer Recycling
著者:東北大学大学院環境科学研究科、Astemo株式会社 技術開発統括本部
責任著者:東北大学大学院環境科学研究科 准教授 栗田 大樹

資源の有限性や調達リスクの高まりなどを背景に資源制約が強まる中、カーボンニュートラル実現に向けてサーキュラーエコノミーへの移行が求められており、プラスチックの再資源化と高機能材料の循環利用の重要性が高まっています。プラスチックの原料となる石油などの資源は有限であり、廃棄物を再び資源として活用することは、原材料使用量の削減やCO₂排出低減、さらには資源価格の高騰や調達リスクの低減といった観点からも重要です。
特に自動車分野においては、使用済み部品から回収した樹脂を再び同等用途で活用する「水平リサイクル」や、リサイクル材の高品質化・用途拡大が求められています。一方で、リサイクル材の活用には、回収量の確保に加え、使用過程での劣化に伴う品質低下が課題となっていました。こうした課題の中でも、自動車部品などに広く用いられるPBTにおいては、使用環境下での分子鎖切断による強度低下が生じることから、再利用時の品質確保が難しいという課題がありました。これらの課題に対し、本研究では廃車由来樹脂の水平リサイクルの実現を見据えた取り組みを行いました。

本研究では、劣化したPBTに鎖延長剤*3を添加することで切断された高分子鎖を再結合させ、材料の分子量を回復させ、物性を回復する手法を開発しました。その結果、低下した引張強度を元の材料に近い水準まで回復できることを実証しました。さらに、配合量と配合手法を検討し、物性回復に有効な条件を見出しました。本成果は、リサイクル材料の品質向上および用途拡大に貢献することが期待されます。
*3鎖延長剤(Chain Extender):切断された高分子鎖同士を再結合させ、分子量や力学特性を回復させるための添加剤
本技術は、廃車由来材料の高付加価値リサイクルを可能とし、自動車部品をはじめとする樹脂材料の利用領域において、資源循環型の材料利用を加速させることが期待されます。今後、Astemoは、本技術を応用し、自動車用電子部品の筐体等へのリサイクル材適用拡大や、リサイクル材の品質安定化による量産適用、循環型材料を前提とした製品設計への展開などを進め、資源制約の低減とCO2排出削減の両立をめざしていきます。

Astemoは、今後も材料技術の進化と循環型材料の実用化を通じて、自動車部品における資源循環の高度化を進め、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していきます。

  

  

Astemoについて

Astemoは、株式会社日立製作所、本田技研工業株式会社、JICキャピタル株式会社による共同出資会社であり、自動車部品のグローバルメガサプライヤーとして、世界中で約80,000人の従業員を擁し、アメリカ、アジア、中国、ヨーロッパ、日本で事業を展開しています。電動ビジネス事業部、車両ビジネス事業部、モーターサイクル事業部等を通じて、自動車部品および輸送用・産業用の機械器具やシステムの開発、製造、販売、サービスを行っています。Astemoは、持続可能な社会の実現と企業価値向上への取り組みをさらに加速していきます。詳細は、 www.astemo.comをご覧ください。

  

  

  

  

  

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