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2024.12.10

世界初 車いす陸上の競技力向上に寄与する「漕ぎ力計測機器」を開発【本田技研工業】

2024年11月13日

  

  

世界初 車いす陸上の競技力向上に寄与する「漕ぎ力計測機器」を開発
~第43回大分国際車いすマラソンにて公開~

  

  

 Hondaは、陸上競技用の車いす「車いすレーサー」に装着し、車いすレーサーを漕ぐ力を多角的に測定する「漕ぎ力(こぎりょく)計測機器」を、世界で初めて※1開発しました。  本機器は、11月17日(日)に開催される第43回大分国際車いすマラソンにおいて世界初公開します。また、今後広く国内外に機器の貸出を行い、世界中のアスリートの方々に利用いただくことで、パフォーマンス向上に貢献するとともに、車いす陸上競技のさらなる発展に寄与することを目指します。

  

  


車いすレーサー用「漕ぎ力計測機器」

「漕ぎ力計測機器」ホイール装着時

  

  

Hondaは、“人間尊重”の基本理念のもと、あらゆるお客様にとっての自由な移動の喜びや、夢の実現への貢献を目指し、2000年から陸上競技用車いすレーサーの研究開発を行っています。Hondaがサポートするアスリートへの提供を行うとともに、2019年からは市販も開始するなど、車いす陸上競技の発展に向けて取り組んできました。この中で、競技のさらなる発展に向けて、製品の性能向上にとどまらず、選手の能力開発にも技術貢献するために検討を重ねてきました。
 今回発表した「漕ぎ力計測機器」は、アスリートの車いすレーサーを漕ぐ力を数値化、可視化することで客観的な分析をサポートするツールです。車いすレーサーのホイールに装着して走行することで、漕ぐ力のかかり方の左右差や、加速・減速要素、最高速度の出るタイミングなど、走行に影響を与えるあらゆる情報を数値化し、これまで感覚的に捉えがちだったアスリートのフォームの特徴を数値に置き換え、客観的データに基づいた分析が可能となります。また、複数の異なる車いすレーサーによる測定値の比較や、過去からの改善状況などもデータ上で容易に確認できるようにすることで、より効率的なトレーニングの一助となることを目指しています。
 データ計測においては、Hondaが長年にわたり研究を重ねてきた、二足歩行ロボット「ASIMO」や歩行アシストなどのロボティクス研究で培った、6軸力センサーによる力の検知技術が活用されており、車いすレーサーを漕ぐ力を精密かつ簡単に、迅速に計測することができます。
 漕ぎ力計測機器は、車いす陸上のメダリストが多数所属するイリノイ大学(米国)や、国立スポーツ科学センターをはじめとする日本の複数のスポーツ団体および選手の協力のもと、これまでに30名を超えるアスリートの計測に活用され、高い評価を得てきました。今後は、車いすアスリートをサポートする世界中の団体、学校などへ機器の貸出を行っていくことで、車いす陸上競技のさらなる発展に寄与していきます。

  

 Hondaはこれからも「スポーツ活動を通じて挑戦する人々を増やし、あらゆる人の人生を豊かにする」というビジョンのもと、夢の実現に向けてチャレンジするアスリートを応援していきます。

  


「漕ぎ力計測機器」分解イメージ図」

  

  

  


漕ぎ力計測機器による計測レポートの一例

  

※1 実際のトレーニングを行う現場で走行して使用できる機器として。2024年11月13日現在、Honda調べ
※2 車いすレーサーを漕ぐ力を可視化するため、特に漕ぐ力に寄与する3要素を「漕ぎ力3成分」としてデータ描画

  

  

大分国際車いすマラソンについて

  

 2024年11月17日(日)に開催される第43回大分国際車いすマラソンは、世界で初めて車いすレース単独で始まった国際マラソン大会で、Hondaは35年にわたりこの大会に協賛しています。毎年、海外選手約50名を含む200名以上の選手が出場するなど、世界のトップアスリートが凌ぎを削る、世界最高峰の大会です。
 Hondaは、大会前日の11月16日(土)に開催される開会式会場にて、漕ぎ力計測機器の一般公開を行います。会場には、Hondaの陸上競技用フルカーボン車いすレーサー「翔」も展示。F1マシンやHondaJetなどでのカーボン技術を生かした開発力や、Hondaの車いす陸上の活動の歴史を知ることができる場として、同大会を盛り上げていきます。

  

  

Hondaと車いす陸上の歴史

  

1978年

Hondaの創設者である本田宗一郎が大分県にある太陽の家(障がいを持つ人の支援
施設)を訪問し、医学博士の中村裕氏と出会う

1981年

中村裕博士の活動に賛同し、ホンダ太陽株式会社※3を設立

1993年

ホンダ太陽の従業員による自発的な活動グループ「車いすレーサー研究会」が発足。
車いすレーサーの開発を目指す

1999年

車いすレーサー研究会がホンダ太陽およびホンダR&D太陽株式会社※4の公式クラブ
となり、「ホンダアスリートクラブ」に名称変更

2000年

株式会社本田技術研究所が車いすレーサー研究開発に着手

2002年

ホンダ太陽が本田技術研究所の技術開発支援を受け、世界初となるフルカーボン
ボディーの車いすレーサーを製作。その後、車いすレーサーの開発を着実に進め、
アスリートへ提供することで、多くのレースで勝利へ貢献

2013年

ホンダR&D太陽、本田技術研究所に加えて、八千代工業株式会社(現:マザーサン
ヤチヨ・オートモーティブシステムズ株式会社)が車いすレーサーの開発・製造に参画。
3社共創となり車いすレーサー「極<KIWAMI>」を2014年に、「挑<IDOMI>」を
2015年にそれぞれ発売

2019年

車いすレーサー「翔<KAKERU>」を発売。2021年にはグッドデザイン賞を受賞

※3 障がいのある人たちの社会的自立の促進を理念として設立された、Hondaの特例子会社
※4 本田技術研究所の特例子会社で、2021年4月1日にホンダ太陽株式会社と合併

  

  

  

  

  

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