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2025.12.09
さらにスマートかつ安全な商用車を目指し、REE Automotiveと 技術検証に関する基本合意書を締結【三菱ふそうトラック・バス】
2025年11月18日
さらにスマートかつ安全な商用車を目指し、
REE Automotiveと 技術検証に関する基本合意書を締結
・ モジュール式車両プラットフォームにおけるバイワイヤ・SDV 技術の可能性を共同で探索・検証
・ 次世代商用車の安全性、モジュール性・設計自由度、操作性の向上および低コスト化を目指す
三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下 MFTBC)は、REE Automotive Ltd. (本社:イスラエル・キブツ グリル-ヤム、社長:ダニエル・バレル、以下 REE)と、MFTBC の商用車における「X-by-wire」(バイワイヤ)およびSDV(ソフトウェア定義車両、software defined vehicles)技術の共同開発および実証に関する基本合意書を締結しました。
MFTBC の「eCanter」(左)と REE の「P7-C」 |
バイワイヤ技術は、従来の機械的な接続を電子制御に置き換え、ステアリングやブレーキ、アクセルなど主要機能の操作をセンサーと電気信号によって行う仕組みです。車両の安全性や操作性の向上に加え、車両の軽量化や燃費効率の向上に寄与するほか、先進運転支援・自動運転技術の開発への貢献が見込まれます。 SDVは、主にソフトウェアを通じて車両の機能や性能を制御・更新できる次世代の車両アーキテクチャです。ハードウェアに依存せず、OTA*による機能追加や改善によって、車両の柔軟性・拡張性の向上や車両寿命の延長が見込まれます。また総保有コスト(TCO、total cost of ownership)を低減し、お客様への長期的価値の提供につながることが期待されています。
*Over-the-air の略で、無線通信によって車両のソフトウェアを遠隔で更新・修正・改善する技術。
MFTBCとREEは、バイワイヤ・SDV技術の掛け合わせの探索・検証に着手しました。この協業を通じて、エンドユーザーのコストを削減すると同時に、車両の最適なモジュール式構造と高度な設計自由度、優れた操作性やより高度な安全機能を実現する、次世代商用車の新たな可能性を探索します。
本協業の一環として、MFTBC と REE は共同で実証車両1台を1年以内に製作する予定です。実証車両はMFTBCの電気小型トラック「eCanter」現行モデルをベースに、REEのEV向けシャシ「P7-C」の技術を盛り込み製作します。同時に MFTBC は、さらに将来の技術的協業に向けた潜在的なパートナー候補として、REEの技術の評価を継続します。
MFTBC は2017年の国内初の量産型電気小型トラック「eCanter」の発売や、2019年の大型トラック「スーパーグレート」における国内商用車初の SAE 自動運転レベル2の市場投入など、商用車の先進技術開発に先駆的に取り組んできました。本協業ではそれらの知見をもとに、さらに将来の技術開発の加速をねらいます。
REE は本協業において、電子制御ユニット(ECU)、OTA によるソフトウェアの更新、そして SDVのプラットフォームの知見を提供します。REE の「REEcorner」技術は、ステアリングやブレーキ、サスペンション、駆動システムなど主要な車両機能を各ホイールハウス内にモジュール化した「ゾーンアーキテクチャ」を特徴とし、車両設計の自由度を飛躍的に向上させます。さらに、クラウドサービス「REEai」によって、遠隔でのデータ最適化、予防整備、包括的なフリート管理が可能です。
MFTBC 副社長・開発本部長の安藤寛信は「三菱ふそうの自動運転・ZEV 技術と、REE のバイワイヤ・SDV 技術を組み合わせることで、より優れた物流ソリューションを実現できると信じています。REE とともに、地球温暖化、交通事故、ドライバー不足等の社会課題の解消に取り組めることを大変嬉しく思っております」と述べています。
REE の共同創業者・CEO であるダニエル・バレルは「MFTBC の経験豊富なチームと、よりスマートかつ安全な次世代の商用車に向けた志を共有し、協業できることを大変うれしく、光栄に思います。SDV 技術は、お客様の課題を解決するための次世代商用車の開発を加速させるとともに、OTA による更新によって継続的な機能改善を可能にします。私たちの協業によって、自動運転技術を支える SDV 商用車の新たなベンチマークを打ち立てていけると確信しています」とコメントしています。
REE の「P7-C」(左)と MFTBC の「eCanter」 |
三菱ふそうトラック・バス株式会社について
三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は、川崎市に本社を置く商用車メーカーです。ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%の株式を保有しています。90年以上の歴史を持つFUSO ブランドのトラックやバス、産業用エンジンを世界約170の市場向けに開発・製造・販売しています。日本初の量産型電気小型トラック「eCanter」による電動化や、運転自動化では大型トラック「スーパーグレート」に国内商用車初のSAEレベル2相当の高度運転支援技術を実装するなど、先進技術の開発に積極的に取り組んでいます。
電気小型トラック「eCanter」について
「eCanter」は、MFTBC が2017年に発売した日本初の量産型電気小型トラック(バッテリーEV トラック)です。温室効果ガスを排出せず、CO2削減という社会課題の解決に貢献しつつ、静穏かつ低振動というEV トラックの特性により、都市内輸送・深夜早朝の輸送をより快適・低負荷で行えます。2023年3月にフルモデルチェンジして発売した新型モデルは、シャシラインアップや架装バリエーションの拡大、ニーズに合わせた航続距離の展開によって、さらに多様なニーズへの対応が可能です。日本のほか欧州31市場やオセアニア地域に加え、インドネシアや台湾といったアジア地域および中東・南米など、海外市場への新たな展開も進めています。
REE オートモーティブについて
REE オートモーティブ株式会社(NASDAQ: REE)は、独自のソフトウェアにより車両の運行および各種機能を制御するソフトウェア定義車両(SDV: Software-Defined Vehicle)技術を開発・製造する自動車テクノロジー企業です。
REE のゾーン SDV アーキテクチャは、既存システムとシームレスに統合し、先進的な設計により安全性・性能・信頼性を一層向上させます。車両の主要機能を一元化することで、モジュール性・冗長性・安定性を高め、より安全で効率的な車両プラットフォームを実現します。 セキュアな AI と高度な OTA(Over-the-Air)アップグレード機能を備えた REE の技術は、車両のライフサイクル全体を通じて継続的に更新と改善を可能にします。そのため、Powered by REE® の車両は、顧客や市場の変化に柔軟に対応できるだけでなく、将来的な自動運転やコネクティビティにも適応可能な設計となっています。
REE は、米国でフル・バイワイヤ車両の FMVSS 認証を取得した初の企業です。駆動・ステアリング・ブレーキを制御する独自のバイワイヤ技術により、機械的なリンケージを不要とし、設計の自由度を高めるとともにパフォーマンスを最適化します。
「競合せず、補完せよ」という理念のもと、REE は OEM やテクノロジー企業に向けて SDV 技術をライセンス提供しています。各企業が、拡張性と将来性に優れた REE のプラットフォームを活用して、自社のニーズに合った車両を設計・製造できるよう支援しています。
www.ree.auto
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