Topics トピックス/リリース
2025.12.02
スーパー耐久シリーズ最終戦で水素エンジン技術のさらなる進化に挑戦【トヨタ自動車】
2025年11月14日
スーパー耐久シリーズ最終戦で水素エンジン技術のさらなる進化に挑戦
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、11月15日~16日に行われる、「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」において、2つの水素エンジン技術の進化に挑戦します。
レースには液体水素を燃料として搭載した「#32 TGRR GR Corolla H2 concept」(以下、液体水素エンジンGRカローラ)で出走します。
また、液体水素技術のさらなる進化に向けて継続的に超電導技術の開発に取り組んでおり、液体水素ポンプ用超電導モーター(以下、超電導モーター)搭載車両の走行ができる段階まで進んでいます。将来のレース参戦を目指して、仲間とともに引き続き開発に取り組んでいきます。
カーボンニュートラルの実現に向けて、マルチパスウェイ戦略のもと世界中のお客様に選択肢をご提供していくために、引き続き歩みを進めていきます。
加えて、一般社団法人 日本自動車会議所が主催する日米自動車文化交流企画と連動し、イベント広場にて米国で生産された車両を展示します。米国向け車両の魅力を体感する機会を通じて、日米のクルマ文化の交流に貢献します。
液体水素エンジンGRカローラ |
液体水素エンジン技術の進化
液体水素エンジンGRカローラは、今年5月30日~6月1日の24時間耐久レースで、新充填バルブの採用による安全性向上と軽量化、および水素エンジン燃焼切り替え技術の実証などにおいて進化を遂げました。そして最大の成果として、液体水素を昇圧してエンジンに送る「ポンプ」を交換することなく完走を果たし、耐久性の向上を確認することができました。
一方、依然としてエンジン出力増加に伴って「ポンプ」への負荷が増大し、最大出力での連続走行には耐久性の面で課題がありました。さらなるレベルアップのために、24時間耐久レース以降も「ポンプ」の昇圧性能と耐久性を確認するテスト走行を繰り返し、今回のレースでは最大出力での連続走行に挑戦します。
また、液体水素技術の可能性をさらに広げるために継続的に取り組んでいる超電導技術の開発については、超電導モーターを燃料タンク内に搭載した車両での走行ができる段階まで進んでいます。高効率で小型の超電導モーターをタンク内に搭載しスペースを作り出すことで、1.3倍以上のタンク容量拡大が実現でき、航続距離の向上につながります。加えて、軽量・低重心化による走行性能向上や、入熱源であるフランジ*1がなくなることによるボイルオフ*2量低減が期待できます。
液体水素特有のマイナス253℃の温度環境は、特定の物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになるという超電導にとって適した温度帯です。液体水素車両と超電導技術の親和性を最大限活かすことで、水素エンジン車の可能性を大きく広げていきます。
*1 配管の継手のすき間を埋め、漏れを止める役目をするもの
*2 タンクに貯蔵されている液体水素燃料が外部からの自然入熱などで気化してしまうこと
液体水素エンジンGRカローラ |
米国生産車両の展示について
一般社団法人 日本自動車会議所が主催するNASCAR走行などの日米自動車文化交流イベントと連動し、米国で多くのお客様にお乗りいただいている3車種(セダンの「カムリ」、SUVの「ハイランダー」、ピックアップトラックの「タンドラ」)を、11/15(土)~16(日)の両日、イベント広場に展示します。実際に見て乗りこんでいただくことで、日本では販売されていない米国生産のクルマの魅力を体感いただけます。
一般社団法人 日本自動車会議所、一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)、および富士スピードウェイ株式会社から発信された関連のリリースは下記をご参照ください。
・一般社団法人 日本自動車会議所
「クルマを文化に」日米自動車文化交流イベントを開催 -スーパー耐久最終戦 富士大会にてNASCARがデモラン-
・一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)
日米モータースポーツ交流の新たな架け橋 -新クラス「ST-USA」創設を計画-
・富士スピードウェイ株式会社
NASCARが富士スピードウェイにやってくる!! ~ジミー・ジョンソン来日!日米スターが集結する“S耐FINAL大感謝祭”~
以上
トヨタ自動車株式会社 ホームページはこちら