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2025.11.17
マツダと日本製鉄が連携強化 -価値創造と原価低減を両立するサプライチェーンを共創-
2025年10月23日
マツダ株式会社
日本製鉄株式会社
マツダと日本製鉄が連携強化
-価値創造と原価低減を両立するサプライチェーンを共創
マツダ株式会社(以下、マツダ)と日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、本日、従来の完成車メーカーと材料メーカーの関係や領域を超えた「共創活動」の成果を、マツダが本年7 月に世界初公開した新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX5」へ適用し、短期間での最適な車体構造開発の実現に成功したことを発表しました。
自動車業界において、電動化や知能化、環境対策、地政学や各国・地域の政策によるサプライチェーン上のBCP (事業継続計画)、さらに素材や部品の価格高騰など、さまざまな要因によって相対的な付加価値や重要性、リスクが変化しています。また、車両のデジタル化やソフトウエア化により、バリューチェーンについても、水平分業を前提とした共創型の「新しいものづくり」の構造にシフトしていく必要があります。
マツダは、2030 経営方針で「原価低減とサプライチェーン強靭化」を掲げ、商品原価や製造原価にとどまらず、サプライチェーン・バリューチェーンを俯瞰したムリ・ムラ・ムダを構造的に取り除く取り組みを通じて、原価低減力と減産抵抗力を高める強靭なサプライチェーンの構築を目指しています。そのために、マツダは、同じ志を持つお取引先さまと、長期的なつながりを前提として、開発初期の段階からサプライチェーン全体で合理的かつ効率的なものづくりを実現することで、共に成長しながら、価値創造と原価低減を両立する独自の「共創活動」を進めています。
マツダと日本製鉄は、「共創活動」の成果の第1 弾を新型「MAZDA CX5」に織り込み、進化した「走る歓び」を世界中のお客さまにお届けします。長年にわたる取引関係をベースに、従来以上に自動車開発の初期段階から日本製鉄が参画することで、設計・生産・調達を含むサプライチェーン・バリューチェーン全体を見直し、最適な車体構造を短期間で実現しました。日本製鉄の次世代鋼製自動車コンセプト“ ECO 3(エコキュービック)” (以下、NSAC ECO 3)* NSafe®AutoConcept 1 を活用し、マツダのモデルベース開発と日本製鉄の独自解析技術、工法等とのシナジーによって、「走る歓び」を進化させる剛性や衝突安全性などの車体性能を確保しながら、鋼材重量を前モデル比で10%削減しました。
また開発初期の段階から鋼板材料の選定をともに行い、マツダの車両組立工場に近い日本製鉄の鋼板製造工場を選定できるようになりました。これにより、調達構造のシンプル化が進み、輸送などにかかるコストやCO 2 排出の削減、サプライチェーン上の在庫削減、地政学的リスクの低減と安定供給や、両社の間接的な生産コスト削減にも貢献しました。
両社は今後、対象車種を増やしながら、車種横断的な視点で、価値創造と原価低減を両立する強靭なサプライチェーン・バリューチェーンの構築を進めてまいります。
左:マツダ 取締役専務執行役員 向井 武司、右:日本製鉄 代表取締役副社長 廣瀨 孝 |
TranTixxii-Ecoは、日本製鉄が開発した、純チタンとして世界初の環境配慮型素材です。原料の50%以上にチタンスクラップを使用し、バージン原料の使用を抑えることで、製造時のCO₂排出量を約46%以上削減しています。製造にあたっては、異材・異物の混入を防ぐために、スクラップの厳格な品質管理を実施しています。また、新型電子ビーム式溶解炉(EB炉)において日本製鉄独自の溶解プロセスを適用することで、スクラップ多配合でも、従来の純チタンと変わらない高品質な作り込みを実現しました。軽量・高強度というチタン本来の特性に、環境配慮という新たな価値を加えたTranTixxii-Ecoは、車両の軽量化と地球環境の保全の両立に貢献します。
日本製鉄は、今後も高機能な環境配慮型素材の開発と提供を通じて、地球の未来を守るための活動に尽力してまいります。
■マツダ株式会社 取締役専務執行役員兼CSCO 向井 武司(むかい たけし)のコメント 「マツダは日本製鉄との共創活動を通じ、 “新しいものづくり”を大きく進めることができました。今後もお客さま起点のサプライチェーンの構造変革と共創で、強靭な経営基盤・高い経営効率の実現と、日本のものづくりへのさらなる貢献を目指し、2030 経営方針の第2 フェーズで掲げる規模の固定費領域効率化にもつなげてまいります」 1,000 億円規模の原価低減、1,000 億円
■日本製鉄株式会社 代表取締役副社長 廣瀨 孝(ひろせ たかし)のコメント 「日本製鉄はマツダとの共創活動を通じ、鋼材開発にとどまらず、設計・加工・量産工程に至る広範な領域で協業を推進しています。両社が理念を共有し、業界初の挑戦に取り組むことで、多面的な成果と相乗効果を創出しています。今後も技術融合を深化させ、共創価値のさらなる向上を目指してまいります」
<ご参考>
◼ マツダ: 2030 VISION / 2030 経営方針
https://www.mazda.com/ja/about/vision/
◼ マツダ: 中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針について
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2022/202211/221122a.html
◼ 日本製鉄: NSAC ECO3
ttps://www.nipponsteel.com/news/20250513_300.html h
以上
*1 日本製鉄の次世代鋼製自動車コンセプト“ NSafe®AutoConcept ECO以上 3(エコキュービック)”から、車体軽量化と衝突性能向上を両立した「高曲げ型2.0GPa級ホットスタンプ用鋼板」を採用しています。関連ニュースリリースは https://www.nipponsteel.com/newsroom/news/2025/20251023_100.html を参照ください(“NSafe®AutoConcept ECO3”は、日本製鉄の登録商標です) 。
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