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2025.10.21

炭素鋼・炭素工具鋼を軟質化し、従来困難だった加工を可能に 「SFA仕上」をエコプロダクトとして新たに販売を強化【日本金属】

2025年9月4日

  

  

炭素鋼・炭素工具鋼を軟質化し、従来困難だった加工を可能に
「SFA仕上」をエコプロダクトとして新たに販売を強化

~地球にやさしい“エコプロダクト”で新たな価値を共創する日本金属~

  

  

 日本金属株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:下川康志、証券コード:5491)は、環境配慮製品「エコプロダクト」の第5弾として、軟質化により加工性を向上させた炭素鋼・炭素工具鋼の「SFA仕上」の拡販を強化いたします。

  


写真1 円筒深絞り試験後の外観(左:SFA仕上、右:一般ナマシ仕上)

  

 「SFA(スーパーフルアニーリング)仕上」は、製造条件を最適化し、化学成分を変えずに素材を軟質化した当社独自の製品です。軟質化により加工性が向上し、スプリングバックの低減も期待できます。これにより加工工程の省略や歩留まりの改善が可能となり、製造プロセスのエネルギー効率向上や環境負荷の軽減に貢献します。
 このため、炭素鋼・炭素工具鋼の「SFA仕上」は、当社独自の基準で環境配慮製品「エコプロダクト」に認定しております。当社は2050年のCO₂排出量ネットゼロを目指し、環境対応素材の普及を通じて持続可能なものづくりに取り組んでいます。
 また、本製品は第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」のビジョンに沿った独自製品であり、「Near Net Performance」(最終製品に求められる性能を素材で実現する)をキーワードに、お客様のニーズに応えています。今後は自動車関連を中心に、さらに販売拡大を目指します。

  

  

SFA仕上の特長・メリット

  

1.化学成分

冷間圧延条件を最適化することで、製品の特性を向上させており、化学成分の変更はありません。

2. 機械的特性

一般のナマシ仕上品に比べて軟質(低耐力)でありながら、優れた延性を実現しております。(表1)

  


表1 機械的性質(代表値)

  

3. 加工性

一般のナマシ仕上げに比べて伸びが大きいため、加工割れの防止が可能です。(写真1)
また、スプリングバックが小さいため、加工後の製品形状が安定します。(写真2)

  


写真2 採用例:自動車部品

  

4. 金属組織

球状炭化物の大きさは約1.0~1.5μmで、一般的なナマシ仕上と同等です。(写真3、SK85Mの例)

  


写真3 炭化物組織(左:一般ナマシ仕上、右:SFA仕上)

  

5. 熱処理後の特性

焼入れ、および焼戻し後の組織と硬さは、一般材と同等です。(表2)

  


表2 熱処理後の機械的性質(代表値)

  

  

みがき特殊帯鋼製品概要

  

 当社は1930年にみがき特殊帯鋼の生産を開始し、日本で最も長い歴史を有しております。あらゆる分野の多様な仕様や数量にも対応し、高品質な製品を提供することをモットーとしております。
URL: https://www.nipponkinzoku.co.jp/products/migaki-tokushu

  

  

鋼帯製品概要

  

 当社は冷延ノウハウを活かした独自設計の設備と、業界トップレベルの技術により、お客様の多様なニーズにお応えしています。
URL: https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/business/stainless-steel

  

  

第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」について

  

 当社は「人と地球にやさしい新たな価値を共創するMulti&Hybrid Material企業」をビジョンに掲げております。多様な素材を圧延・複合成形し、最終製品に求められる性能を素材で実現することで、人と地球の未来に貢献いたします。キーワードは「Multi & Hybrid Material」(多種多様な素材の活用)、「Near Net Shape」(最終製品形状に近い複雑な成形加工実現)、「Near Net Performance」です。これらの技術を活かし、将来を見据えた製品開発を推進しております。さらに、新技術・新製品を主力とし、新たなニーズに対応することで、事業構造の変革を目指しています。

  


  

  

本リリースに関するお問い合わせ先

日本金属株式会社 総務部
TEL:03-5765-8100
https://www.nipponkinzoku.co.jp/contact-other

  

本製品及び技術情報に関するお問い合わせ先

日本金属株式会社 プロダクションプロセス・サポート部
TEL:03-5765-8113
https://www.nipponkinzoku.co.jp/contact

  

  

  

  

  

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