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2025.08.04
NEDO「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0)/研究開発項目1 DER等を活用したフレキシビリティ技術開発」事業の採択および事業開始について
2025年7月24日
NEDO「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0)/研究開発項目1 DER等を活用したフレキシビリティ技術開発」事業の採択および事業開始について
~需給課題・系統課題の解決に向けたフレキシビリティ最適活用技術の開発~
東京電力パワーグリッド株式会社
一般財団法人電力中央研究所
学校法人早稲田大学
株式会社エナリス
株式会社日立製作所
関西電力送配電株式会社
国立大学法人東京大学 生産技術研究所
中部電力パワーグリッド株式会社
東京電力エナジーパートナー株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
本田技研工業株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社、一般財団法人電力中央研究所、学校法人早稲田大学、株式会社エナリス、株式会社日立製作所、関西電力送配電株式会社、国立大学法人東京大学 生産技術研究所、中部電力パワーグリッド株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、本田技研工業株式会社の11者は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が公募した「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0)※1/研究開発項目1 DER等を活用したフレキシビリティ技術開発」(以下、「本事業」)に応募し、採択されたため、7月1日より事業を開始いたしました。
再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)のさらなる普及拡大と主力電源化の実現に向け、2022年よりNEDOにて「電力系統の混雑緩和※2のための分散型エネルギーリソース制御技術開発(以下、「FLEX DERプロジェクト」)」の取り組みが進められています※3。
これまでのFLEX DERプロジェクトでは、配電系統に大量に連系される再エネの出力抑制量の低減とさらなる利用拡大を目的として、分散型エネルギーリソース(以下、「DER」)※4のフレキシビリティ※5を活用し、電力系統の混雑を緩和する仕組みの技術開発が進められました。
その一環として2024年5月と9月に、栃木県那須塩原市で行ったDERフレキシビリティシステム※6の検証では、蓄電池や電気自動車などを用いた配電用変電所の系統混雑緩和の実現可能性を確認しました※7。
7月1日より開始した本事業では、これまでの技術開発と検証を踏まえて、下記事項を実施いたします。
(1)FLEX DER検討
FLEX DERプロジェクトにおいて抽出された「DERの運用高度化」や「DER不応動時のセーフティーネット方策」といった課題を踏まえ、系統混雑緩和の社会実装に向けて、フィールド実証を交え、引き続き栃木県那須塩原市において検証を進めます。
(2)DER集約配分機能検討
DERを活用した系統混雑緩和と需給バランス等の維持を両立する仕組みの検討を行います。
体制を新たにした11者は、本事業を通じて、DERを最大限活用できる仕組みを実現することにより、国内における再エネの更なる普及拡大への貢献を目指してまいります。
※1 本事業は、再エネの大量導入に伴い電力系統容量が逼迫する「電力系統混雑」の課題に対し、分散型エネルギーリソース(すなわち、蓄電池、電気自動車等の使用時間・量の制御が可能な負荷(「DER」(Distributed Energy Resources))の活用により需要を調整し、混雑緩和を実現するための「DERフレキシビリティシステム」の構築に向けて、技術開発を行うもの。
※2 変電所や送配電線などの系統設備に流れる電力がその設備容量を超過してしまうことを電力系統の混雑という。一方、当該系統に接続される需要設備の消費電力量や発電設備の発電量を調整することで系統設備に流れる電力を変化させ、それにより混雑を緩和させることを混雑緩和という。
※3 NEDOプレスリリース「電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に着手」(2022年6月23日)
※4 発電設備や蓄電設備、電気自動車、ヒートポンプなどの需要設備の総称。「Distributed Energy Resources」を略して「DER」と呼ばれる。
※5 本取組ではDERが持つ、発電電力や負荷の消費電力の大きさを柔軟に変化させることが可能な能力をDERフレキシビリティという。
※6 DERフレキシビリティを電力系統の混雑緩和等に活用するため、一般送配電事業者とアグリゲーター等を仲介するシステム全体を指してDERフレキシビリティシステムという。DERフレキシビリティの調達におけるマッチングや制御量の配分、指令の発出等の機能を保有する。
以上
別紙:NEDO「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0)/研究開発項目1 DER等を活用したフレキシビリティ技術開発」事業の概要
<別 紙>
NEDO「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0)/研究開発項目1 DER等を活用したフレキシビリティ技術開発」事業の概要
1.事業概要 |
第7次エネルギー基本計画における「再生可能エネルギーの主力電源化」に向け、分散型エネルギーリソース(DER)を活用し、再生可能エネルギーの主力電源化を基盤とする次世代型の送配電ネットワークの実現が求められている。その手段として、DERの活用状況を共有し制御を可能とする仕組み、すなわち、DERフレキシビリティを活用する仕組みの確立が必要となる。
本事業では、FLEX DERプロジェクトで新たに抽出された残課題に対し、社会実装に向けた検討及び将来の適用領域拡大に向けて検討する。
また、DER を系統運用と連携し全体最適を図りながら活用するため、DERを活用した系統混雑緩和と需給バランス等を維持する仕組みを検討する。
![]() 図1 体制図 |
(1)FLEX DER検討
(FLEX DERプロジェクトを通じて新たに抽出された残課題の一例)
ー 潮流の予測値には一定程度の誤差が含まれることから、予測誤差を考慮したDERフレキシビリティの運用方法を確立する必要がある
ー DERフレキシビリティ活用の仕組みを社会実装するためには、「DERの長期的な運用性の確保、低圧DERの活用、需要家ニーズと系統ニーズの両立(マルチユース)に向けた運用」など技術的な手段を確立する必要がある
(具体的実施事項)
① 系統混雑に対する予測精度(誤差等)を踏まえたフレキシビリティの運用方法の確立
② DER不応動リスクを考慮したセーフティーネット(バックアップ)の技術的手段の確立
③ プラットフォーム機能に必要な技術(フレキシビリティ管理、精算等)の確立
④ フレキシビリティ活用に向けたDERの運用技術(長期間、マルチユース運用等)の確立
![]() 図2 DERフレキシビリティ活用イメージ |
図2では、太陽光発電所にて発電された電気は配電系統から配電用変電所に流れるが、これに伴って系統混雑の発生が予測される場合、①・②一般送配電事業者の指令室では、混雑緩和に必要なDER制御(充電)量の計算を行う。③DERフレキシビリティ活用プラットフォームでは、一般送配電事業者から混雑緩和に必要なDER制御(充電)連絡を受け、アグリゲーターへ制御依頼を行う。④アグリゲーターはプラットフォームからのDER制御(充電)依頼を受け、系統用蓄電池などの実証サイトへDER制御(充電)の指令を行う。本事業を通して、このようなDERフレキシビリティ活用の形を実現していく。
(2)DER集約配分機能検討
需給バランス等の維持と系統混雑緩和の両立に向けて、基幹系統とローカル系統が連携して運用できる機能の企画構想を行い、その適用効果や実現性を検証するとともに、将来、フィールド実証を行うことを想定し、実証試験に必要な設備・システム仕様の要件定義を行う。
![]() 図3 基幹系統とローカル系統が連携し運用できる機能(イメージ) |
2.事業期間 |
2025年7月1日~2027年3月末日(予定)
3.役割分担 |
「1.事業概要」の実施事項に対する役割分担は、以下のとおり。
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実施事項 |
役割分担 |
(1) |
予測精度を踏まえたフレキシビリティ |
東京電力パワーグリッド株式会社 学校法人早稲田大学 株式会社エナリス 中部電力パワーグリッド株式会社 東京電力ホールディングス株式会社 東京電力エナジーパートナー株式会社 本田技研工業株式会社 |
セーフティーネットの技術的手段の |
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プラットフォーム機能に必要な技術の |
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フレキシビリティ活用に向けたDERの |
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(2) |
基幹系統とローカル系統が連携し 実証方法の検討 DERモデル化の基礎検討 |
東京電力パワーグリッド株式会社 一般財団法人電力中央研究所 学校法人早稲田大学 株式会社日立製作所 関西電力送配電株式会社 国立大学法人東京大学 生産技術研究所 中部電力パワーグリッド株式会社 |
適用効果・実現性の検証 |
東京電力パワーグリッド株式会社 学校法人早稲田大学 関西電力送配電株式会社 中部電力パワーグリッド株式会社 |
以上
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