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2025.06.19
セレンスとMediaTek、NVIDIA上で構築したエッジで実行する マルチモーダル言語モデル導入のためのパートナーシップを締結
2025年5月13日
セレンスとMediaTek、NVIDIA上で構築したエッジで実行する
マルチモーダル言語モデル導入のためのパートナーシップを締結
エッジにスマートガードレールを備えたマルチモーダルモデルにより、
さらにシームレスで安全な車内でのインタラクションが可能に
純粋なインフォテインメントをはるかに超えた高度な機能の実現を目指す~
会話型AIを活用したユーザーエクスペリエンスを開拓するグローバルリーダー、Cerence Inc.(以下、セレンス)は、自動車のユーザーエクスペリエンス向上に向けた組込み型小規模言語モデル(SLM)である次世代「CaLLM™ Edge」を提供するために台湾の半導体メーカー、MediaTekとの新たなパートナーシップの締結、および、NVIDIAとの提携拡大を発表しました。
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NVIDIAの「AI Enterprise」ソフトウェアを活用する新たなマルチモーダル機能「CaLLM Edge」により、車内でのインタラクションがこれまで以上にスマートに、知覚的に、人間らしく、そして、はるかに安全に、そしてセキュアになります。このマルチモーダルエッジSLMは、当社のハイブリッドクラウド/組込み型エージェンティックAIプラットフォーム「Cerence xUI™」にシームレスに統合できます。
今回のパートナーシップは、MediaTekおよびNVIDIAとの提携継続に端を発したもので、MediaTekの自動車グレードチップセット「Dimensity Auto Cockpit」をNVIDIAのGPU、AIおよびグラフィックス技術に統合します。両社は現在、自動車メーカーに最高の性能とコスト効率を提供し、ドライバーと同乗者にパワフルな新機能をもたらすマルチモーダルエッジソリューションでセレンスAIと協力しています。MediaTekの車載コックピットソリューションを活用し、NVIDIAの「DRIVE AGX」上で最初に最適化された「CaLLM Edge」の高度なマルチモーダル機能は、デュアル・プロセッシング・プラットフォームを介して車内導入と高効率のために微調整され、これにより、車内と車外の両方で、新たなレベルの状況認識を実現します。
NVIDIAの DRIVE AGX上で実行するCerence xUIのデモンストレーションは上海モーターショー(4月23日~5月2日開催)で初公開されました。Cerence xUIは、実際の自動車の複数の座席環境を再現したリリース可能な自動車リファレンス設計に統合されて、ドライバーと同乗者にとって、シームレスでパーソナライズされたインタラクションを可能にします。主なイノベーションは以下のとおりです。
・ 車内インテリジェンスの向上– ドライバーが車に話しかけている時と、そうでない時を車が認識します。例えばドライバーは、お奨めのイタリアンレストランを尋ねてから、同乗者に「2番目のレストランはどう?」と確認することができます。その時、アシスタントは会話が戻ってくるのを待つべきだと認識します。さらに、アシスタントはドライバーと同乗者からの指示を同時に受けることもできます。例えば、ドライバーが「窓を開けて」と言った後に、同乗者からの「私の方の窓も開けて」という指示に対応できます。
また、ドライバーが些末な用事を済ませている間に車がペットを見守ることや、運転中、後部座席の幼児の様子に関する質問に回答えすることも可能です。
・ 車外情報の提供– アシスタントは車内だけでなく車外に関する情報も提供してくれます。例えば、道路標識の説明や翻訳、道路脇の建物の識別、さらには看板に書かれている面白そうなことに関する詳細も提供できます。Cerence xUIは、マルチモーダルSLMのCaLLM Edgeと組み合わせて、車のセンサーデータや車内と車外のカメラフィードを活用して、エッジでのストリーミング入力を可能にします。
・ エッジでのスマートガードレール– セレンスは、NVIDIAのDRIVE AGX向けに最適化された自動車用ガードレールを開発し、セレンス搭載システムが、限定的な接続状況においても、ブランド固有の車内でのやり取りのニュアンスに安全かつ確実に対処できるようになりました。包括的なハイブリッドアーキテクチャの一環として、セレンスは、NVIDIAの「NeMo Guardrails」を備えたこの組込み型ガードレールを提供します。これは、クラウドバリアントを補完しつつ、運転を妨げる障害を最小限に抑えて、誤用を避け、音声でのやり取りが状況を認識した状態で、安全基準に準拠することを確実にします。
ドライバーへのメリットが大きいこれらの新機能以外にも、CaLLM Edgeは自動車メーカーに重要なメリットを提供します。最も労力が大きいマルチモーダル処理がエッジで行われるため、必要とされるクラウド帯域幅が少なくて済むので、OEMのコストが削減されます。さらに、ドライバーが車外の情報にアクセスできるようになり、高度なジェネレーティブAIを活用した機能を提供することで、OEMに新たなサブスクリプションベースのサービスと収益源をもたらします。
セレンスの製品技術エグゼクティブ・バイスプレジデントであるニールス・シャンツ(Nils Schanz)は次のように述べています。「私たちは、クラウドおよび組込み型言語モデルのCaLLMファミリーの限界を押し広げ続けながら、さまざまな自動車メーカーとその特定のインフォテインメントプラットフォームのニーズに対応する能力を向上させ続けています。MediaTekおよびNVIDIAと提携することで、車内エクスペリエンスを再定義するリアルタイムの認知と状況認識によって『CaLLM Edge』を強化します」
MediaTekのコーポレートバイスプレジデント兼オートモーティブビジネス部門ゼネラルマネージャーであるマイク・チャン(Mike Chang)氏は次のように述べています。「セレンスの『CaLLM Edge』とMediaTekの『Dimensity Auto』プラットフォームを組み合わせることで、自動車におけるマルチモーダルによるパワフルなジェネレーティブAIを活用したエクスペリエンスのための優れた基盤を構築できます。MediaTekの『Dimensity Auto』は、セレンスのLLMとSLMの両方をエッジでサポートしており、デュアルAIエンジンを搭載した当社の新製品『C-X1』は、複数のAIタスクを同時にかつ確実に実行するのに最適です。このパートナーシップは、当社の自動車エコシステムに加わる重要な要素であり、世界的な自動車ブランドは自信を持って次世代の設計を促進できるようになります」
NVIDIAのオートモーティブ担当バイスプレジデントであるリシ・ダル(Rishi Dhall)氏は次のように述べています。「セレンスとMediaTekの提携は、NVIDIAのAIと高速化したコンピューティングを導入し、全体的な車内エクスペリエンスを向上させるというセレンスの取り組みに基づいています。この取り組みは現在、音声エクスペリエンスをカスタマイズする権限を自動車メーカーに大きく委ねており、エッジにNVIDIAの『NeMo Guardrails』を統合するという当社の取り組みは、安全で拡張性に優れた車載AIの進化において新たな業界基準を打ち立てる力を有します」
当社の詳細については、当社の日本語ウェブサイトhttps://www.cerence.com/jaをご覧ください。
最新情報については公式LinkedIn からもご覧いただけます。
【セレンスについて】
セレンス(Cerence Inc.)は、自動車や交通機関においてAIを活用した直感的でシームレスな体験を提供するグローバルリーダーです。数十年にわたる音声認識の専門知識とイノベーション、および生成AI、大規模言語モデル(LLM)を活用し、ドライバーと同乗者の双方にとって、より安全で、よりコネクトされ、より楽しい移動手段を実現する統合的なエクスペリエンスをお届けします。当社の技術が搭載された自動車は全世界で5億台を超え、大手自動車メーカー、交通機関OEM、テクノロジー企業と提携しながら次世代のユーザーエクスペリエンスを推進しています。マサチューセッツ州バーリントンに本社を置く当社は、世界の国と地域で事業を展開し、AIイノベーションの可能性を押し広げることに専念しています。
詳細については、当社の日本語ウェブサイトをご覧ください。
https://www.cerence.com/ja
アリソン・アンド・パートナーズ株式会社
セレンス広報担当 多賀/内山 E-mail: Cerence_pr_japan@allisonworldwide.com
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