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世界最小クラスの次世代自動車向け電源ハーネス用小型コネクタを開発【日立電線】

2011年8月30日

日立電線株式会社はこのたび、次世代自動車向け電源ハーネスにおいて、独自の構造を採用した世界最小クラス*1 の小型コネクタを開発しましたので、お知らせします。

近年、世界各国で地球温暖化防止に向けたCO2の削減や燃費、排出ガス規制の強化が進むなど、自動車の環境負荷低減が強く求められており、エンジンとモータを併用したハイブリッド電気自動車や、商用交流電源での充電が可能なプラグインハイブリッド電気自動車、電気エネルギーのみで走行する電気自動車など、電動モータを駆動系に利用した次世代自動車への期待が高まっております。
次世代自動車の駆動システムは、モータ及びインバータ、バッテリーと、これらの電気機器をつなぐ直流及び交流の電源ハーネスで構成されます。電源ハーネスは、エンジンルーム内の限られたスペース、かつ高温環境下で配線されることから、優れた柔軟性と高い耐熱性が要求されます。当社では、耐熱性と柔軟性に優れたフッ素樹脂フロンレックス*2 を用いた電源ハーネスをはじめ、独自の配合技術により150℃まで耐熱性を高めたノンハロゲン耐熱電源ハーネスなどを開発しており、多くの車種にご採用いただいております。

こうした実績を積み重ねる中、電源ハーネスへのさらなる小型化への要求が明らかになりました。そこで、このたび当社では、独自の構造を採用することで、次世代自動車向け電源ハーネスにおいては世界最小クラスとなる小型コネクタを開発しました。
従来のコネクタは、ばねが内蔵された各々のメス端子にオス端子を挿入する構造が多く採用されていましたが、今回開発した電源ハーネス用小型コネクタは、メス端子、オス端子ともに平型形状とし、一つのばねで複数の端子に面圧を加える構造となっております。独自のシンプルな構造を採用することで、当社従来品と比べてコネクタ部の体積を4割以上も縮小*3 することに成功しております。また、オス側コネクタと電気機器との接続形態をお客様が選択できるよう、ケーブル引き出しタイプとバスバータイプの2種類のバリエーションをラインアップしております。
さらに、コネクタの接続後にばね力を加える構造をとっており、接続を容易にできると同時に、ばね力を向上させることで高い耐振動性(ISO16750-3規格:耐振動性181m/s2)を実現し、自動車の厳しい振動においても、安定した電気性能を維持することが可能となりました。
本開発品と当社の耐熱性と柔軟性に優れたケーブルを組み合わせることにより、これまで以上に取り扱い性に優れ、狭スペースでの配線が可能な電源ハーネスをご提供することができます。なお、本開発品の適用ケーブル導体サイズは15~40mm2を予定しております。

今後、当社では、次世代自動車のさらなる発展のため、電源ハーネスの性能向上に向けた開発に注力するとともに、事業の拡大を図ってまいります。

電源ハーネス用小型コネクタ(開発品)の外観写真

開発品(左側)と従来品(右側)との比較写真

電源ハーネス用コネクタ 開発品と従来品との容積比較

日立電線 自動車用電線材料のラインアップ

*1 次世代自動車向け電源ハーネスのコネクタとしては世界最小。2011年6月28日時点。当社調べ。
*2 フロンレックスは、日立電線株式会社の登録商標です。
*3 新開発の小型コネクタ(ケーブル引き出しタイプ)と当社従来品との比較。例えばケーブル導体サイズ15mm2用のコネクタの場合、当社従来品300?に対し、新開発の小型コネクタでは168cc。


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