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世界最小の3軸ジャイロ・センサを発表【STマイクロエレクトロニクス】

2011年8月31日

エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的半導体メーカーで、コンスーマ機器および携帯型機器向けMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)の主要サプライヤ(1)であるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、世界最小の高性能3軸アナログ・ジャイロ・センサを発表しました。これにより、モーション・センサの製品ポートフォリオがさらに拡充されます。

約15.4億個のモーション・センサの製造に用いられた実績のある堅牢なマイクロマシニング技術と、パッケージ小型化に対するSTの意欲的なロードマップを組合わせたL3G3250Aは、ゲーム機器、VR(仮想現実)入力デバイス、モーション・ベースのユーザ・インタフェース、GPSナビゲーション・システム、生活家電、ロボット等の次世代アプリケーションにおける小型化要求をサポートする初の3軸ジャイロ・センサです。高性能3軸ジャイロ・センサ(アナログ出力)を3.5×3x1mmのパッケージに搭載することで、フットプリントを現行製品の17.6 mm3から僅か10.5mm3に縮小し、約40%の小型化を実現しています。

L3G3250Aは、可聴帯域外の共振周波数により、センサ近辺に実装されたスピーカ等からの音響ノイズや、プリント基板から伝わる機械的振動の影響を全く受けないため、精度と信頼性に優れています。また、シングル・センシング構造で3つの直交軸(2)のモーション検知を全て行う先進的な設計により、検知精度と信頼性がさらに向上し、時間経過や温度変化に対して業界最高レベルの出力安定性を実現しています。高い検出分解能と音響ノイズ・振動に対する卓越した耐性により、携帯電話、タブレット、ゲーム機、その他のスマート・コンスーマ機器において、モーション検知をベースとしたユーザ・インタフェースをよりリアルなものにします。

L3G3250Aは、2種類のフルスケール(625dpsまたは2500dps)を選択することができます。感度は、625dpsが2mV/dps、2500dpsが0.5mV/dpsです。この広い検出範囲により、非常に高速なジェスチャや動きを検出・測定することが可能です。その他、自己診断機能の内蔵、広い電源電圧範囲(2.4V~3.6V)、バッテリ駆動機器の電源管理を最適化するパワーダウン / スリープ・モード、ローパス・フィルタおよびハイパス・フィルタ・リセット機能の内蔵、高い耐衝撃性といった特徴があります。

L3G3250Aの動作温度範囲は-40℃~85℃で、RoHS指令および環境規格に準拠したLGA-16 ECOPACK(R)パッケージ(3.5×3x1mm)で提供されます。現在、サンプル出荷中で、2011年第4四半期に量産を開始する予定です。単価は、1000個購入時に約3.95ドルです。大量購入時の単価については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせ下さい。

(1) IHS iSuppli「H2 2010 Consumer and Mobile MEMS Market Tracker」、2011年8月
(2) 回転運動には主に3つの種類があります。ヨーは垂直軸を中心とする回転、ロールは前後軸を中心とする回転、ピッチは左右軸を中心とする回転です。

STマイクロエレクトロニクスについて

STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。

ST日本法人 : http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語) : http://www.st.com