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車載、産機向けの電流検出に最適な高電力・超低抵抗シャント抵抗器を開発 5W相当のパワー抵抗器を新たにラインアップ【ローム】

2014年3月25日

<要旨>
ローム㈱(本社:京都市)は、車載や産業機器など高電力が必要なセットの電流検出用途に最適な高電力・超低抵抗を実現したシャント抵抗器「PSRシリーズ」を開発しました。PSR400は定格電力4Wを、PSR500は5Wを保証しており、PSRシリーズとしてパワー抵抗器を新たにラインアップします。
本製品は、既に2013年10月より月産10万個の体制で量産を開始しており、今後需要の拡大を見越し、月産100万個に増産する予定です。生産拠点はROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となっています。


<背景>

電流検出用途の抵抗器は、過電流やバッテリー残量を検知するための電流検出として使用されます。これまでも車載や産業機器で幅広く使われてきましたが、近年、これらの分野で高機能化や電子化が進むにつれ、回路内の電流量が増大するため、より高電力対応が求められています。また、回路の消費電力を抑えるための超低抵抗化、過酷な温度環境でも優れた抵抗温度係数を確保する高精度な抵抗器に対するニーズが高まっています。
車載・産業機器を注力分野とするロームでは、抵抗器からトランジスタ、ダイオードに至るまで、パワー分野におけるラインアップを強化しております。


<新製品の詳細>

今回、これまで低電力分野で培ってきた高品質な抵抗器技術を活かし、高電力対応の抵抗器を開発し、新たにラインアップを拡充しました。
新製品のPSRシリーズは、生産性の高い独自の精密溶接技術により高電力5W相当を実現するとともに、抵抗体金属に高機能合金材料を採用したことで、低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数(TCR)を達成。これにより、車載や産業機器分野など厳しい温度保証が要求されるセットの回路にも余裕を持って使用することができるため、設計負荷の軽減にもつながります。


ロームは、小型化、多連化、超高精度化、超低抵抗化など、抵抗器に要求される幅広い技術で世界をリードしています。今後も車載・産業機器向けとしてさらに高電力、低抵抗な抵抗器製品ラインアップの拡充を進めてまいります。


<特長>
1. 独自の精密溶接技術により、高い定格電力5W相当を実現
高電力に対応するため、また0.2mΩ(min.)の超低抵抗領域においても高い測定精度を実現するためには、銅電極をバラツキなく接合する技術が必要となります。今回、独自の精密溶接技術により、抵抗体金属と厚い銅電極を接合し、高い放熱性と熱容量を持った構造を実現。これにより、5W相当の高電力化とともに、高い生産性も達成しました。

2. 超低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数を達成
一般的に、抵抗値が低くなるほど抵抗温度係数は大きくなりますが、今回、抵抗体金属に高機能合金材料を採用したことで、超低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数(TCR)を達成しました。


<アプリケーション回路図例>



<スペック表>


<用語説明>
1. TCR(Temperature Coefficient of Resistanceの略)
「抵抗温度係数」のことで、この値が低いほど周囲温度の変化に対する抵抗値変化が少なく、機器の動作ばらつきを抑えることができる。



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