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ドライバーの疲労状態を検出するセンサーを研究【ボルボ・カー・ジャパン】

2014年3月18日

車を運転するドライバーが疲労していたり、注意力が低下している状態にあることを車が認識するシステムによって、未来の車はさらに安全になります。例えばこのシステムにより、ドライバーが目を閉じているのか、どこを見ているのかを検出することも可能となります。



「このシステムがいざというときに役立つ、ということを理解すれば、ドライバーは自分の車をさらに信頼できるようになるでしょう」とボルボ・カーのエンジニアであり、ドライバー支援機能の開発プロジェクトリーダーである、パー・ランドフォースは説明します。

このシステムでは、ダッシュボード上にセンサーを設置し、ドライバーがどの方向を向いているのか、目はちゃんと見開いているのか、あるいは頭の位置や角度はどうか、センサーで検出します。センサーからの情報でドライバーの状態を推測し、ドライバーの状態に合わせて車を最適な状況にコントロールすることで、より緻密な安全運転支援システムの実現が可能となります。これにより、ドライバーの注意力が低下している状態での走行車線からの逸脱防止、前方車両へ近づき過ぎることの防止、居眠り運転の防止などが実現できます。

「ドライバーの注意力が低下していることを検出できるようになれば、安全システムをより効果的に動作させることができます。例えば、運転者の注意がきちんと払われている場合は、車の安全運転支援システムの作動タイミングを遅らせたり、逆に運転者の注意力が散漫になっているときにはシステムの作動を早めたり、といったことが可能となるのです。」とパー・ランドフォースは語ります。

この技術は、ダッシュボード上のドライバーの目の前に取り付けられたセンサーを使用します。赤外線を発する小型LEDがドライバーを照らし、センサーが検知します。赤外線は、不可視光線のため、運転中のドライバーの目にはまったく見えません。

このセンサーは安全運転支援システムでの利用にとどまらず、その他の機能を実現する可能性をもっています。目の動きを監視することにより、ドライバーの視線の向きに応じて、車室内の照明やヘッドライトの向きを調節することが可能になります。あるいは、運転席でハンドルを握る個人を特定することで、自動的にシートの調整を行うことも可能になります。

「顔の異なるいくつかの点をセンサーによって測定することで、ドライバーを特定します。車に顔写真を記録させておく必要はないのです」とパー・ランドフォースは説明します。



これらの技術は、すでにテスト車両に搭載されています。ボルボは、ドライバーの疲労や注意力の低下を検出する効果的な方法を確立するために、スウェーデンのチャルマース工科大学とボルボABを含むパートナーとともに研究開発を行っています。

ドライバーセンサーが重要な役割を果たす「Driver State Estimation」と呼ばれる、運転中のドライバーの状況を検知する技術は、今後、自動運転車が登場する際の鍵となるかもしれません。なんらかの理由で車が自動運転を継続できなくなったときに、運転操作をドライバーに委ねて良いかの判断を、車自身が行わなければならないような状況下で、ドライバーセンサーは重要な役割を果たします。

この技術は、新しいボルボ車において、交通事故による死亡者や重傷者をゼロにするというボルボが掲げる2020年の目標(VISION2020)に向けての多くの取り組みの1つです。





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